植物栽培ナビモミジの育て方

監修  園芸研究家 倉重祐二
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

品種紹介

 日本原産のカエデの野生種が園芸化されたものなので、一般に販売されている品種は、どれも栽培が容易です。芽出しや紅葉の色、葉形、幹や枝の色をポイントに好みの品種を選ぶとよいでしょう。

 オオモミジ‘立田川' 新葉が黄色味を帯びた薄い緑色だが、だんだんと緑色になり、紅葉も美しい。

 イロハモミジ‘出猩々' 若葉は美しい赤で、夏には緑色に戻る小型品種。

 イロハモミジ‘猩々' 紫色を帯びた茶色の葉で、夏でも緑色にならない。

 イロハモミジ‘珊瑚閣' 欧米で人気が高い品種。葉はイロハモミジと変わらないが、枝が紅色で、特に冬には色が冴える。

 ネグンドカエデ‘エレガンス'‘フラミンゴ' 北米原産のカエデ。美しい斑入りの葉が印象的。成長が早く、日本原産種に比べて大きくなるので、植栽には広い場所が必要。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

植えつけ方

植えつけ

 いずれの種類も半日陰から日なたの、水はけのよい場所に植えつけます。日陰では幹の太りが悪くなり、美しく紅葉しません。また、カエデの太い根は地中深くに入りますが、細根は空気を好むために地表近くに張るので、水はけの悪い土壌では、根腐れが起きやすくなります。反対に極端に乾く場所では、夏の強光線と高温で、葉がちりちりになってしまいます。

 品種によって異なりますが、本来大きくなる木です。植え場所は、ある程度の空間が必要ですが、剪定することによって、小さく保つこともできます。

 鉢植えの場合は、通年戸外で管理します。春、秋は十分に日光に当て、夏は半日陰、冬は寒風が当たらない場所で管理します。斑が多く入る品種や室内で観賞した鉢を急に戸外の強光線にさらすと葉焼けを起こすので、まず日陰に置き、徐々に光が当たる場所に移動させます。

 植えつけ、植え替えともに、真冬を除く休眠期、10月下旬~11月、または2~3月に行ないます。植えつける時には、根鉢を1/3ほどくずして、根の先を切り詰めます。この時、腐った根は取り除きましょう。根鉢の大きさの1.5倍の直径、深さの植え穴を掘り、腐葉土や堆肥を混ぜ込んでから植えつけます。

 鉢植え用土は、赤玉土(細粒と中粒を1:1に混合)に3~4割の腐葉土を加えたものなど、水はけと保水性がよいものを用います。

 

栽培管理

管理

水やり

 根づいてしまえば、夏の高温期で極端に乾燥する時期以外には、庭植えでは特に水やりの必要はありません。

 鉢植えでは、夏は朝と夕方、春と秋は1~2日に1回程度、冬は乾燥したら水やりします。

肥料

 庭植えの場合は、寒肥として2月、4~5月の成長期、また9~10月の充実期に、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を1m²当たり150g、株のまわりにばらまきます。株を大きくしたくない場合は、施さなくてもかまいません。

 鉢植えで特に大株に育てたい時には、庭植えに準じ、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」を用土1ℓ当たり5g、鉢土の表面にばらまいて施します。ただし、普通は4~5月に1回施せばよいでしょう。

剪定

カエデは自然樹形が美しいため、庭植えの場合は本来剪定の必要はありません。しかし、場所の関係などで大きくしたくない時や、鉢植えでは、剪定を行ないます。適期は落葉後、なるべく早い時期です。枝を切ったときの樹形を考えて、まず上に伸びて重なるなど、樹形を乱すような大きな枝(1)をつけ根から切り除き、次に重なった枝(2)を整理します。さらに、残った枝(3)を好みの長さで剪定します。この場合、節のすぐ上で切るようにします。翌年、節につく2つの芽から新しい枝が伸びてきます。太い枝を切った部分には、殺菌剤「トップジンMペースト」を切り口に塗っておきます。

ふやし方

園芸品種は、普通接ぎ木でふやしますが、台木の準備や特別な技術が必要なので、ここでは省略します。ネグンドカエデやトウカエデは、さし木でふやすことができます。開花後に伸びはじめた新梢は、6~7月には充実して硬くなります。この枝を、長さ10cmほどで切り取ります。先端の葉2~3枚を残して、1時間ほど水揚げをし、植物成長調整剤「ルートン」を切り口に薄くまぶしてから、鹿沼土やさし木専用用土に、葉が触れる程度の間隔でさします。風の当たらない日陰で乾かさないように管理すれば、秋には発根します。

 ヤマモミジやメグスリノキなどの野生種は、タネでふやすことができます。タネは採種後、乾燥させないうちに、赤玉土を入れた平鉢にまきます。春に発芽するので、本葉が3~4枚になったら、2.5~3号(直径7.5~9cm)鉢に1本ずつ植え替えします。

 

監修  園芸研究家 倉重祐二
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。

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