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準備と植え付け|すもも【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

すもも【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

すもも【地植え】写真

スモモは、サクラ属スモモ亜属に属しており、アジア、ヨーロッパ、北アメリカの3地域におよそ30種が分布しています。現在、栽培されているスモモは、その中から育種されたものであり、ニホンスモモ(スモモ)、ヨーロッパスモモ(プルーン)、およびアメリカスモモの3つに分類されています。このうちスモモは主に生食用として栽培され、プルーンは生食用のほか、乾果(ドライフルーツ)、ジャムやコンポートなどの加工用として

準備

品種選びのポイント

‘太陽’や‘大石早生’などの品種は、作りやすく、大果で、酸味が少なく糖度が高い美味しい品種です。しかし、スモモ品種の多くは1本では結実しない性質をもっており、受粉樹が必要となります。庭が狭くて、2本の植栽が難しい方には、花粉が多く、1本でもよく結実する‘サンタローザ’ ‘メスレー’などがお勧めです。しかし、‘ビューティー’と‘メスレー’や‘ソルダム’と‘メスレー’の組み合せは結実しにくくなるので注意しましょう。

育て方のコツ

 スモモは、受粉がうまくいくと、たくさんの果実が着きます。このままだと、株の負担が増し、それぞれの果実が養分を奪い合うことで、大きな果実にはなりません。そこで、果実が親指ぐらいになる開花約1ヶ月後から摘果を開始します。上を向いて着いているもの、傷があるもの、軸が長いもの、虫に食害されたものから取り除きます。その後、2週間ぐらい経ってから、2回目の摘果を行ないます。最終的には、品種によって多少違いますが、枝10~15cmごとに1個の果実が着くようにしましょう(イラスト参照)。次に、果実吸蛾類やシンクイムシの防除や裂果を防止するために、袋かけを行ないます。

植えつけ方

植えつけ

庭植えは、風通しがよく、水はけのよい日なたを選びます。植え穴は直径60cm、深さ50cm程度とし、掘り上げた土、赤玉土(大粒)、完熟腐葉土を5:3:2の割合で混合し、1株あたり300g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」と苦土石灰を適量施し、根を広げて深植えにならないように植えつけます。次に枝は50~60cmの長さで切り戻し、しっかりとした支柱を立てましょう。最後はたっぷりと水を与えます。3~4年生の大苗はすでに花芽をもっていることがあり、早い時期に開花が始まるので、年内に植えつけを終了したほうがよいでしょう。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

すもも【地植え】の育て方のページです。
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