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栽培管理|パッションフルーツ【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

パッションフルーツ【地植え】の栽培管理と収穫の方法について紹介します。

パッションフルーツ【地植え】写真

パッションフルーツは華やかな香りと清々しい酸味の果実や、時計の文字盤を思わせるきれいな花が特徴の熱帯原産のつる性多年草です。果実は、黒色のタネを含む半透明ゼリー状の黄色い果肉(仮種皮)で満たされ、タネも食べられます。血流をよくする効果があるといわれるβ-カロテンや動脈硬化の予防効果があるといわれるリノール酸を多く含んでおり、健康維持の効果が期待できます。

管理

水やり

 パッションフルーツの水やりは、基本的には鉢土の表面が乾いたら行ないます。気温が高くなる6月以降は、株も旺盛に生育を始めるため、1日2回は水やりするようにします。また、つるがどんどん伸びる栄養成長が盛んすぎると花芽がつきにくくなるため、枝葉が大きく展開した後は、水やりを控えめにします。

肥料

 パッションフルーツの生育初期には、株を充実させるためにチッ素肥料を基本に施すことが有効ですが、チッ素過多になって栄養成長が盛んすぎると、花芽がつきにくくなります。ある程度株が成長したら、チッ素分を控えてリン酸肥料を施すことがポイントです。

 庭植えの場合、1~2年生苗であれば、元肥として植えつけ時に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり150g程度施し、さらに追肥として、6月に同様の肥料を75g程度、施しましょう。粒状肥料「マイガーデンベジフル」は、元肥(3月)と追肥(6月)の両方に使えます。

 なお、施肥量は、成木になるにつれて徐々にふやします。無霜地帯以外では庭植えでの冬越しは難しいため、果実の収穫が終わったときの9月の追肥(お礼肥)は不要でしょう。

誘引

 パッションフルーツはつる性植物のため、枝の誘引が必要です。果実を収穫する目的の場合は、あんどん仕立てが最適です。緑のカーテンに仕立てる場合は、ネットに誘引します(図参照)。主幹を一本立ちさせ、地表から20~30cmぐらいで左右に数本の主枝を分岐させて誘引し、さらに、それぞれの主枝から出る側枝をネットに誘引していきます。最初は頻繁に誘引が必要ですが、徐々に自分で巻きづるを伸ばし這い上がっていきます。側枝に花が多くつくので、収穫が終わるまでなるべく剪定はしないようにしましょう。

 剪定後の切り口、及び傷口のゆ合促進には、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時の枝の切り口に塗布します。

収穫

受粉・収穫

 パッションフルーツは、充実した株では5月頃から開花を始め、2カ月ほど開花期が続きます。果実が紫色の系統は自家受粉で結実するといわれていますが、同株の別の花や異株の花の花粉を受粉させることで、実つきがよくなり果実も大きくなります。そのため、できれば2株以上を植えるとよいでしょう。

 果実の成熟時期は、真夏の高温乾燥する時期に当たり、また、果実と葉の間で水分の競合が起こるため、水切れには特に注意することがポイントです。

 果実は、受粉からおよそ2カ月で収穫期を迎えます。果実を軽く持ち上げて取れる程度に熟したら収穫します。

 収穫した果実は、果実表面にシワができるまで室温で保存してから食べると、甘酸っぱい最高の香りのパッションフルーツが味わえます。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

パッションフルーツ【地植え】の育て方のページです。
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