植物栽培ナビフェイジョア【地植え】の育て方

監修  宮崎大学農学部教授 國武 久登
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

鉢やコンテナで育てるときは

フェイジュアの鉢栽培では、10号(直径30cm)程度の大きさの鉢を使用し、用土には、赤玉土6、腐葉土2、鹿沼土2(またはボラ土)に、その用土1ℓ当たり5g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」と適量の苦土石灰をよく混合したものを使用して植えつけます。

  • 植えつけ後はしっかりと水やりを行ない、樹高の30cm程度の位置で切り戻し、支柱を立てます。
  • 置き場所は、風が直接当たらない日なたがよいでしょう。
  • 過湿を嫌うので、鉢土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えましょう。
  • 枝が伸長を始めたら、支柱を立てて、左右に枝を開きながら、混み合う枝や長く伸びる枝を剪定しましょう。
栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

品種選びのポイント

フェイジョアの栽培で注意するべきことは、「人工授粉」を行ない、結実を促す必要があるということです。‘アンドレ’や‘クーリッジ’のように自家結実性の品種もいくつかありますが、‘トライアンフ’や‘マンモス’をはじめ、ほとんどの品種は自分の花粉では実を結ばない自家不和合性の植物です。花のみを観賞する場合は1株でかまいませんが、果実まで収穫する場合は、必ず別品種を組み合わせて、2株以上で栽培することが必要です。

育て方のコツ

フェイジョアの特徴は、樹勢が強く、病害虫がつきにくく、常緑果樹の中では寒さにも強いことです。
 フェイジョアの開花は5月中旬~6月中旬ごろです。ミツバチなどの訪花昆虫が多いところでは問題はないのですが、ベランダや人通りの多い場所では、人工受粉することをおすすめします。
 人工受粉は、当日開花した違う品種の花を持ってきて、花の中央に飛び出している雌しべの先端に押しつけるだけです。1つの花で10花ほどは十分に人工授粉させることが可能です。なお、花粉は、新しいものの方が活性が高いので、古い花は使わず、なるべく当日咲いた花を使いましょう。

 

植えつけ方

植えつけ

自家不和合性が強く1株では実がつきにくい性質を持っており、2品種を購入する方がよいでしょう。植えつけ適期は3月中旬~4月中旬です。フェイジョアは、寒さに比較的強いので、暖地では秋植えもできますが、ほとんどの地域では春植えがよいでしょう。幅広い環境に適していますが、庭植えの場合は、水はけがよく、風の当たらない日なたを選びます。

 まず、直径、深さとも50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土5、腐葉土3、赤玉土小粒2に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株当たり200g程度よく混合し、1/2〜2/3量程度を埋め戻します。次に、苗木の根鉢をくずして、根を広げて苗を据えてから、さらに用土を入れます。また、苗木の樹高の50cm程度の位置で切り詰め、支柱を立てます。最後に十分に水やりを行ないます。

 なお、比較的寒い地域で栽培する場合には、株の周りに敷きわらを敷くとともに、葉からの水分蒸散を抑えるために、株をコモや寒冷紗などで覆いましょう。乾燥が続くときは、暖かい日を選んで、株の上から水やりを行ないましょう。また、フェイジョアは枝が裂けやすい性質を持っていますので、雪の重みに耐えられる程度のしっかりとした支柱を立てましょう。

 

栽培管理

管理

水やり

夏の高温乾燥によっては、果実の生長が止まったり、落果することがあります。晴天が続くときはたっぷり水やりをしましょう。敷きわらなどでマルチングを施して、乾かし過ぎを防ぐことも大切です。

肥料

施肥は年2~3回が基本となり、寒肥とし2月に有機質肥料、または粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり200g程度を施し、追肥(お礼肥)として11月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり50g程度施すようにします。
しかしながら、もともと旺盛な生長をしめす種類なので、順調に生育しているようであれば、追肥は控えるようにしましょう。また、3月に適量の苦土石灰を、毎年施用するようにしましょう。

仕立て方と剪定

フェイジョアの整枝・剪定は、3~4月に行ないます。1~3年生の樹では、主幹となる枝をまっすぐに伸ばし、そこに枝をバランスよく配置するような仕立て方をします。

 また、新梢の先端を1/3程度切り戻します。樹形ができたあとは、切り返し剪定はあまり行なわず、混み合う枝を間引き、木の内側に光が当たるように側枝を開きます。

 剪定後の切り口、及び傷口のゆ合促進には、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時の枝の切り口に塗布します。

 

収穫

収穫

フェイジョアは、10月下旬から11月にかけて収穫期を迎えます。収穫直後の果実は未熟なものが多いので、前述したような追熟を行ってから食べましょう。果皮が緑色で固く、成熟時期がわかりにくいのですが、自然落果したものは適度に成熟しており、すぐにでも食べることができます。

監修  宮崎大学農学部教授 國武 久登
1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

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