植物栽培ナビきゅうり【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

キュウリの原産地は、インド北西ヒマラヤ山麓地帯。栽培の歴史は古く、西アジアではすでに、3,000年以上前から栽培されていた記録があるそうです。

中国へは紀元前122年に導入されて広まり、6世紀初頭には広く普及しています。「胡瓜」の名前から、シルクロードから伝播したことがわかります。
 唐の玄宗皇帝の時代、740年頃には、すでに火室を用いた促成技術が発達し、寒い2月中旬にも生産されていたというからおどろきです。

日本へは、マクワウリに続いて10世紀より前に伝来。『本草和名』(918年)にも「胡瓜」の名が見られます。

キュウリの生育適温は18~28℃で、冷涼な気候を好みますが、霜には弱いため、10~12℃以下では生育しません。

キュウリは発芽から収穫までおよそ60日と、果菜類のなかでも短いのが特徴です。さらに、開花から7日程度が収穫時期のため、この適期を逃さないようどんどん実を収穫することが大切です。

作型や品種の特徴:[家庭菜園向き品種]「つばさ」「北進」「南進」「Vロード」「夏すずみ」「夏ばやし」など。
[四葉(すーよー)系]「シャキット」「鈴成四葉」「さちかぜ」など。 [地這い品種]「ときわ地這」「青長系地這」「霜知らず地這」など。 [地方品種]「相模半白節成」「加賀太キュウリ」など。

タネから育てる場合:キュウリは苗を購入して育てるのが一般的ですが、タネから育てるときは、4月中旬~6月ごろ、直径12cmほどのポリポットに2粒ずつタネをまきます。発芽し、本葉1枚のときによい苗を1本残して間引き、育てます。その後、週に1回、液体肥料を施し、肥料切れに注意します。タネまきから約30日後、本葉が4枚ほどになったら、畑やコンテナに植えつけます。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・苗(双葉がしっかりついている、本葉4枚程度のもの)
・クワ、またはスコップ
・苦土石灰
・完熟牛ふん堆肥
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・移植ゴテ
・支柱(210〜240cm)
・麻ひも、またはビニールタイ
・ジョウロ

 

ワンポイント

双葉がしっかりついている、本葉4枚程度の苗で、節間がつまりがっしりしているもの。さらに、葉色が濃く、病害虫がついていなく、根鉢がしっかりできているものを購入しましょう。なお、接木苗は高価ですが、病気に強く、育てやすいのでおすすめです。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 4月中旬〜5月上旬
①植えつけの2週間前に、苦土石灰を1㎡当たり150〜200gまき、よく耕しておきます。
②1週間前、1㎡当たり完熟牛ふん堆肥を3~4kgと粒状肥料をまいてよく耕します。1条植えの場合は畝幅60cm、2条植えの場合は畝幅120cmをとって畝を立てます。
③1条植えでは株間60cm、2条植えでは条間60cm、株間60cmをあけて配置します。移植ゴテをさして穴をあけ、植え穴を掘り、まず水をたっぷりと注ぎます。水が引いたら苗を植えつけましょう。
④支柱を立てて、茎と麻ひもなどで結び留めます。

 

ワンポイント

2条植えの場合、支柱は合掌に立てるとよいでしょう。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・追肥用肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」、液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・手グワ
・麻ひも、またはビニールタイ

 

ワンポイント

ときどき土の表面を手グワでほぐしておくと、土の通気性や透水性が保持できます。また、土の表面に根が出てきたら、土を足してカバーしておきます。

置き場所

 

風通しのよい日なたを選んで植えつけます。

 

水やり

 

植えつけ時から1週間ほどは、土の表面が乾いたらジョウロでたっぷり水やりします。その後は、葉が萎れるほど乾くとき以外、水やりは不要です。水やり回数の目安は以下です。4月〜6月 1〜3日1回、7月〜8月中旬 1〜4日1〜2回

 

肥料

 

肥切れさせないように、1週間に1回液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」、もしくは粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」を追肥をします。

 

間引き・土寄せ

 

株周りの土の表面を、手グワなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。

 

支柱立て

 

支柱は、210〜240cmほどのものを使います。2条植えの場合は、合掌式がおすすめです。

 

わき芽摘み

 

地際から30cmほどの位置を目安にし、親づるの5~6節までの子づるは、全て摘み取りましょう。

 

親づるの5~6節までの子づるは、全て摘み取る。

 

 

整枝と誘引

 

親づる1本仕立てを基本とします。子づるは、1~2節をつけて先端を摘心します。親づる、子づるともに、適宜つるにひもを巻きつけ、8の字状になるよう何度かねじった後、支柱にしっかりと縛って誘引します。誘引は、週1回行いましょう。

 

摘心

 

親づるの5~6節より上からでる子づるは、各つる1~2節をつけて先端を摘心し、親づる1本仕立てを基本とします。また、親づるがのびて支柱の先端に達したら、つる先を摘心します。

 

子づるは、各つる1~2節をつけて先端を摘心する。

 

 

ワンポイント

子づるは、各つる1~2節をつけて摘心し、主枝1本にだけを伸ばす1本仕立てで育てます。

収穫

1~2番果までは、株を疲れさせないためにも若取りを心がけましょう。それ以降は、18~20cmの長さになった実を、どんどん収穫します。

ワンポイント

キュウリは1日で3cmものびるので、うっかり見逃してしまうとヘチマのような巨大キュウリになってしまいます。食味が劣るので注意しましょう。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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