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準備と植え付け|ぶどう【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

ぶどう【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

ぶどう【地植え】写真

ブドウは、ブドウ科ブドウ属に分類されるつる性落葉果樹です。現在栽培されているブドウは、西アジアのコーカサスからカスピ海沿岸にかけての地方で生まれた「ヨーロッパ種」、北アメリカ東部原産の「アメリカ種」、そして、それらを交配して作った欧米雑種の3群があります。 また,ブドウはカンキツ類と並んで生産量が多い果樹ですが、そのほとんどはワインの原料として利用されます。

準備

種類、品種選びのポイント

 「ヨーロッパ種」は、世界のブドウの主流で品質は極めてよいのですが、日本の気候では栽培がやや難しく、果皮が薄いために腐りやすいのが特徴です。一方、「アメリカ種」は、一般的にやや品質は劣りますが、病気に強い性質があります。

 そこで、それらのよいところを併せ持つ品種を育成するために、長年かけて育種されたのが「巨峰」や「デラウエア」などの「欧米雑種」です。家庭で栽培する場合は、これらを選ぶとよいでしょう。

育て方のコツ

 ブドウの花や果房のつき方は、前年に伸びた枝のわき芽が春に動き出し、新梢が伸びます。花はこの新梢の基部から数えて4~6節の葉腋に花(果)房となってつきます。この新梢の伸び具合を観察しながら、芽かきをし、摘房や摘粒を適切に行なうことが育て方のコツです。

 春の芽かきは、樹勢が強い場合には6月、弱い場合には5月に行ないます。5月になると花穂が出て来ます。果粒を大きくするためには、開花直前からハサミを使って房を切り込み、房づくりをします。

 また、結実が確認できたら、1房の果粒数を調整します。残す果粒の数は、品種によって異なりますが、巨峰やピオーネのような大粒品種では30~35粒、マスカット・ベリーAでは60~70粒、デラウエアでは90~100粒ぐらいになります。たくさん収穫したい気持ちはわかりますが、果実のならせすぎは、果実品質や樹勢の低下を招くので、思い切って摘房、摘粒を行ないましょう。

植えつけ方

植えつけ

 ブドウの主な産地の平均気温は11~15℃で、7℃以上であれば十分に栽培することが可能です。品種を選べば、日本中どこでも栽培できます。

 次に、降水量ですが、一般的には雨の少ない地域が適するものと思われますが、日本で栽培されている欧米雑種は雨に対する抵抗性が強く、問題はありません。

 植えつける場所は、日当たりのよい場所であれば、土質は選びません。ブドウは水はけがよく、弱酸性から弱アルカリの土壌が適しているので、日本の多くの土壌が適しています。極端にやせているような場所であれば、完熟堆肥や腐葉土を入れるようにしましょう。

 ブドウの苗木は、一般的に秋から春にかけて販売されますが、12~2月の休眠期(極寒期を除く)が植えつけの適期です。苗木には、つぎ木苗とさし木苗がありますが、フィロキセラという「アブラムシ」が寄生している場合があります。多少、高価でも、つぎ木苗を選ぶとよいでしょう。

 植えつけ場所は前述したように、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。庭植えの場合、直径60cm、深さ50cm程度の穴を掘り、掘り上げた土5、腐葉土3、赤玉土中粒2、1株あたり200g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」、苦土石灰を入れてよく混合し、根を広げるようにして植えつけましょう。このとき、つぎ木している部分が土中に埋まらないように注意します。

 次に、支柱を立てて、5芽ほど残して主枝を切り詰めます。最後に、水鉢を作り、たっぷりと水を与えます。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

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