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栽培管理|ぶどう【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

ぶどう【地植え】の栽培管理と収穫の方法について紹介します。

ぶどう【地植え】写真

 ブドウは、ブドウ科ブドウ属に分類されるつる性落葉果樹です。現在栽培されているブドウは、西アジアのコーカサスからカスピ海沿岸にかけての地方で生まれた「ヨーロッパ種」、北アメリカ東部原産の「アメリカ種」、そして、それらを交配して作った欧米雑種の3群があります。  また,ブドウはカンキツ類と並んで生産量が多い果樹ですが、そのほとんどはワインの原料として利用されます。飲料水が少ない地域では、ワイン

管理

水やり

 庭植えのブドウは、苗が活着したら水やりは控えめの方がよく育ちます。夏に天気がよい日が続き、乾くようなら、たっぷり水を与えましょう。

肥料

 開花結実するようになったら、年3回、施肥しましょう。1回の肥料は控えめにし、まず、寒肥として12月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり200g程度施し、追肥として3月と8月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり50g程度、株のまわりの土の上にばらまいて施します。

仕立て方と剪定

 ブドウはつる性果樹なので、どのような形にも仕立てることができます。最も一般的な仕立て方は「棚仕立て」で、日本の生産者の方々がよく用いている手法です。また、フェンスを利用した「垣根仕立て」、支柱を使った「一文字仕立て」や「棒仕立て」なども楽しむことができます。

 ブドウは、前述したように、春に伸びる新梢に花穂をつけます。そのため、冬の間に樹形を維持するために枝を切り詰め、棚などに誘引しておきます。

 まず、古い枝や生長を妨げる枝など、不要な枝を切ります。残した枝についても樹勢を抑えるために、先端を切り詰めます。樹勢が強くなりすぎると、枝や葉の方に栄養が回ってしまい、果実の品質が低下します。

 枝を切り詰める長さは品種によって多少異なり、樹勢の強い「巨峰」や「ピオーネ」などは結果母枝に7~8芽残して剪定し(長梢剪定)、樹勢の弱い「デラウエア」や「マスカットベリーA」などは、2~3芽残して剪定します(短梢剪定)。剪定は、芽と芽の間で切り、1m2当たり2~3本の枝を残すようにします。

 剪定が終了したら、バランスを見ながら、棚や垣根に誘引します。

 剪定後の切り口、及び傷口のゆ合促進には、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時の枝の切り口に塗布します。

収穫

収穫

 ブドウは成熟が近づくと房全体が色づき、品種によっては何ともいえない香りが漂います。また、房の基部(枝に近い方)から房先に向かって成熟してくるので、房先の果実を食べてみて美味しかったら収穫します。

 果房は、ハサミで丁寧に切り取りましょう。樹全体の房が一度に成熟するわけではないので、1房ずつ観察しながら収穫することがポイントです。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

ぶどう【地植え】の育て方のページです。
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