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準備と植え付け|りんご【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

りんご【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

りんご【地植え】写真

リンゴは、西アジア原産の落葉果樹で、世界中で多くの品種が栽培されています。真っ赤な果実が魅力のひとつであり、糖酸のバランスがよく、香りや歯ごたえがよい果実は、日本人の嗜好にマッチしています。  花は薄い紅色を呈し、樹姿は観賞樹としてもすばらしい素材といえます。冷涼な気候を好む果樹のイメージがありますが、暖地でも栽培が可能で、鹿児島県北部までなら栽培が可能です。

準備

品種選びのポイント

家庭果樹としては早生品種がよく、豊産性で早くから果実をつける‘さんさ’、‘祝’、‘つがる’などの品種がおすすめです。
 最近「バレリーナ・タイプ」とか、「カラムナー・タイプ」と呼ばれる系統群があります。もともとは、カナダのウイジック氏のリンゴ園で、‘旭’という品種の枝変わりとして選抜された特殊な樹形をした系統群です。この系統は、側枝や節間の長さが普通の栽培品種に比べて極めて短く、枝が横に成長することがないので、極細円筒形(棒状)の樹形に生長する特性をもっています。そのために、剪定や収穫作業が非常に簡単に行うことができます。
 しかも、この性質は後代に遺伝するということもわかり、現在世界各地で「カラムナー・タイプ」の品種育成が試みられています。日本には、‘メイポール’、‘ワルツ’、‘ポルカ’、および‘ボレロ’という品種がよく出回っています。‘メイポール’は、果実は小さいのですが、花も果実も濃い赤になる品種で見ばえがします。‘ワルツ’は、「カラムナー・タイプ」のなかではもっとも食味のよい品種です。‘ポルカ’、は暖地向きで、よく着色します。‘ボレロ’は緑色にほんのり紅がつく程度の果実です。これらの品種はすべて晩生であり、9月下旬~10月上旬に収穫できます。

育て方のコツ

ほとんどの品種では自分の花粉では結実しにくく、2種類以上の品種を混植することが重要です。人工受粉は、ほかの果樹と同じように、違う品種の花粉を集め、綿棒や耳かきのような受粉棒を使って行ないます。そのときに注意しなければいけないのが、組み合わせです。

品種名適する受粉樹
千秋

ふじ、祝

つがる、千秋


 一方、‘陸奥’、‘ジョナゴールド’、‘北斗’などの3倍体品種は、ほとんど活性のある花粉がでないので、使用することができません。
また、花粉は、採取しておけば、室温でも数日は大丈夫です。冷蔵庫で保存すれば、開花の遅い品種でも受粉に使うことができます。 

植えつけ方

植えつけ

リンゴの植えつけは、厳冬期を除く11〜3月が適期です。

 庭植えでは、水はけがよい日なたが適しています。接ぎ木苗は、根が多く、大きな芽のついたしっかりしたものを選びましょう。特に、暖地では西日が強く、乾燥しやすい場所は避けましょう。

 庭植えではまず、直径50cm、深さ50cm程度の穴を掘り、掘り出した土5、腐葉土3、赤玉土2の混合土に、1株あたり200g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混ぜたもので植えつけます。接ぎ木部分が地上部に出るようにし、深植えにならないように気をつけます。さらに、樹高70cm程度の部分で切り戻し、支柱を立てて固定します。最後に、水をしっかりやればできあがりです。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

りんご【地植え】の育て方のページです。
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