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栽培管理|りんご【地植え】の育て方
監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登
りんご【地植え】の栽培管理と収穫の方法について紹介します。
リンゴは、西アジア原産の落葉果樹で、世界中で多くの品種が栽培されています。真っ赤な果実が魅力のひとつであり、糖酸のバランスがよく、香りや歯ごたえがよい果実は、日本人の嗜好にマッチしています。 花は薄い紅色を呈し、樹姿は観賞樹としてもすばらしい素材といえます。冷涼な気候を好む果樹のイメージがありますが、暖地でも栽培が可能で、鹿児島県北部までなら栽培が可能です。 雨よけなどの工夫をすれば、多く
管理
水やり
庭植えでは、活着後の水やりはほとんど必要はありません。暖地では、晴天が続いて土の表面が乾いていたら、水を与えましょう。特に、開花から着果までの期間は、乾かし過ぎないように注意が必要です。
肥料
施肥は年2~3回が基本となり、元肥として11~12月に有機質肥料、または粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり300g程度を施し、追肥として3~4月に粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1株あたり50g程度施すようにします。
仕立て方と剪定
リンゴは、枝つくりがしやすく、樹形の美しさを楽しめる種類です。一般的には、「側枝水平仕立て」がおすすめです。この仕立て方は、主幹となる枝を決め、支柱を立てて、ひもなどを使いながら、新梢を水平に開きながら誘引します。枝を水平にすることにより花芽がつきやすくなります。
リンゴは2年枝の先端とそのわき、または、3年枝についた短果枝の先端に花芽がつき、充実した果実がなります。そこで、短果枝は切らず、主枝の先端や長果枝を元から剪定します。また、交差している枝、古い枝、徒長枝だけを剪定し、全体のバランスをとってください。
剪定後の切り口、及び傷口のゆ合促進には、殺菌剤「トップジンMペースト」」を剪定整枝時の枝の切り口に塗布します。
摘果と袋かけ
美味しい果実をならせるには「摘果」が重要です。果実が多すぎると果実が小さくなり、木が疲れて隔年結果を助長します。
摘果の目安は、大玉品種で5~6花房で1果、中玉品種では3~4花房に1果を残すようにします。
なお、摘果は2回行ないます。1回目は開花後2~3週間後に、中心花(果)を残し、側花(果)はすべて除去します。
1回目に残した果実の中から形の悪いものや病害虫に侵された果実などを取り除くようにします。摘果後は病害虫を防ぐために、「袋かけ」を行ないます。特に、「袋かけ」は、炭そ病、輪紋病などの病気、シンクイムシなどの害虫を防ぐことができます。
収穫
収穫
日当たりのよい樹冠周辺から、徐々に樹冠内部の果実を収穫していきます。赤系の品種は収穫1カ月前に袋をはずし、光に当てて赤色を濃くしていきます。十分に色づいたものから、収穫していきます
1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。
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