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栽培管理|オリーブ【地植え】の育て方

宮崎大学農学部教授 國武 久登

オリーブ【地植え】の栽培管理と収穫の方法について紹介します。

オリーブ【地植え】写真

 オリーブはモクセイ科オリーブ属に分類される常緑の中低木です。起源地は小アジアとされ、古代フェニキア人によってギリシャの島々を経て、地中海全域に広まったとされています。栽培は今から5千年~6千年前といわれ、古い歴史をもつ果樹のひとつです。  5~6月にかけて腋芽部にミルク色の小さな花を咲かせます。1花序に10~30個の小花をつけ、品種によっては、株全体が花で真っ白に見えるものもあります。果実

管理

水やり

 オリーブは基本的には乾燥に強い植物ですが、適度の水分を好むため、1年を通して水を切らさないようにした方がよく育ちます。乾燥に強いといっても、水分がないと成長は極端に抑えられてしまいます。夏期に乾燥する地域では、腐葉土などを使って株元をマルチングすることが重要です。

肥料

 この樹種はそんなにたくさんの肥料は必要ないのですが、やはり定期的な施肥は重要です。葉の色がやや黄色っぽくなったら、栄養不足のサインです。庭植えの場合は、2月に寒肥として粒状肥料「マイガーデンベジフル」を約200gを株のまわりにばらまいて施します。果実が収穫できるようになってからは、果実が成長する6月と収穫後の11~12月に、50g程度ずつ同様にばらまいて追肥します.また、石灰を好むので、樹勢をみながら適量の苦土石灰をすき込むとよいでしょう。

剪定

 オリーブの剪定は、気温が下がり、根が動いていない2月に行ないます。花芽は前年春に伸びた枝につきます。冬期剪定でその新しい枝をすべて切ると果実がつきません。一方で、まったく剪定をしないと、枝や葉が混み合い、樹幹の内部まで日光が届かなくなったり、風通しが悪くなって樹勢が衰え、病気の原因にもなります。全体のバランスをみながら、枝を透かす間引き剪定をするようにしましょう。樹勢がついてくると根際からたくさんのひこばえが出てくるので、毎年つけ根から切ります。また,5年に1回程度は太い枝を切り、樹の若返りを図りましょう。剪定後の切り口や傷口のゆ合を促すには、殺菌剤「トップジンMペースト」を剪定整枝時に枝の切口に塗布します。

収穫

収穫

 オリーブは成熟するにつれて、果皮が緑色から赤色、そして黒紫色に変わっていきます。果実をピクルスや塩漬けにする場合は、9月ぐらいから未熟な果実を収穫します。収穫した果実に含まれる渋みを取るには苛性ソーダが必要で、作業には注意が必要です。また、オイルを搾る場合は、12月ごろに完熟した果実を収穫します。

ふやし方

 オリーブは、ブルーベリーと同様に、緑枝ざし(密閉ざし)で簡単にふやすことができます。太木ざしといって、直径5cm以上の枝を2月に土中に埋め込み、直接成株を作る大胆な方法もあるぐらいです。緑枝ざしは6~7月に行ないます。新梢の先10~15cm程度をさし穂用に準備し、葉を4~5枚程度残してほかは取り去ります。さす用土は、日向土とパーライト(1:1)などの水はけのよいものを用いましょう。準備したさし穂を用土にさし、よく水をかけて、ポリシートで密封するとできあがりです。置き場は日なたよりも日陰がよく、1週間に1回水やり、または水を霧吹きして、湿度を保ちます。1カ月程度で発根し、小苗ができます。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

オリーブ【地植え】の育て方のページです。
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