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準備と植え付け|レモン【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

レモン【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

レモン【地植え】写真

 香酸カンキツのひとつであるレモンは、強い酸味と香りがあり、世界中で生食、ジュース、料理の風味づけなどに利用されています。日本でも、農薬を使わずに栽培した果実をスライスしたものを、紅茶などに浮かべて飲みたいなどのニーズがあって、自宅で栽培する方がふえています。  レモンには、ビタミンCが豊富に含まれています。このため、風邪予防や美容の効果が期待できます。また、疲労回復にも効果が高いといわれて

準備

種類・品種選びのポイント

 レモンは、原産地がインドとその周辺であるために、降水量が少なく、暖かい気候を好みます。そのためやや寒さに弱いのですが、最低気温が3℃までなら耐えることができるので、瀬戸内地方以西の平野部なら庭植えで育てることができます。‘リスボン'や‘マイヤーレモン'などの寒さに強い品種を選んで鉢植えにし、冬の管理を適切に行なえば、関東地方以西の平野部でも十分に楽しむことができます。

育て方のコツ

レモンは、基本的には花が咲きやすい種類で、1年生の接ぎ木苗なら3~4年で多くの果実がつくようになります。花が咲かないということであれば、管理の基本を確認してみましょう。まず、植えつけには、水はけと水もちがよく、有機物を多く含んだ用土を使い、日当たりのよい場所に置くことが大切です。

 また、年間を通して肥料を切らさないようにすること、夏に用土を絶対に乾かさないようにすることが重要です。

 このような基本的な管理ができているのに花が咲かないということであれば、樹勢が強すぎるために花芽がつかないということが考えられます。上向きにのびた枝を下方向に誘引して樹勢を落ち着かせると、花芽がつきやすくなります(図参照)。

植えつけ方

植えつけ

 レモンは、秋から翌春にかけて1~2年生の接ぎ木苗が販売されます。植えつけ適期は3月中旬~4月中旬です。実つき苗を購入した場合は、収穫を終えたあと、春を待って植え替えるとよいでしょう。

 庭植えの場合は、日当たりと水はけがよく、強風が吹きつけない場所を選びます。直径、深さとも50cm程度の植え穴を掘り、掘りあげた土5、腐葉土3、赤玉土の小粒2に1株当たり300g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混合し、用土の半量から2/3量程度を植え穴に戻します。次に、苗木の根鉢を崩して、根を広げて苗を据えてから用土を入れます。その際、接ぎ木部分が埋まらないように浅植えにすることがポイントです。さらに、苗木を高さ50cm程度で切り詰め、支柱を立てます。最後に十分に水やりします。

 なお、かいよう病を防ぐために、庭植えならビニールシートなどで雨よけを設置します。鉢植えなら、軒下などに移動させましょう。

 また、暖地以外で庭植えに挑戦する場合には、遅くとも11月には寒冷紗を二重に巻くなどの防寒対策を忘れずに行ないます。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

レモン【地植え】の育て方のページです。
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