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準備と植え付け|セロリ【地植え】の育て方

監修:恵泉女学園大学教授 藤田智

セロリ【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

セロリ【地植え】写真

 セロリはパセリとともに、セリ科の代表的な野菜のひとつとされています。和名はオランダミツバ。セルリーと呼ばれることもあります。原産地は地中海沿岸地域とされ、中近東からアビシニア、スウエーデン東部などに野生種が分布しています。  日本へは16世紀に伝わったとされていますが、当時は野菜としての利用は少なかったようです。明治以降に再導入されてから、徐々に野菜として利用されるようになりました。

準備

作型や品種の特徴

 緑色種に、黄色種の早熟性と軟白しやすい性質を導入した交雑種では、葉柄が太く肉厚で、食味の良い‘コーネル619号'がつくりやすくおすすめです。また、近年人気のグリーンセルリーでは、‘トップセラー'が栽培しやすく、大株、小株どりのいずれも可能です。

 初心者でも栽培しやすい品種には、タネまきから75日ほどで収穫可能なミニセロリ‘ミニホワイト'があります。葉柄が純白で、スープやサラダに向き、春から秋まで栽培できます。

 また、東洋在来種(アジア型)のキンサイ(芹菜、スープセロリ)は小型で、コンテナ栽培にも向きます。

育て方のコツ

 栽培に向くのは、有機質に富んだよく肥えた土です。堆肥や化成肥料を多めに施すのが、栽培の基本です。

また、セロリのタネは好光性種子なので、覆土はごく薄くかけます。

 私たちがスーパーなどで見かけるセロリは、葉柄が白い軟白栽培されているものがほとんどです。家庭菜園でも軟白栽培はできます。収穫予定の3~4週間前に、株全体を厚手のボール紙などで巻き、葉柄部分に当たる光を遮るだけです。こうして軟白したセロリは、香りがマイルドで柔らかくなり、食べやすくなります。ただし、軟白させないグリーンセロリよりも、当然栄養価は低くなります。

タネまき

 中間地では、5~6月にタネまきします。しっとり湿らせたタネまき用土を育苗箱に敷き、5cm間隔に深さ5mmほどのまき溝をつけて、セロリのタネをすじまきにします。覆土はごく薄くかけ、たっぷり水を与えましょう。発芽まで10~14日ほどかかるので、発芽するまでしっかりと水やりし、乾かさないように新聞紙や不織布をかけるとよいでしょう。

 発芽後、本葉2~3枚になったら、直径6cmのポリポットに移植して育て、本葉7~9枚になったら、畑や菜園に植えつけます。

植えつけ方

植えつけ

 植え付けの2週間前に、1m²当たり150~200gの苦土石灰を畑および菜園全面に散布し、よく耕しておきます。1週間前、1m²当たり堆肥4~5kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり200gを散布し、丁寧に土に混ぜ込みます。1条植えでは幅60cm、2条植えでは幅80~100cmの畝を立てます。高さはいずれも20cmの高畝にしましょう。

 土が適度に湿っている環境でよく生育するので、乾燥と土のはね返りを防ぐために、株元にマルチングを敷きます。マルチングは、雑草の発生も防ぐ黒色シートが最適。同時に、生育温度をキープするために、敷きワラを敷くと、地温の上昇を防げます。

 苗は自分でタネから育てるか、あるいは種苗店などから購入して入手します。本葉7~9枚のよくしまった苗を選び、株間を25~30cmほどとって苗を植えつけます。2条植えにする場合は、条間45cmとします。

監修 恵泉女学園大学教授 藤田智

1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

セロリ【地植え】の育て方のページです。
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