植物栽培ナビトウモロコシ【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

トウモロコシは、アメリカ大陸原産の野菜です。茎の先端に雄穂(雄花)を、茎の中程に雌穂(雌花)をつけます。このように、雄花と雌花がひとつの株で別につく植物を、「雌雄異花植物」といい、野菜では、キュウリやゴーヤーもこの「雌雄異花植物」になります。

 

トウモロコシといえば、先端につく毛が特徴です。この毛はじつは雌しべ。成熟した雄花から出る花粉は、この毛の中を通って、毛の基部にある実に入って受精するのです。

 

トウモロコシは土壌に残った余分な養分を吸収してきれいにし、後作の作物の生育を助けるため、「クリーニングクロップ」として知られています。こうしたトウモロコシの役割は、野菜の輪作体系に組み込まれることで活用されています。

 

高温を好み、栽培適温は25~30℃です。遅霜に当たると枯れてしまうので、気温が安定してからタネまきをしましょう。

 

土壌酸度の範囲はpH5.5~8.0と幅広いのも特徴です。

 

作型や品種の特徴:トウモロコシの種類には、糖分が多く含まれ、甘みがある甘味種(スイートコーン)、硬実種(フリントコーン)、ポップコーンに用いられる爆裂種、飼料用の馬歯種(デントコーン)などに大別されます。このうち、野菜として主につくられるのは、スイートコーンです。

[黄粒品種]「ハニーバンタム」など。

[白粒品種]「シルバーコーン」など。

[バイカラー品種]「ピーターコーン」「キャンベラ90」など。

 

タネから育てる場合:ポリポットにタネをまき、苗をつくる場合は、4月上旬~中旬の早まきができます。タネまき用土を入れたポリポットに2~3粒まき、本葉3枚ぐらいのときに、耕して元肥を入れた畑に植えつけましょう。なお、本葉3枚程度の苗も市販されます。購入した苗も事前に整備しておいた畑や菜園に、すぐに植えつけます。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・タネ
・クワ、またはスコップ
・苦土石灰
・完熟牛ふん堆肥
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・移植ゴテ
・ポリマルチ(黒)
・ジョウロ

 

ワンポイント

栽培適温は25~30℃です。遅霜に当たると枯れてしまうので、気温が安定してからタネまきをしましょう。

植えつけ方

タネまき適期:関東地方以西 4月中旬〜5月
①タネまきの2週間前に、1m2当たり苦土石灰を100gまいて耕しておきます。
②タネまきの1週間前には、1m2当たり堆肥2kg、適量の粒状肥料をまいて耕しましょう。
③幅75cmの畝を立て、地温を上昇させるためにポリマルチをかけておきます。2条で条間30cm、株間30cmをとってまき穴をあけて、1穴3粒ずつタネをまきます。
④たっぷり水やりをします。

 

トウモロコシは同じ株の花粉では結実しにくい。別の株の花粉がつきやすくなるように、条間30cmの2条まきの密植にする。

 

ワンポイント

肥料の吸収力が強い野菜です。前作も野菜をつくっていた肥えた畑では、施肥量を減らしてもかまいません。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・手グワ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)

 

ワンポイント

畝の表面の除草を兼ねて、手グワなどで株まわりを軽く耕しておきます。

置き場所

 

日当たり、通気性、水はけのよい場所を選んでタネをまきます。

 

水やり

 

発芽までは、土が乾いたらたっぷりと水やりします。その後も土が乾燥すると実の肥大が悪くなります。雨が降らず乾いている場合は、たっぷりと水を与えましょう。水やり回数の目安は以下です。4月中旬〜5月 2〜3日1回、6月〜8月中旬 3〜7日1〜2回

 

肥料

 

間引いたら、土寄せをし、規定倍率に希釈した液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」を水やり代わりに施します。また、草丈が50cmぐらいの時、株元からわき芽が発生します。この頃、再び同様に追肥します。

 

間引き・土寄せ

 

発芽し、草丈10cmほどの頃、2本に間引きます。根元に軽く土寄せをしておきましょう。草丈が20cm程度になったら、生育のよい株を1本残して間引きます。また、草丈が50cmぐらいの時、株元からわき芽が発生したら、株が倒れないように土寄せをしておきます。

 

わき芽摘み

 

株元から出るわき芽(分けつ)は、以前は取り除くのが主流でした。しかし、最近では株の倒伏を防ぎ、収穫量にも影響しないことがわかり、そのまま放置する傾向にあります。

 

[除房] 雌穂は、1株につき、株の中程に2~3本出てくる。1番上の雌穂(しすい)を残し、ほかは取り除く。取り除いたものは、ヤングコーンとして利用できる。

 

ワンポイント

株の先端に雄穂(ゆうすい)がついて花粉が出たら、株を揺らして、花粉を雌穂(しすい)につけるようにし、受粉させます。

収穫

雌穂が出てから20~25日が収穫の適期です。実の先端につく毛が、褐色になるのを目安にしましょう。

ワンポイント

収穫すると実の糖度がどんどん下がるので、その日のうちに食べるのがおすすめです。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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