植物栽培ナビトマト【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

トマトの原産地は、南アメリカのアンデス高原地帯です。今や、世界でも最重要とされる野菜のひとつとされていますが、 トマトの生産としての栽培が始まったのは18世紀に入ってから。特にイタリアでは、生食用から加工用に至るまで、急速に発展し、たくさんの品種が誕生しました。イタリアやフランスを経てアメリカへ導入されたのも同時期で、19世紀に入って急激に生産量が増えました。

日本への渡来は18世紀の初め、観賞用として栽培されるに止まっていました。食用生産のために再導入されたのは、明治に入ってからです。しかし、生産量は微々たるものに過ぎず、栽培が一般化されたのは、1935(昭和10)年頃とされています。

作型や品種の特徴:
[大玉トマト]「瑞光102」「豊福」「サターン」「強力米寿」「完熟トマトの桃太郎シリーズ」「王様トマトシリーズ」など。 [中玉トマト]大玉とミニの中間ぐらいの大きさの実をつけるグループです。「フルティカ」「ルイ40」「ルイ60」など。 [ミニトマト]丸形では「千果」「ペペ」「ピコ」「アイコ」「ココ」「小桃」「オレンジキャロル」など。洋梨形では「レッドペア」「イエローペア」など。イチゴ形では「トマトベリーガーデン」。 [調理用トマト]「ティオ・クック」「パスタ」「ルンゴ」など。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・苗(第1花房が開花しているもの。もしくは開花直前のもの)
・クワ、またはスコップ
・苦土石灰
・完熟牛ふん堆肥
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・移植ゴテ
・ポリマルチ(黒)
・支柱(仮支柱用50〜60cm)
・麻ひも、またはビニールタイ
・ジョウロ

 

ワンポイント

苗を購入するときには、双葉がついて、節間が詰まったがっしりした苗を選びましょう。さらに葉色が濃く、病害虫がないこと、根元がグラグラしないこと、第1花房が開花している苗がベストです。連作障害や病害が気になる場合は、丈夫な接木苗を購入するとよいでしょう。市販苗は、9cmポットサイズが多いので、購入後に一度12cmポットに植え替えて、第1花房が開花してから植えつけることをおすすめします。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 4月下旬〜5月中旬

①植えつけの2週間前に、苦土石灰を1m²当たり150gまき、よく耕しておきます。

②1週間前、1m²当たり完熟牛ふん堆肥を4kgと粒状肥料をまいてよく耕します。幅120cmの高めの畝をつくり、地温を上昇させるためにポリマルチをかけておきます。

③ポリマルチに、株間45~50cm、条間60cmの2条植えに印をつけます。移植ゴテをさして穴をあけ、植え穴を掘り、まず水をたっぷりと注ぎます。水が引いたら苗を植えつけましょう。

④仮支柱を斜めに立てて、茎と麻ひもなどで結び留めます。

 

ワンポイント

トマトの花房は同じ向きにつくので、苗を植えつける際、通路側に花房が向くように苗の向きをそろえると、管理や収穫作業がラクです。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・本支柱(高さ240cmぐらいのもの)
・追肥用肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」、液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・手グワ
・麻ひも、またはビニールタイ

 

ワンポイント

使わなくなったフォークなどで、ときどき土の表面をフォークでほぐしておくと、土の通気性や透水性が保持できます。また、土の表面に根が出てきたら、土を足してカバーしておきます。

置き場所

 

風通しのよい日なたを選んで植えつけます。

 

水やり

 

植えつけ時から1週間ほどは、土の表面が乾いたらジョウロでたっぷり水やりします。その後は、葉が萎れるほど乾くとき以外、水やりは不要です。水やり回数の目安は以下です。5月〜6月 1〜7日1回、7月〜9月中旬 5〜10日1〜2回

 

肥料

 

第1花房の実がピンポン玉の大きさになったときと、第3花房の実がピンポン玉の大きさになったときの計2回、追肥をします。 追肥用肥料は粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」、液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」などを使用。

 

間引き・土寄せ

 

株周りの土の表面を、手グワなどで軽くほぐしておくとよいでしょう。

 

支柱立て

 

2条植えの場合は、合掌式がおすすめです。支柱は、240cmほどのものを使います。植えつけ前に、仮支柱の代わりに立てておいても構いません。

 

わき芽摘み

 

葉や茎が勢いよく成長し始めると、葉のつけ根からわき芽が出てきます。わき芽を摘み取ると、実が大きく育つほか、日当たり、風通しがよくなり、病害虫の発生も予防できます。わき芽摘みは、週1回行いましょう。

 

トマトは、わき芽を全て摘み取ることが大切。

 

整枝と誘引

 

花房のすぐ下のわき芽を摘み取ったら、茎にひもを巻きつけ、8の字状になるよう何度かねじった後、支柱にしっかりと縛って誘引します。誘引は、週1回行いましょう。

 

摘心

 

トマトの背が支柱の先端に届くぐらいになったら、茎の先端を摘み取ります。花房の数が4~5段を目安に、先端に葉を2枚残して、その先を摘み取ります。

 

花房の数が4~5段ぐらいになったら、葉を2枚残して、茎の先端を摘み取る。

 

 

ワンポイント

主枝1本にだけ実をつけさせる1本仕立てで育て、第1花房を結実させます。花のつけ根を軽く叩いて人工授粉させるか、規定倍率に希釈した植物成長調整剤「日産トマトトーン」や「トマトトーンスプレー」を開花前3日~開花後3日ぐらいに(1花房で3~5花ぐらい開花した時期)散布すると、果実がつきやすくなります。また、カルシウム欠乏によるトマトの「尻腐れ症」対策には「トマトの尻腐れ予防スプレー」を各花房の開花時~幼果期(果実がピンポン球ぐらいになるまで)に1週間おきに散布するのがおすすめです。

収穫

開花後50~55日ほどで、実が赤く色づいてきます。ヘタ近くまで赤くなった実を、ヘタのすぐ上で切って収穫します。

ワンポイント

雨に当たると実が裂けることがあるので、雨が多い場合は、雨よけをしつらえておくとよいでしょう。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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