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栽培管理|イングリッシュローズの育て方

監修:園芸研究家 小山内健

イングリッシュローズの栽培管理と収穫の方法について紹介します。

イングリッシュローズ写真

イングリッシュ・ローズとは、イギリス人育種家・デビット・オースチン氏が、イギリスの伝統とバラへの深い思いを込めて作出した品種群のブランド名ともいえる総称です。

使用するもの

置き場所

日当たりと風通しがよい場所に置きましょう。

水やり

[4〜5月]
鉢植えの場合;生育が旺盛な時期なので、水分が不足すると生育が遅れたり、蕾を落としてしまうことがよくあります。鉢植えでは、土の表面が乾き始めたら、たっぷりと水を与えます。
庭植えの場合:よほど雨が降らない場合でもない限り、水は不要です。
 なお、病気がまん延しやすいので、夕方の水やりはなるべく避け、午前中の水やりをおすすめします。

[6〜7月]
鉢植えの場合;鉢土の表面が乾いたら、水を与えます。
庭植えの場合:土中や空気中の水分が多く、枝葉が徒長しやすくなります。乾いていない土への水やりは控えましょう。ただし、7~10日ほどまとまった雨が降らない場合は、庭植えでも1回水やりし、水分補給をしておきます。

[8〜9月]
鉢植えの場合:1日に1~2回、鉢底の穴から水が流れるぐらい、十分に水やりします。鉢底から最初に高温状態の水が流れ出し、鉢内の用土を早く冷やせるので、根が回復しやすくなります。
庭植えの場合:大雨が降らない限り、庭植えには4~5日に1回、十分に水やりします。

[10〜11月]
鉢植えの場合;花が咲くまでは、土が乾き始めたら水を与え、咲いてからは土の表面が乾くたびに与えます。
庭植えの場合:土の乾き始めではなく、土の表面が乾いた時に水を与えます。

[12〜1月]
鉢植えの場合;鉢土の表面が乾いたら与えるようにします。数日して表土が乾かないなら、乾くまで与えないことがポイントです。
庭植えの場合:雨が当たらない花壇ではない限り、水は原則的に極力与えないようにします。これは休眠し始めたバラは、あまり水分を必要としないからです。この時期の過度な水やりは、株を傷める原因になります。

[2〜3月]
鉢植えの場合;鉢土の表面が乾いたら、水を与えます。なるべく乾かしぎみに育て、水を与えるときは、たっぷり与えるのがコツです。与える水の量は、4〜10月を参考にしてください。
庭植えの場合:庭植えの場合は、極度に乾かないかぎり、特に水やりは必要ありません。

肥料

[4〜5月]春の開花後に肥料を施しておきましょう。肥料不足になると、花つきや生育が衰えやすくなります。
鉢植えの場合;4月は1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。さらに、5月の満開後に1回、適量の粒状肥料を株元にばらまいて施します。
庭植えの場合:5月の満開後に1回、適量の粒状肥料を株元にばらまいて施します。

[6〜7月]生育の最盛期です。その生育を促すために必要な水と肥料が不足すると、バラの健康維持は難しくなるので、生育に応じた追肥が必要です。追肥には、速効性の肥料がおすすめです。
 なお、この時期、花や蕾が多少残っていても、定期的に肥料を施しておくほうが、よい株に育ちます。あまり気にせず、継続的に施すことが大切です。
鉢植えの場合;1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。
庭植えの場合:雨が多く降り続くと土中の肥料分が流されてしまうことがあるので、鉢植えと同様に速効性の肥料を、しっかりと追肥しましょう。

[8〜9月]この時期に肥料を施さないと、生育は極端に衰えやすくなります。特に剪定する前、葉があるうちに施しておくと、肥料の吸収がよく、剪定後の新芽の育ちがよくなります。
 9月中旬~下旬にもう1回、施しておきます。これは剪定後、新芽が3~4枚のびたころがちょうどよいタイミングです。
鉢植えの場合;鉢土の表面が乾きやすいので、特に液体肥料がおすすめです。1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。
庭植えの場合:適量の粒状肥料を株元にばらまいて施します。あるいは鉢植えと同様、1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料を施します。

[10〜11月]花が終わり次第、お礼肥を施します。
鉢植えの場合:鉢植えの株は、肥料切れを起こしやすいので、花が咲いた咲かないに関係なく、規定倍率に希釈した液体肥料をお礼肥として施します。
庭植えの場合:株から30cm程度離した樹冠下に、適量の粒状肥料を株元にばらまいて、土に軽く混ぜ込みます。

[12〜1月]「来期の生育の基礎となる肥料」である元肥を施しておくと、バラに必要な栄養分が容易く補われ、比較的スムーズに生育します。施す適期は12~1月で、気温が低く、バラの休眠中に作業するのがポイントです。
鉢植えの場合;規定倍率に希釈した液体肥料をお礼肥として施します。
庭植えの場合:株元の両側の30cm離れた場所に、深さ30cm、直径30cmの穴を2つ掘ります。穴から掘り上げた土のそれぞれの半量に、牛ふん堆肥をバケツ1/2杯と、適量の粒状肥料をよく混ぜて、それぞれの穴に埋め戻します。このとき、穴の上層部に当たる表土に近い土には、牛ふん堆肥がやや少なめになるよう、加減して混入するとよいでしょう。

[2〜3月]3月中旬に暖かな日が多くなるころ、新芽の生育を促すために追肥します。ただし、この時期はまだ肥料の吸収が緩やかなので、速効性のある薄めの肥料、栄養分を補うようにします。
鉢植えの場合;規定倍率に希釈した液体肥料を施します。7~10日に1回、生育期間中に計3~4回、成長に合わせて施します。
庭植えの場合:適量の粒状肥料を株のまわりにばらまいて施します。鉢植え同様、液体肥料を利用してもよいでしょう。

*さらに、ばら苗の植え付け、さし木、植え替え時や、暑さで株がバテ気味のときや、寒さへの抵抗力をつけたいとき、 根の張りを良くしたいとき、株に元気がないときには、活力剤(活力剤「マイローズばらの活力剤」など)の併用がおすすめです。

土壌の中耕

「中耕」とは、土の表面を浅く耕すことです。中耕すると、土の通気性、水はけ、水もちが改善されるため、根の生育が促進されます。土が堅くなったら、通年、いつでも中耕しましょう。

花がら切り

咲き終わったバラの花(花がら)は、その都度切り取ります。花がらを切ったあと、活力剤(活力剤「マイローズばらの活力剤」など)を与えておくとよいでしょう。 [よく咲く木立性の場合]切る位置は、おおむね伸びた枝の半分辺りです。なるべく外側を向いた大きな葉を4~5枚分残して切り戻します。大きな葉の上で切ると、葉が光を受ける面積が大きいため、光合成の量も多く、充実したよい芽が出やすくなります。

[よく咲く半つる性の場合]育てられる方の主旨によって、多少変わります。つる状に仕立てたいなら、やや長めに枝を残しましょう①。繰り返し咲かせたいなら、木立性のように伸びた枝の半分、もしくは1/3だけを残して切り戻します②。この場合も、大きな葉を4~5枚分を残して切り戻しましょう。

誘引

[半つるタイプ、つるタイプ]
誘引の適期:12~1月ごろの休眠期
誘引は、枝が曲げやすく、誘引しやすい休眠中に行ないます。早めに誘引しておくと春の芽吹きがよく、蕾をたくさんつけやすくなります。

<下準備>
①葉をすべて取り払う。
②枯れ枝、病気の枝、傷んだ枝、弱った枝などを切り捨てる。
③元気そうな細めの枝は、2芽だけ残して切り詰める。


花が咲いた枝は、おおむね、伸びた枝の長さの半分を目安に切る(②)。半つる性に仕立てている場合は、やや長めに枝を残す(①)。

<誘引の手順>
①最初に「太くて長い枝」を誘引する。
②咲かせたい場所に、枝を水平、もしくは放射状に誘引する。
③枝は誘引ひもでしっかり縛るのがポイント。
④全体的にまんべんなく枝を配置する。

芽かき、切りもどし

3月になると、新芽の生育が始まります。通常、1芽に対し1本の新芽が理想ですが、なかにはひとつの芽から、2~3本の新芽が吹いてくることがあり、放任しておくと、枝が混みすぎたり、枝が太くなりにくいので、芽数を絞り、力強い芽に栄養分を集中させる「芽かき」を行ないます。芽かきは、芽がなるべく1~2cmぐらいに伸びたころに作業します。
 また、芽は寒さで傷んだり、伸びなかったりすることもあります。その場合は、健全な芽が伸びる位置まで枝を切り戻すことで、再度芽吹かせます。

剪定

<夏の剪定>剪定の適期:9月
「タイプ1」の四季咲き、繰り返し咲きの品種に、夏の剪定を行ないましょう。樹形を整えたり、株を元気にさせることができます。ちょうど9月に剪定すると、秋の10~11月ごろ、花がたくさん咲きます。夏の剪定を行なうと花数がふえ、花径が大きくなります。

秋にまとめて咲かせるためには:枯れ枝、傷んだ枝、細く短い枝を切り除きます。それでも枝が茂りすぎて、風通しが悪いようなら、さらに枝を切り除きます。最後は、全体の形を見て、株を整えるつもりで切り戻します。この時、葉をある程度残しつつ、形を整えるよう注意します。

葉がほとんど無いバラには:むやみに剪定しなくてもよいでしょう。病害虫に侵されて葉を落とした株なら、花がら、蕾だけを摘み取り、病害虫に対応した薬剤を散布して、様子をみます。  気候が涼しくなると、普通に葉がたくさん出てくるので、そのとき規定倍率に希釈した液体肥料を施せば、秋には花が楽しめます。

<冬の剪定>剪定の適期:1月下旬~2月中旬
特に木立ち性のタイプは、この時期にしっかり枝を切ることによって力強く芽吹き、春に美しい花を咲かせてくれます。剪定は、株を元気よく育てるためにも重要な作業となります。

[木立性タイプ・半つる性タイプ(四季咲き)/タイプ1の場合]
おおむねハイブリッド・ティの整枝、剪定と同様に作業します。
①枯れ枝、傷んだ枝、細くて短い枝、元気がない古枝を切り除きます。
②それでも枝が密集している箇所は、日当たり、風通しが悪くなるので、さらに枝を間引くように切ります。
③最後に、全体の樹形を見て、バランスよく整えます。おおよそ株全体の1/2を切り戻すことを目安にします。ハイブリッド・ティよりは、やや浅めに切り戻すことを心がけると、たくさんの花を咲かせます。
*樹高を抑えたい場合:株全体の約1/3まで切り戻します。大幅に、株の高さは低く、枝数(芽数)は少なくなりますが、1芽あたりの栄養分がふえることで、春先から若い芽がとても力強く成長し、大きな花を咲かしやすくなります。さらに、春から秋までの長期間、連続的に開花することを促します。

[半つる性タイプ(1季咲き、返り咲き)/タイプ2の場合]
春以降、咲きにくくなる半つる性タイプは、やや浅めに切り戻し、株を整える心づもりで作業をします。このタイプは枝の数や、芽の数を多く残したほうが、春に美しい花をたくさん咲かせます。以下の①、②は、「タイプ1」の作業に準じます。
①枯れ枝、傷んだ枝、細くて短い枝、元気がない古枝を切り除きます。
②それでも枝が密集していると、日当たり、風通しが悪くなるので、さらに枝を間引くように切り除きます。
③最後に全体の樹形を見て、バランスよく整えます。おおよそ株全体の約1/3を切り戻すのを目安にします。

監修 園芸研究家 小山内健

園芸研究家。通称「ローズ ソムリエ」、「バラ鑑定士」と呼ばれるバラのトップアドバイザー。大阪府にある京阪園芸(株)にて販売、栽培管理、品種の鑑定などに従事するかたわら、講演会や講習会と多方面に活躍する。「趣味の園芸」(NHK出版)、「花ぐらし」(家の光)、などさまざまな園芸誌に執筆、出演。著書に「アーリー モダンローズ」、「オールド ローズ」(ともに講談社)ほか、共著多数。TVチャンピオン「全国バラの花通選手権」2回制覇の経験もある。

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