植物栽培ナビピーマン【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

ピーマンの原産地は、中央アメリカから南アメリカの熱帯地域です。アメリカ大陸を発見したコロンブスによって、1493年にスペインに紹介され、その後、ヨーロッパ全域へ広まりました。日本には16世紀には伝わっていたとされています。

 

ピーマンとトウガラシは同じカプシクム属(Capsicum annuum)で、日本では、辛味のあるものをトウガラシ、辛味がないものをピーマン呼んでいます。ただし、激辛のハバネロやハラペーニョなどは、別種(Capsicum chinense/シネンシス種)になります。

 

ピーマンの仲間の小果種がいわゆるシシトウガラシです。菜園に植えたシシトウが辛くなってしまうのは、トウガラシの花の花粉を受粉した結果ではなく、水不足などのストレスを受けて辛味が増すためです。

 

ピーマンは、カロテン、ビタミンCを多く含みます。

 

作型や品種の特徴:ピーマンは、実の大きさによって、3タイプに分類されています。

[中果種]おなじみの緑色の果実。「エース」「京鈴」「京みどり」「京ゆたか7」「翠玉二号」など。

[大果種(パプリカ種)]「ワンダーベル」「フルーピーレッド」「イエローホルン」「フルーピーイエロー」など。

[小果種(シシトウガラシ)]「ししとう」「甘とう美人」「伏見甘長」「万願寺トウガラシ」など。

 

タネから育てる場合:ピーマンは、タネまきから植えつけ適期の苗を育てるまでに、およそ70日前後要します。家庭では4月上旬にタネをまき、6月に植えつけましょう。

 直径12cmのポリポットにタネまき用培養土を入れ、4~5粒のタネをまきます。発芽後、よい芽を3本残し、本葉2~3枚のときに2本に、本葉4~5枚の時期に1本立ちにします。2回目の間引き後から、液体肥料を施しましょう。1番花が開花するころ、定植します。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・苗(節間が詰まり、茎が太くがっしりしたもの)
・クワ、またはスコップ
・苦土石灰
・完熟牛ふん堆肥
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・移植ゴテ
・ポリマルチ(黒)
・仮支柱(40〜50cm)
・麻ひも、またはビニールタイ
・ジョウロ

 

ワンポイント

本葉4枚以上がつき、一番花が咲き始めた苗を選んで植えつけましょう。また、ピーマンは通気性のよい土を好むので、堆肥を多めに施し、やや高めの畝を立てます。

植えつけ方

植えつけ適期:関東地方以西 4月下旬〜6月上旬
①植えつけの2週間前に、幅60cmの畝幅を測り、1m²当たり苦土石灰を100gまいて耕しておきます。
②植えつけの1週間前に、測った畝幅の中央に深さ30cmほどの溝を掘り、1m²当たり堆肥3kg、適量の粒状肥料をまいて埋め戻します。高さ20cmくらいの畝を立て、表面を平らにならします。地温を上昇させるためにポリマルチをかけておきます。
③ポリマルチに、1条植えでは株間45~50cmをとり、移植ゴテをさして植え穴を掘り、まず水をたっぷりと注ぎます。水が引いたら苗を植えつけます。
④仮支柱を斜めに立てて、茎と麻ひもなどで結び留めます。

 

ポリマルチに移植ゴテをさして穴を開け、植え穴を掘って苗を植えつける。支柱を立て、誘引しておく。

 

ワンポイント

長期間収穫する野菜のため、完熟牛ふん堆肥など有機物を多めに施したふかふかの土に植えつけましょう。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・支柱(本支柱用。長さ150cmぐらいのもの)
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」など)
・手グワ
・麻ひも、またはビニールタイ

 

ワンポイント

手グワで、ときどき土の表面をフォークでほぐしておくと、土の通気性や透水性が保持できます。また、土の表面に根が出てきたら、土寄せしておきます。

置き場所

 

風通しのよい日なたを選んで植えつけます。

 

水やり

 

植えつけ時から1週間ほどは、土の表面が乾いたらジョウロでたっぷり水やりします。その後は、葉が萎れるほど乾くとき以外、水やりは不要です。水やり回数の目安は以下です。4月〜6月 1〜3日1回、7月〜8月中旬 1〜4日1〜2回

 

肥料

 

収穫開始とともに、1週間に1回、規定倍率に希釈した液体肥料(「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」)を、水やり代わりに追肥します。

 

間引き・土寄せ

 

株元に、ときどき土寄せしておきます。さらに、株周りの土の表面を、手グワで軽くほぐしておくとよいでしょう。

 

支柱立て

 

長さ150cmの支柱を2本を60度の角度でX型立て、それぞれの枝をしっかりと結び留めて誘引しましょう。

 

主枝と勢いよくのびるわき芽2本を残し、それより下からのびるわき芽は全て取り除いて「3本仕立て」にする。

 

わき芽摘み

 

1番果がついて肥大し始める頃、わき芽がのびてきます。主枝と勢いよくのびるわき芽2本を残し、それより下からのびるわき芽は全て取り除いて「3本仕立て」にします。

 

整枝と誘引

 

長さ150cmの支柱2本をX型に立て、それぞれの枝をしっかりと結び留めて誘引しましょう。

 

剪定

 

旺盛に成長し、枝が混みあってきたら、適宜枝を剪定します。

 

ワンポイント

次々に実がつくので、疲労させないように追肥を忘れないように施しましょう。

収穫

開花から収穫までの日数は、未熟果を収穫する普通種で約15~20日、完熟した実を取る場合や大果種(パプリカ種)では60日前後です。

ワンポイント

収穫が遅れた実は皮が硬くなり、色も悪くなります。たくさん実がついた場合は、早めにどんどん収穫し、株が疲労するのを防ぐことが大切です。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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