植物栽培ナビらっかせい【地植え】の育て方

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
基本情報
基本情報
科名属名
原産地
分類
栽培のスタート
日照条件
生育適温
水やり
特徴
樹高
種まき期
植えつけ期
開花期
収穫期
植えつけから収穫までの期間
開花から収穫までの期間
豆知識

ラッカセイは漢字では「落花生」と書きます。花がしぼむと、つけ根にある子房柄(しぼうへい)と呼ばれる部分が地中にもぐって行き、やがて実になるという、珍しい育ち方からついた名前です。

 

栽培適温は25~28℃と高いので、タネまきは5月以降に行います。栽培は比較的簡単ですが、5月のタネまきから10月の収穫まで、長期間、畑を占有します。ユニークな成長を追いながら、のんびりと育てるのに向いています。

 

マメ科野菜は、根に根粒菌というバクテリアを寄生させています。根を見ると、小さな粒がついていることでわかります。根粒菌はマメ類の根から栄養をもらう代わりに、空気中のチッ素を固定してマメ類に与えています。おたがいに必要なものを与え合うこの関係を「共生」といいます。根粒菌から栄養をもらえるため、マメ類は肥料が少なめでも十分に育つので、肥料は通常量の1/2~1/3程度に減らしましょう。

 

受粉した花がしぼむと、もぐり込みが始まります。開花時の中耕と丁寧な土寄せが、ラッカセイづくりのポイントです。中耕と土寄せが遅れると、2~3割は収穫量が落ちてしまいます。

 

収穫した実は、天日に干して数日乾燥させた後にサヤを切り離し、中の実を取り出してフライパンで空炒りします。香ばしい色になったらバターを加えてつやを出し、最後に塩味をきかせると、とても美味です。ただし日もちがしないので、新鮮なうちに食べましょう。

 

天日乾燥させずに、すぐにさやを切り離して水洗いし、サヤつきのまま塩ゆでにした茹でラッカセイもおすすめです。エダマメに似たほくほくとした味わいで、バターピーナツとはひと味違う食感が楽しめます。

 

作型や品種の特徴:「ナカテユタカ」「千葉半立」「郷の香」などの品種があります。

 

タネから育てる場合:野菜用培養土を入れた直径9cmのポリポットに、深さ1.5cmほどのまき穴を3か所あけて、タネを1粒ずつまいて土をかぶせ、水をたっぷり与えて発芽を待ちます。初出葉が出たら2本に間引いて同様に育てます。本葉3~4枚のときに準備を整えた菜園に植えつけます。

栽培カレンダー

カレンダーは拡大してご覧ください。

準備と植えつけ

準備

使用するもの

・タネ
・クワ、またはスコップ
・苦土石灰
・完熟牛ふん堆肥
・肥料(粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」などの元肥)
・移植ゴテ
・ジョウロ

 

ワンポイント

栽培適温は25~28℃と高いので、タネまきは5月以降に行います。ポリポットで育苗するときは、4月中旬からまけます。

植えつけ方

タネまき適期:関東地方以西 4月中旬〜5月下旬
①植えつけの2週間前に、1m²当たり苦土石灰を150gまいて耕しておきます。
②植えつけの1週間前に、幅60cmの畝を立て、1m²当たり堆肥2kg、適量の粒状肥料をまいて埋め戻してから、高さ10cmくらいの畝をつくり、表面を平らにならします。
③1週間後、畝の中央に30cm間隔で、深さ2cmぐらいのまき穴をあけます。ラッカセイのタネを1カ所につき、2~3粒ずつまきます。土をかぶせた上に、腐葉土を1握りまき、水を十分に与えましょう。
④発芽までは乾かさないように管理し、発芽後、本葉が見えてきたら不織布を外します。本葉が2~3枚出た時に、1~2本に間引いて土寄せします。2粒まきの場合は、間引きをしなくてもかまいません。

 

高さ10cmくらいの畝をつくり、1週間後、30cm間隔でタネをまいたら、不織布か寒冷紗をかけるとよい。

 

ワンポイント

本葉が出るまでは、鳥にマメをほじられるのを防ぐために、不織布か寒冷紗をかけるとよいでしょう。苗を購入する場合は、本葉3~4枚の株がベストです。

栽培管理

管理

使用するもの

・ジョウロ
・園芸用ハサミ
・手グワ
・追肥用肥料(液体肥料「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」、粒状肥料「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」など)

 

ワンポイント

追肥時と子房柄がもぐり込みを始めるまでは、株元を中耕します。もぐり込みが始まったら、こまめに土寄せをしましょう。

置き場所

 

風通しのよい日なたを選んで植えつけます。

 

水やり

 

発芽までは、土が乾いたらたっぷりと水やりします。植えつけ後、乾燥が激しい場合、たっぷりと水やりします。水やり回数の目安は以下です。5月 2〜3日1回、6月〜10月中旬 2〜7日1〜2回

 

肥料

 

花が咲き始めたら、株元に追肥します(「マイガーデン液体肥料」、「ベジフル液肥」)。粒状肥料(「マイガーデン粒状肥料」、「マイガーデンベジフル」)を利用する場合は、肥料と土を混ぜ合わせながら中耕し、株元にしっかりと土寄せしましょう。

 

間引き・土寄せ

 

子房柄が土中にもぐり込み始めたら、ふたたび土寄せをします。すでにもぐり込みが始まっているので土は耕さず、株元に優しく土を寄せます。

 

子房柄が土にもぐり込みやすいように、株元を中耕しておくとよい。もぐり込みが始まったら中耕はせず、土寄せをする。

 

ワンポイント

土を中耕してほぐしておいたほうが、子房柄のもぐり込みがよりスムーズになり、収穫量もアップします。なお、さやに日が当たって緑色になると、実が固くなるので、しっかり土寄せしましょう。

収穫

葉が黄色くなってきたら、そろそろ収穫です。かならず試し掘りをしましょう。収穫にはまだ早いさやは、網目がなくスベスベしていますが、収穫適期のさやは、網目がはっきりとして、ひと粒ずつ豆のふくらみが目立ちます。8割ぐらいの実が充実していたら、株を引き抜いてひっくり返し、天日で2~3日乾燥させます。

ワンポイント

実を大きくし過ぎると、引き抜くときに子房柄が切れてしまい、実が土中に残り、収穫しにくくなります。

監修  恵泉女学園大学教授 藤田智
1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

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