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地植え野菜栽培の最初に知っておきたい、コツのコツ

監修 恵泉女学園大学教授 藤田智

 敷地のなかの小さなすき間から、広々とした庭。そして最近話題の貸し農園。ケースはいろいろありますが、ほんの1m角の地面があれば、野菜づくりを楽しむことができます。スタートはまず、土のリセットから。恵泉女学園大学教授の藤田 智さんに、土づくりから始まる菜園での野菜栽培のコツをお尋ねしました。

1. 土をリセットして菜園の土へ

 踏み固められてカチカチになったり、雑草が生えた土。この前まで別の野菜や花を植えていた場所。いずれの場合もまずはクワやスコップで、土を深さ30cm程度掘り起こし、土の塊は砕きます。こうすると土中に空気が入り込み、通気性と水はけをよくすることにつながります。
 必要に応じて植えつけ前に、殺菌剤(殺菌剤「石原フロンサイド粉剤」など)で土を消毒しておくと、さまざまな病気が発生するのを抑えることができます。また、苗の植えつけ時には畝にマルチをかけると、乾燥だけではなく、雨の跳ね返りで広がる病気を避けるのに効果的です。

リセットのプロセス

①土を掘り起こし、土塊は砕いておく。
②土を野菜の生育に適する酸度(pH6.0〜6.5)に調整するために、苦土石灰などを施す。
③1週間後、牛ふん堆肥などの有機物を1m²あたり2〜4㎏施して、野菜が育ちやすいふかふかした土にする。
④有機物と同時に、野菜の栄養分となる元肥(粒状肥料「マイガーデンベジフル」など)を適量施す。

畝にマルチをかけてから苗を植えつけると、土の温度を上げることができるほか、乾かしすぎや病気を避けることができる。

pHをいくつにしたらよく育つ?

●pH5.5〜6.0
酸性気味。多くの場合、石灰資材を施さなくても大丈夫。
サツマイモ、ジャガイモなど。
●pH6.0〜6.5
弱酸性。酸度を測って適切な量の石灰資材を施す。
イチゴ、カボチャ、キャベツ、キュウリ、小カブ、コマツナ、サヤインゲン、シュンギク、ダイコン、タマネギ、トウモロコシ、トマト、ナス、ハクサイ、ピーマン、ブロッコリー、レタスなど。
●pH6.5〜7.0
中性。石灰資材を施すのを忘れないようにしたい種類。
エダマメ、エンドウ、ソラマメ、ネギ類、ミニゴボウ、ホウレンソウなど。

土を消毒するときは

→殺菌剤「石原フロンサイド粉剤

土の酸度を測るときは

→「アースチェック液

2. よい時期によい苗を選んで植える

 野菜には旬があるように、タネまきや植えつけ時期にも適期があります。その適期にまいたり植えたりするのが、野菜を上手にうまく、ラクに栽培するポイントです。
 また、タネはタネ袋の裏面に記載された有効期限をチェックして、できるだけ新しいものを利用しましょう。苗の場合は、適期によい苗を入手し、入手後は早めに植えつけを済ませることが大切です。

よい苗を選ぼう

● 葉が厚く色が濃く、病気や害虫がついていない。
● 株元がしっかりしていて、ぐらぐらしていない。
● 全体的にがっちりとした姿で、葉と葉の間が詰まっている。
● できれば双葉がついたままで、株元が茶色く木質化していない。
● ポリポットの底から根が少し見えている。

3. 同じ科の野菜を同じ場所に続けて植えない

 同じ場所で同じ仲間の野菜を続けて栽培すると、その仲間を好む病原菌や害虫がふえたり、土中におけるその仲間が好む栄養成分が極端に少なくなったりして、その後に植えつけた野菜の生育が悪くなることがあります。これを「連作障害」と呼びます。
「連作障害」を避けるためには、同じ場所には違う科の野菜を選んで植える「輪作」をするよう、心がけます。

連作障害を避けるためにあける期間

● 5年以上あけたい種類
エンドウ、ナス、ミニゴボウなど。
● 3〜4年あける種類
キュウリ、ソラマメ、トウガラシ、トマト、ピーマンなど。
● 2年はあける種類
オクラ、キャベツ、小カブ、サヤインゲン、ジャガイモ、ハクサイなど。
● 1年あければ大丈夫な種類
シュンギク、ネギ類、ホウレンソウ、レタスなど。
● 続けて栽培しても連作障害が出にくい種類
カボチャ、サツマイモ、ダイコン、タマネギ、トウモロコシ、ニンジンなど

監修 恵泉女学園大学教授 藤田智

1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

土のリセットの仕方、苗の選び方など、地植え野菜の栽培をスタートするにあたってのコツをご紹介しています。
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