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11月-3. マイ春の七草(七草)

年末を意識したら、しておきたいこと

 秋の深まりを感じられる11月。早いもので、今年も残すところ、あと2ヵ月になりました。今年のやり残しがないようラストスパートのエンジンがかかり始め、時間が駆け抜けていくようなこの時季ですが、ちょっと手がけておきたいことがあります。それは「春の七草を仕込むこと」です。
「春の七草」はご存知の通り、セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(コオニタビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)のこと(カッコ内は現在の一般的な名称)。これらを刻んで炊き上げる「七草がゆ」を新年1月7日の人日の節句に食べることで、正月料理に疲れた胃腸を休め、なおかつ一年の無病息災を願うといわれています。1月7日は旧暦では2月ごろにあたり、その時季になれば野山にはセリやナズナなどの野草が芽吹き始めるため、人々はそれを摘みながら早春の兆しに心躍らせたのでしょう。現在でもこうした摘み草で七草の具材を調達できる人もいれば、身近に野草がない環境なら、スーパーマーケットや青果店で七草セットを購入するのが一般的です。そこでこの時季に自分で育てる「春の七草」の準備を進め、来る新年までの期間を、ちょっと優雅に、有意義にしてみようとプランしました。

春の七草を育てよう

 「春の七草」のうち、カブやダイコンは市販のタネをまいてつくることができます。ラディッシュ(二十日大根)の長形と丸形の品種を選べば、市販セットのそれに見劣りしません。また、ラディッシュなら約1ヵ月で収穫することができるので、この時期に仕込み始めれば、新年に間に合います。セリも市販のタネがありますが、セリ科の植物は幼苗時の生育がとても緩慢なので、今からでは間に合いません。青果のセリの根を残し、それを植えつけて再利用するのが簡単です。しかし残り4種の野草は、タネも苗も市販品を見つけることがほぼ困難。こればかりは、実際に野山で収集するほかなく、それも保有地、あるいはその土地の所有者に許可を得て、株を掘り取らせてもらうしかありません。それでももし入手できれば、カブやダイコンとともに鉢に植えつけて育てましょう。正月あけにはマイ春の七草コンテナガーデンができ上がります。
 では、どうしても野草が入手できない場合はどうしたらよいでしょう。その場合は、ベビーリーフ用に市販されているタネを利用してみてはいかがでしょうか。

ヨーロッパにもある春の七草

 ベビーリーフとは、発芽したばかりの葉もの野菜で、この幼芽を摘んでサラダなどに利用します。数種類の葉もの野菜のミックス種子の市販品は、容易に入手できます。
 ところで、ヨーロッパにも「春の七草」があるのをご存知ですか?イタリアでは「ミスティカンツァ」、フランスでは「ムスクラン」と呼ばれるもので、後者はエスカロール、エンダイブ、レタス、マーシュ(コーンサラダ)、トレビス、ダンディライオン(タンポポ)、ロケット(ルッコラ)の7種の幼芽を「ムスクラン」と呼ぶと、フランスの野菜管理局に認証されています。
 いずれも葉もの野菜のベビーリーフのことで、日本と同様、早春の味覚として各国で親しまれてきました。ラディッシュの長形と丸形に入手しやすいベビーリーフをプラスすると、もっと手軽にオリジナル七草を楽しむことができます。和洋折衷、「マイ春の七草」コンテナの準備を、一緒に始めませんか?

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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