12月-4. クリスマスツリー

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モミの木は日本特産の樹種

 生花店に園芸店はもちろんのこと、街のあちこちのお店や施設に、クリスマスの装飾が施されていく12月。やがて、ぐるっと見渡す視界のほとんどが、クリスマスカラーに埋もれてしまいそう。そんな気持ちさえします。
 今回のみちくさは、クリスマス装飾に欠かせない、というよりは主役。クリスマスのシンボルでもある、ツリーを買いに出かけましょう。

 クリスマスツリーといえば、モミの木。クリスマスツリー自体がドイツ由来のためか、モミはヨーロッパの樹木のような気がします。
 でも、和名のモミに該当する種類は実は、Abies firma(アビエス・フィルマ)で、日本の本州、四国、九州に自生する常緑針葉樹なのです。
 国内にある同じくアビエスの仲間には、ウラジロモミと呼ばれる種類もあって、クリスマスツリーとしては、自然樹形も美しいこちらがよりポピュラー。モミに比べてやや涼しい気候を好むので、暖地では栽培するのはやや難しいかもしれません。

 クリスマスの本場ドイツで使われるモミは、ヨーロッパモミ(Abies alba/アビエス・アルバ)です。こちらは日本のモミに比べて耐暑性が低く、さらに栽培は難しいようです。
 また、モミ以外でもドイツトウヒ(Picea abies/ピセア・アビエス)、ホープシー(Piceapungens ‘Hoopsii’/ピセア・プンゲンス‘ホープシー’)などもクリスマスツリーに利用される樹種です。

 いずれにしても、高木になる樹木で、たとえばモミなら自然状態では40mにもなるそうです。家庭で庭植えにする場合は、植え場所を十分に考慮しなければなりません。また、これらは本来、鉢植えでの栽培には向きません。

私たちのクリスマスツリーはどうしたら?

 クリスマスツリーに使う木は、山に自然状態にあるものを掘り上げてくるのではなく、近年は専用農場で栽培したものが売りに出されます。また、アメリカやヨーロッパでは、農場に出向いて木を選び、掘り上げて持ち帰るスタイルもあるそうです。おおよそ樹齢10年ぐらい、2m前後の木が、家庭用にされるサイズです。

 近年のアメリカやヨーロッパは、環境問題に対する意識が高いこともあって、クリスマスを過ぎてからツリーに使用した木をどうするか、一時は大量のゴミになると、大きな問題になっていました。
 最近では様々な取り組みがなされており、たとえば、プラスチック製のフェイクツリーを使う、掘り上げた木を農場に戻して植え直す、農場での生産物として捉えて、堆肥やウッドチップに加工して再利用するなどが知られています。
 日本でも同様の取り組みが少しずつふえているので、庭植えにできない場合は、リユースがセットになった企画商品を探してみると安心できます。

 ところで、私のクリスマスツリーはどんなタイプかといいますと、モミの切り葉を買ってきて、リースをつくることでおさめてきました。でも、今年は「ダイアモンドダスト」の名前でも知られるマイレアナ・セディフォリア(Maireana sedifolia)の小さな鉢植えも加えようかなと考えています。以前はコキアとも呼ばれていた、オーストラリア原産のシルバーリーフで、凍った針葉樹のような株姿がとても気に入っているのです。
 モミの木のツリーは憧れの的だけど、みなさんも、ぜひ自分スタイルのクリスマスツリーを楽しんでみてください。それこそ、世界でたったひとつの、私だけのツリーになりますね。

私たちのクリスマスツリーはどうしたら?
コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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