1月-4. 唯一無二の香辛野菜(セリ・コリアンダー・セロリ)

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せり鍋

 先日の七草がゆにもきっと入っていた、セリ。さわやかでみずみずしく独特な芳香をもつ、日本も原産地のひとつである香辛野菜です。日本各地の田んぼや畦道、湿地などに自生するほか、国内では宮城県や茨城県などで営利生産されていて、スーパーや青果店でも入手できます。
 実はわが家は家族そろってこのセリが大好きで、定番のおひたしや和え物、サラダに混ぜたりスープにしたり、様々な献立に利用しています。そう、もちろん、鍋の具としても定番です。
 セリの鍋といえば、しばらく前に話題になったせり鍋。秋田県、山形県、宮城県などの郷土料理で、宮城県仙台市や山形県鶴岡市などでは、セリの根から丸ごと鍋で楽しむそうです。
 私はまだ、残念ながら、根も食べるせり鍋を味わったことがありません。セリを何回買っても、3~4cmほど茎をつけた根をそのままビニールポットに植えて水鉢に沈め、育ててしまうからです。夏の間は弱りますが、ほんの少し、汁物の浮き実にする程度なら、収穫できます。でも今度、旬のうちにセリを買ったら、根も鍋にしてみようと思っています。

根っこを食べてみよう

 せり鍋が話題になったとき「根っこを食べるの!?」と驚いた方も少なくなかったようです。そういえば、根野菜ではないのに根を食べるといえば、私はまず、コリアンダーを思い出しました。最近はタイ語の「パクチー」で呼ばれることが多く、青果以外でもドレッシングやスナック菓子などの加工品でお目にかかることもふえました。あのコリアンダーも、根を食べることができます。カレーやスープの出汁的に使うのがお気に入り。ちょうど今夜もコリアンダーの根っこスープを、夕飯のテーブルに出したばかりです。
 思えばセリもコリアンダーも同じセリ科の植物。そしてどちらも個性的な芳香で、苦手な方もいらっしゃるかもしれません。病みつきになる人がいる半面、見たくもないという人もいるほど、両極端に分かれる個性派。セリ科の香辛野菜の個性は、いずれにしても結構、唯一無二なんだなと改めて感じました。

 ではついでに、好き嫌いが大きく分かれるセロリの仲間、セルリアックを紹介しましょう。ふつう、茎と葉を食べたり香りづけに利用するセロリですが、セルリアックは根セロリとも呼ばれるとおり、根を食べるセロリです。前出のセリやコリアンダーのような細長い根ではなく、丸々と太った一見イモのような形状です。ヨーロッパ各地ではかなりポピュラーな野菜で、これもスープや炒め物、煮物など、様々に利用されており、ふつうのセロリよりもちょっと繊細な風味です。
ただし、このセルリアックは、国内での流通量はごくわずか。もし必ず食べてみたい!というなら、自分で育ててみませんか。タネはインターネットなどで入手可能です。ただし、一般的なセロリと同様、暑さが苦手で栽培は少々難しいかもしれません。タネまきまでは乾かさない、セルトレイやポットまきの場合は、移植するタイミングを逃さない、など基本的なセリ科の栽培ルールに沿って、トライしてみてください。

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
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