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2月-1. 家族の真ん中に柑橘類(かんきつ)

温暖地のトレードマーク、温州ミカン

 私たちが一般的に「ミカン」と呼んでいる果物の多くは「温州(うんしゅう)ミカン」という種類で、古い時代に中国から伝わった柑橘類から突然変異で発生したといわれています。発生地は鹿児島県出水郡長島町なのに「温州」と名づけられた由来は、柑橘類の名産地として知られる中国浙江省・温州に因んでいるとされています。

 柑橘類のほとんどが暖かな気候を好みますが、温州ミカンも同様で、関東地方以西の温暖地で栽培されています。発生地の鹿児島県に始まり、現在では和歌山県、愛媛県、静岡県がその主要産地。そのほかの産地を含めて、各地を代表する流通名や商品名がついた温州ミカンがあり、近年では毎年のように新しいブランドミカンが誕生していることから、いずれの産地でも力を入れている農産物のひとつだということがわかります。

 しかし、柑橘類だけに限らず、輸入果物の増加や生産農家の高齢化など、ミカンを取りまく状況は、けっして穏やかな話ばかりではありません。家族で炬燵を囲んで、ミカンを味わいながらの他愛もないおしゃべり。そんな小さくも幸せな時間が、日本の農業を支えてきたのかもしれません。

意外にも1年じゅう旬がめぐって繋がる柑橘類

 柑橘類の種類はとても多彩です。当の温州ミカンを含むミカン類のほか、オレンジ類、レモン類、キンカン類、ユズ類などのグループがあり、さらにミカンとオレンジの雑種や交配種など、流通名だけではわからない、複雑な種類がたくさんあります。

 また、ミカンは冬の果物のイメージがありますが、柑橘類は種類によってその旬はさまざま。温州ミカンが晩秋から出回り、2月には終盤を迎えますが、代わって同じミカン類のポンカン、オレンジとグレープフルーツの交配種・セミノール、ミカンとオレンジの交配種・清見など、近年登場したものを含め、香り高い種類が次々と旬を迎えます。
 続いてハッサク、アマナツ、夏ミカンなど晩生の種類へ移り、その頃になると再び、ハウス栽培の温州ミカンが果物専門店に並び始めるといった具合。
 このように日本において柑橘類は、ほぼ周年、何かしらの種類が旬、および流通最盛期を迎えています。日本人の四季は、柑橘類と共にあるのですね。

 柑橘類は、もちろん家庭でも栽培することができます。家庭栽培で取り組みやすいのは、やっぱりキンカン、レモン、温州ミカンの3種類。苗の植えつけ適期は3月中旬からなので、これから店先に出回る苗を選ぶのも春の楽しみのひとつです。リビングの真ん中にある炬燵にはミカン。庭やベランダの真ん中にもぜひ、お日さまのような柑橘類を、どっしり据えてみてはいかがでしょうか。実のなるシンボルツリー、楽しみですね。

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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