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3月-4. 欲しいクレマチスを手に入れる(クレマチス)

花を見て選びたいなら5月の開花鉢

 クレマチスというと、初夏から夏の花のイメージですが、それは大筋で正しく、多くの品種がその時期に開花期を迎えます。多くの花の開花鉢や花つき苗が、その花の開花期の少し前から流通し始めることを考えると、クレマチスの株がたくさん流通し、品種が選び放題なのは晩春、つまり5月の大型連休のころと想像できます。

 5月初めといえば母の日があり、今やクレマチスの開花鉢は、カーネーションの鉢花と並ぶ母の日のギフトとして人気があります。ギフト需要に合わせるために、特に近年は、5月初めにクレマチスの開花鉢がたくさん出荷されるようになったのです。

 開花鉢のよさは、実際に花を見て選ぶことができること。栽培のプロである生産者が咲かせた花の状態は、私たちにとっては栽培の見本そのもの。花色、花径など、その品種がもつ最大限のパフォーマンスが発現されているのですから、栽培の目指すところを目で見て確認できます。

今月から始められる苗

 さて、開花鉢が並ぶピークが5月初めならば、苗のピークはいつになるでしょうか。流通データを調べてみると、これが3月。開花鉢は5月かとのんびり気分もつかの間、これはちょっと焦ります。つまり、苗のほうはクレマチスの植えつけ時期が始まるのに合わせて、流通量がグッとふえるのです。
 苗のよさは、栽培のスタートから関われるため、じっくりその品種を観察しながら栽培できることにあります。つるも伸びていないので、誘引も自由自在。前出の開花鉢は、あんどん支柱に仕立ててあるものがほとんどなので、一番花の後に剪定、植え替え、そして誘引し直す際に、いったんつるをほどくという作業があります。このとき、つるが硬いクレマチスは、折れてしまうことが多く、実は結構ストレスなのです。苗からの栽培は手間がかかるけれど、あんどん仕立てをバラす手間がありません。

 また、開花鉢は、‘H・F・ヤング’ や ‘ドクター・ラッペル’といった、いわゆる古くからある人気品種が主体です。対する苗は、出荷される品種数も多く、すでに欲しい品種、候補の品種がある場合は、苗で探したほうが見つかりやすい利点があります。
 そして、バラのお相手としてクレマチスを選ぶ場合、バラの開花期は5月中旬から6月はじめですから、クレマチスの花期と合わせるならば遅咲きのタイプを選びたいもの。遅咲きタイプに絞って探す場合も、苗のほうが見つけられる可能性が高くなります。

 ただし、苗ですから花はついておらず、花の情報は、あっても品種ラベルについた写真のみになります。ですから、花容をはじめとする栽培のイメージ、さらにつるの長さや剪定の時期など、さまざまな情報は、あらかじめ本やインターネットで調べて、欲しい品種を想定しておく必要があります。

 すでに育てているつるバラのお相手選び。5月まで待って花を見てから決めるか。はたまた、花のない苗の状態で今月中に入手して、さっそく実際につるバラの横に植えてみる実践でいくか。みなさんなら、どちらからスタートしますか?

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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