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4月-3.サクラの季節がやってきた(桜)

サクラの種類

 サクラはご存知の通り、バラ科サクラ属(Prunus)の植物です。同じ属には、早春に香りとともに私たちを楽しませてくれるウメをはじめ、ハナモモ、果物ではモモ、プラム、アンズ、初夏に赤い実がつくユスラウメなどもある、とても大きなグループです。このなかで私たちがいわゆるサクラと呼んでいる仲間は、最近「サクラ亜属」(Cerasus)として独立したグループに分類されるようになりました。
 さてそのサクラ。山、里山、公園、住宅地から都会の街路樹まで、国内のさまざまな場所で見ることができ、私たちにとってとてもなじみ深い植物です。しかしそれとは裏腹に、その種類や品種がとても多く、一般にはその区別が簡単ではありません。まず大別すると、野生種とその交雑種、そして栽培品種の2タイプがあります。今回は野生種について簡単に紹介してみます。

 まず野生種の代表といえば、ヤマザクラ。関東地方以西ではもっともポピュラーな野生のサクラです。現在ではサクラの代名詞ともされる栽培種、ソメイヨシノが誕生する以前は、このヤマザクラが花見の主役だったそう。昔々の花見のようすに、思いを馳せてしまいそうですね。そして、北陸、東北地方から北海道にかけては、樹皮が美しいオオヤマザクラが代表的な野生種。伊豆半島から房総半島の海岸沿い、そして伊豆の島々の野生種は、オオシマザクラ。その葉は、桜餅に利用されることで知られています。さらに、オオシマザクラは花に香りがあり、その血を引き継ぐ栽培品種‘駿河台匂(するがだいにおい)’などにも芳香があります。また、オオシマザクラと本州、九州、四国の山間部に分布がみられるエドヒガンの2種が、ソメイヨシノの成立に関与するともいわれており、サクラのなかでも重要な種類のひとつです。

サクラの見分け方を覚えて山へ公園へ、街角へ。

 サクラの野生種を見分けるときは、まず萼筒(がくとう:萼が合着した筒状の部位)をチェック。ここの太さやふくらみの有無、毛の有無などから見分けます。そのほか萼(がく)、小花柄、苞(ほう)などの形状も、野生種のサクラを見分けるときのチェックポイントです。詳しい見分け方や分類は、市販の図鑑などを参考にしてみてください。ポケット図鑑ならリュックにしのばせて、ハイキングや街角でのサクラハンティングに便利。私も春は、多数のサクラのコレクションを有することで知られる、東京都八王子市にある多摩森林科学園へ出かけて、よりサクラへの造詣を深めたく思っています。

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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