5月-6.主役と脇役(バラとクレマチス)

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バラとクレマチス

 私たちは寄せ植えをつくるとき、使用する植物について「主役」と「脇役」ということをよく考え、また口にします。ひと鉢のなかで中心となる植物「主役」と、それに寄り添い、魅力を際立たせる「脇役」。ひと鉢のなかに小さな景色をつくるのが寄せ植えですから、大きな景色となる庭でも同じことがいえます。なかでもバラは、昔から多くのファンに愛される植物で、バラが主役の庭づくりを試みている方はたくさんいらっしゃいます。
 近年、庭でのバラのベストパートナーとして挙げられるのは、なんといってもクレマチス。つる性で自在な仕立て方ができるので、 主役のバラがつるバラなら、ともに誘引することができます。また、バラが木立性やブッシュタイプであれば、壁面に誘引して背景として用いたり、クレマチスのほうをアーチやタワーに仕立てて、景色のボリュームをアップすることができます。
 品種改良が進み、花色や花形が多彩になったバラ。その魅力をいっそう引き立てるクレマチスもまた、品種がふえており、仕立て方だけではなく、バラとの色合わせの楽しみにも期待できそうです。こうなると、どちらが主役か脇役かなど決めてしまう必要もなく、両者の競演を純粋に楽しむことが、真理なのではないかと感じました。

どんな品種を選ぼうか?

 近年のバラは、四季咲きや返り咲きのものが主流になりつつあります。ならばパートナーとして選ぶクレマチスも、1年のうちに何回も開花するタイプを選びたいもの。新枝咲きのグループならそれが叶います。新枝咲きは、新しく伸びたつるに次の花を咲かせるので、花が終わったらすぐに切り戻して、いち早く、新しいつるを出させることがコツ。切り戻したらしっかり追肥を施して、サポートしてください。
 ただし、花の時期をバラと合わせるのは至難の技。そのためにガーデナーたちは、毎年、天候の様子と剪定時期を思い悩み、作戦を立てているわけですが、それもいわばガーデニングの楽しみのひとつ。とはいえ、せめてバラの一番花の時期は合わせたいのが本望で、そのためにはクレマチスは、遅咲きの品種を選ぶケースが多いようです。
 バラとクレマチスを、上手に合わせたサンプルガーデンや庭園もふえてきました。そこでは、バラとクレマチスのペアを、より美しく見せる多年草や下草使いの懐の深さも垣間見られ、参考になります。主役あっての脇役ですが、名脇役がいてこそ引き立つ主役ともいえます。庭の景色が美しいこの時期に、ひとつでも多くの実例を目にして、マイガーデンのためのフレッシュな参考にしていきたいものです。

バラの育て方
バラ
コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
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