7月-2.今こそ、サマーガーデニング

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暑さに負けない花を選ぼう

 夏でも元気に育つ植物を選ぶためのヒントは、その植物の原産地にあります。熱帯地方や亜熱帯地方原産の植物を選べば、間違いないといわれています。しかし、実際は日本の厳しい真夏の暑さと湿度で傷んだり、花数を減らしたりして、生育を停止してしまう植物もあります。トロピカルフルーツの代表パッションフルーツは、真夏にはほとんど花を咲かせません。熱帯らしい花や果実の印象からすると意外かもしれません。ほか、マンデビラやペチュニア、アブチロンなども、真夏は花数が減る傾向にあります。花数が減るのは生理的な原因もありますが、肥料不足のこともあります。一般的に盛夏は生育が衰えるので、肥料は与えないとされてきましたが、なかには肥料切れによって生育が緩慢になっているものもあります。プルンバーゴ、ニチニチソウ(ビンカ)、ヒャクニチソウ(ジニア)、インパチェンスなど、夏も元気に咲く花たちは、水切れ、肥料切れさせないように注意したいものです。
 とくに、近年では耐暑性の強さも大きな育種目標のひとつとして挙げられ、そのお陰で日本の夏の高温多湿に耐える品種が誕生しています。そうした新しい品種を入手するのも、サマーガーデニングを成功させるひとつのアイデアです。

サマーガーデニングのヒントをキャッチしよう

 関東地方以西にお住まいの方から、「東京は、涼しくてうらやましい」といわれることがあります。しかし、東京の都心部などでは、建物が熱を蓄えてしまい、その輻射熱によって夜になっても気温が十分に下がりません。とくに建物が混んでいて風通しも悪い場所では、より顕著に気温として現れます。たとえば前出のうらやましいとおっしゃった方に「お盆のころは、明け方でも拙宅のベランダは、35℃近くありますよ」とお返事すると夜温の高さに驚かれ、逆に気の毒がられることもしばしば。しかし、東京だけではなく、密集地や、地形などさまざまな理由で夜温が下がりにくい地域は他にもあります。そして、それが植物の生育に大きく影響を及ぼし、その結果サマーガーデニングを難しくさせている現状があります。

 さて、夏の東京で開催される2020年の東京オリンピック・パラリンピック。たくさんの花で各国の選手団をお迎えしようというプランが今から立てられています。2020年後を見据えて、すでに東京のいくつかの公共スペースでは、より美しく健やかな、暑さに負けない花壇をつくる「TOKYO 夏花・夏花壇を作ろう!プロジェクト」が進められています。
 たとえば、池袋サンシャインシティ(東京都豊島区)、東京ドームシティ(東京都文京区)、六本木ヒルズ(東京都港区)の3ヵ所の花壇は、現在プロのガーデナーによって管理され、日本各地の各種苗メーカーがイチオシする夏の花、約30品種がテスト栽培されています。ほか、「花と緑のおもてなしプロジェクト」として、お台場地区のシンボルプロムナード公園内の「夢の広場」(東京都江東区)にも同様の花壇がつくられ、夏花を楽しみながら、オリンピック開催に向け気運を盛り上げる取り組みが進められています。高温のビル風や強い海風、周囲からの反射光、人工土壌など、植物によい環境とはいえない場所でも育つ品種なら、東京オリンピック・パラリンピックのときも、東京のあらゆる場所で元気に咲き誇ってくれるでしょう。

 梅雨が明ければ夏休みがやってきます。夏のお出かけに、暑い東京で育つ花のようすをチェックしに行くというのはいかがですか。過酷な状況下でもしっかり育つ花なら、みなさんの庭やベランダでも、元気に夏越しできるはず。サマーガーデニングのよいヒントが見つかると思います。

取材協力/お花がかり有限責任事業組合 竹谷仁志、東京港埠頭株式会社、日本家庭園芸普及協会

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
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