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7月-7.〆切は、梅雨明けまで

濃ピンクのリボン、ブーゲンビレア

 低く立ち込めるどんよりとした灰色の空に、あでやかな濃ピンク色がたくさんのリボンのように映える、つる性の木にときどき出会います。ブーゲンビレアです。
 「ブーゲンビレア」と聞くと、真夏の南国の景色を思い浮かべますが、その原産地は中央アメリカから南アメリカ。昼間の時間が長い時期には花芽がつかない短日性があるうえ、高温多湿な日本の夏の気候はちょっと苦手です。開花期も春から梅雨期間中ぐらいまでと秋で、真夏は花が咲きません。フワッと華やかな花姿こそ、梅雨明けを心待ちにする気持ちを応援してくれるように見えます。
 鉢植えなどで花が咲かなかったという人は、もう少しでもよく日が当たるように工夫し、施肥は一時的に止めて、さらに水やりを控えめにしてみてください。夏越し中のこれらの作業はさじ加減が難しいですが、うまくいけば、秋空に映える濃いピンクリボンが楽しめると思います。

魅惑の白い花、パッションフルーツ

 バス通り沿いを歩いていたら、オフィスビルの壁面に見慣れたツヤツヤのツタ型の葉っぱが茂っていました。葉を分けて確認してみると、あったあった、まん丸の緑色の果実。もう握りこぶし大ほどの大きさに成長しています。クダモノトケイソウ。パッションフルーツの名前のほうがポピュラーかもしれません。この果実もやがて紫色に熟して、芳香を放つようになることでしょう。7月初めまでなら、開花から果実が肥大して色づき、約2ヶ月弱で収穫できます。
 トロピカルフルーツの代表としても知られるクダモノトケイソウですが、梅雨が明けて暑くなると、花数は減り、人工授粉しても着いて収穫できるまでの日数が2ヶ月以上かかるようになります。気温が下がる秋になると、また花数も着果率も上がっていきますが、今度は温度と日照が不足し、完熟するころには冬になってしまうのです。秋の果実を家庭で楽しむのは、ちょっと難しいようです。
 クダモノトケイソウの分厚い葉は、真夏の強光線に傷むことなく緑陰をほどこしてくれるので、グリーンカーテンにも適しますが、花姿や果実の風味が南国のイメージそのままなのとは裏腹に、その性質はけっこう繊細です。花や果実の生育を楽しむのは、梅雨明けすぐぐらいまでといえます。
 梅雨明け前は毎年そうですが、梅雨前線が最後の力を振り絞るように雨を降らせます。本格的な夏がやってきたら花数が減って、しばらく目立たなくなってしまう植物もありますが、決して生育不良ではなく、その植物ならではの生理です。誤って肥料を施したりするのではなく、しばらくの間穏やかに見守ってみるのも園芸の大切なポイントです。

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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