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9月-2.クリスマスを想って

園芸店も秋色に

 残暑が厳しく感じられることも多い近年ですが、8月下旬からは、ガーデンショップにも秋の草花や野菜苗が並び始めます。それからどんどん秋の風情が色濃いアイテムが増え、景色も変わっていくことでしょう。
続いて店頭には秋植え球根も並び始めます。記憶のなかの凍える冬、そして寒さのなかに感じる春の兆しを辿りながら、今秋植えつける球根の種類と品種選びに悩み、楽しむ時季の到来です。とはいえ、まだ冬のことなど考えられない気候ですが、人気のある品種や生産数が少ない気になる新品種などは、売り切れたら今年はもうそれでおしまい。見かけたらぜひ早めに購入しておきたいものです。

クリスマスにチューリップを咲かせよう

 チューリップの球根は、関東地方以西の暖地では10月中旬から11月下旬が植えつけ時期で、翌春の4月から5月に花が咲きます。ですから、早く入手した球根は家庭では植えつけ時期まで乾燥保存しておくことが大切です。ところが、ちょっとした処理で開花をグーンと早めて、クリスマスから年始のタイミングに咲かせることもできるのです。それが最近見かける「冬咲きチューリップ」「アイス・チューリップ」などと呼ばれているものです。
 チューリップの球根は休眠した状態で夏を経験しますが、花芽はこの期間につくられています。その後、一定期間ある程度の低温にあうと花芽が促され、開花の準備に入ります。休眠状態で高温にあった球根に人為的な冬を経験させて開花を早めるのが、噂の「冬咲きチューリップ」。時期を守りうまくいけば、年末から年始に花を咲かせることができるのです。さらに10~15℃程度の場所に置かれたチューリップの花は春より長持ちする利点もあります。
 人為的に寒さを経験させた「冬咲きチューリップ」の球根は、通販などの市販品も出回ります。入手したら、説明書に沿って植えつけと管理を行いましょう。また、冷蔵処理されていない一般的な球根でも、家庭で処理すれば「冬咲きチューリップ」が楽しめます。そのためには球根を、9月中に入手しておくことが必須。ガーデンショップで早めに見つけた球根で、ぜひ試してみてください。

「冬咲きチューリップ」の育て方

 「冬咲きチューリップ」に向く系統は、花芽促進が早いトライアンフ系やユリ咲き系の早生タイプです。「冬咲きチューリップ」にトライするときは、これらの系統を入手しましょう。
 入手した球根は紙袋に入れるか新聞紙でしっかり包んで家庭の冷蔵庫の野菜室(5℃前後)に保管します。このとき、野菜室内にリンゴなどエチレンガスを出すものがあると花が咲かないことがあるので、注意しましょう。できるだけ庫内の温度を一定に保ち、待つこと約2カ月。その後は冷蔵庫から球根を取り出し、保管中に残念ながら傷んだり腐ったりした球根は、廃棄します。状態のよい球根を鉢に植えつけて屋外の日なたで管理します。表土が乾いたら、たっぷり水やりをしましょう。15℃程度の気温が好ましいので、それより寒い場合は、室内の日当りに鉢を移動させて15℃程度を保ちながら管理すると、1カ月ほどで開花が期待できます。うまくいけばクリスマスから年始に、華やかなチューリップでお客様をお迎えすることができるかもしれません。

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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