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【12月のバラ】来春もキレイなバラを咲かせるために欠かせないこの時期のお手入れ

日ごとに寒さが増す12月。バラもシーズンが終わり、休眠期に向かいます。

しかし、温暖化の影響なのか、冬になっても落葉しないバラが急増。そんな葉を落とさないバラには「強制休眠」が必要、ともいわれています。

本記事では、バラにとってなぜ休眠が必要なのか、そして、この時期にしておきたいつるバラの誘引と剪定、鉢植えのバラの植え替えについて、分かりやすく解説します。

バラの休眠期とは

そもそもバラは落葉樹であり、冬になれば落葉し、休眠するのが自然な姿。

休眠期には、葉や茎の成長がストップし、花が咲くこともありません。地上での活動がないので、一見枯れたようにも見えますが、根は活動していて、樹液も流れています。

この休眠期では、開花や成長に費やしていた栄養を株にしっかり蓄えて、落葉によって、葉につく病害虫を取り除く働きも。

つまり、バラにとって休眠期は、春の開花に向けての大事な時期といえます。

休眠しないバラは強制休眠させることも

一般的に、バラは最低気温が4℃以下になると休眠の準備に入り、最高気温が7℃以下になってくると休眠する、といわれています。

ですが、温暖化や品種の特性、肥料過多や新陳代謝が悪くて落葉しない、などの理由によって、休眠しないバラも増えています。

しかし、前述したように、春にキレイな花を咲かせるために休眠は欠かせないもの。冬になっても葉を落とさないバラには、強制的に休眠させることも大切です。

強制休眠の方法は、「葉を取り除くこと」。光合成ができなくなり、根から吸い上げる水分量も激減します。

その結果、活動が休止して休眠状態となるのです。

バラが休眠期に向かう際のサインとして挙げられるのは下記の3つ。

葉が変色して落葉する
新芽の成長が止まる
茎や枝が赤く変色する

これらのサインが見られない場合には、強制的に休眠させることを念頭に置くといいでしょう。

つるバラの誘引は12月初旬~中旬に

つるバラは枝が長く伸びていくので、誘引せずにいると上に上にとどんどん伸びていきます。

大きくなるほどたくさんの花をつけることをイメージするかもしれません。

実際には、バラは頂芽優勢(上の方から花枝を伸ばし、花を咲かせる)な性質。伸びるのに任せていると、高い場所ばかり花が咲いたり、花が多くつかない、ということが起こります。

これを防いで、たくさんの花を楽しむために重要となるのが誘引です。

誘引とは?

つるをフェンスや壁、支柱に結び付けて固定し、つるの伸びる方向やバランスを調整する作業のことです。

つるバラの誘引のベストタイミングは?

バラの休眠期に行います。適期は、枝がしなりやすい12月初旬~中旬。

寒くなれば寒くなるほど枝が硬くなり、曲げた時に折れてしまう恐れがあります。休眠期に入る12月のうちに誘引をするようにしてください。

つるバラの誘引方法

まず、葉を全て落とします。

次に、長くて太い枝を水平に曲げながらフェンスや壁、支柱に誘引。この時、枝と枝との間は、ある程度の間隔をあけるのがポイントです。

枝の間を開けることによって、それぞれの枝に日光がしっかりとあたり、花付きが良くなります。花が咲いたときをイメージしながら配置してください。

細く短い枝は、太い枝の隙間を埋めていくように配置。

下の枝を地面すれすれに誘引すると、空間全体がバランスよくバラで覆われます。

つるバラの剪定の適期は12月中旬~1月中旬

つるバラの剪定を行うタイミングは、休眠期に入った12月中旬〜1月中旬が適しています。

また、11月に一度伸びすぎた枝をカットし、寒さが厳しくなった12月中旬にその後伸びた枝先をさらに約10cm切り戻す、という剪定を2回に分ける方法もあります。

剪定の際は、主要な枝を残して、込み入った枝や弱々しい枝は全て切り取ります。主要な枝も、枝の先端を20cmから30cm程度カット。シュートは先端部分を30cm程度カットしてください。

枝と枝の間隔が近いと、春になると葉が茂りだして混み合います。病害虫が発生しやすくなるため、全体を見てイメージをしながら剪定するのがおすすめです。

休眠期は植え替え・土替えのベストシーズン

バラを鉢に植えて育てている場合、植え替えや土替えも休眠期に行いましょう。

キレイな花を咲かせるバラは、細根をたくさん伸ばして養分や水分を吸収しています。

地植えであれば広い場所に根を伸ばしていくので問題はないですが、鉢植えの場合、根腐れを起こしてしまうことも。
鉢の中という限られた場所に根を伸ばしていくため、細根が多くなるとぎゅうぎゅうに詰まってしまうからです。

また、バラは肥料食い。1年過ぎる頃には土の中の有機質が分解され、栄養のない土になってしまいます。

そこで、根を整理したり、養分のある土に入れ替える、という作業が必要です。

鉢植えのバラの植え替え方法

下記の手順で行います。

①剪定した後に、バラを鉢から取り出して、根から土を落とす。
②増えすぎた根を整理する。
③これまでより一回り大きな鉢に植え替える。

植え替えたら水をたっぷりと与えて、防寒対策をしてください。

植え替えの際は、土の中にコガネムシ類の幼虫がいないかどうかのチェックも忘れずに。

休眠期は春の開花のためのお手入れを

12月はバラの休眠期に入るため、一見、活動が止まっているようにみえますが、土の中では春の開花に向かって栄養を蓄えるなどの活動が続く時期です。

この時期のお手入れは、春の開花を左右する重要なもの。

本記事で紹介した内容を参考に、しっかりお手入れしてみてくださいね。

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