知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報カシワバアジサイ～花だけでなく葉も楽しめる？カシワバアジサイの魅力～

「梅雨の時期に咲く花は？」と聞かれると、アジサイを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

青やピンク、紫や白などの色合いをはじめ、いろいろな花の形のものがあるなど、アジサイは品種が多く、どれもとてもきれいですよね。

それらのなかでも、和・洋どちらの庭にもフィットする人気の品種なのが、円錐形の白い花穂をつくるカシワバアジサイ（アジサイ科）です。

本記事では、その魅力を紐解いていきます。

カシワバアジサイの特徴として挙げられるのが、カシワ（柏）に似た深く切れ込みの入った大きな葉と、大ぶりな円錐形の白い花房。

隙間なく咲く花房は、自重で垂れることもあるほど。

球形にまとまって咲く多くのアジサイとは一味も二味も違う佇まいと、花房のボリューム感はカシワバアジサイ最大の魅力と言えるでしょう。

一重咲きのものがポピュラーですが、八重咲きの品種もあり、品種ごとに違った趣を楽しむことができます。

カシワバアジサイの花期は一般的なアジサイと同じ5〜7月です。白い花が咲いたあと、そのまま枝に残しておいても花を落とさないのが特徴の1つです。

開花後しばらくすると、花の色が徐々にピンクや緑に変化していく様子を楽しむことができます。

さらに時間が経過すると大きな花房をキープしたまま枯れ込んでいき、濃い茶のアンティークカラーに！

時間とともに色が変わるのは、カシワバアジサイならではの光景といえるでしょう。

枯れていく様も美しいですが、花房をつけたままにしておくのは株の体力を消耗することにつながります。

夏以降になると翌年咲く花芽が出てきます。翌年の花付きを考えれば、花が咲いた後は早めに葉の付け根の新芽の上で切り落としてしまうのがおすすめです。

なお、樹形が乱れている際は、落葉期に剪定を。

落葉期に剪定する場合、花芽がすでに出ているので花芽に注意しながらバランスの悪い枝や古い枝を整理するだけに留めましょう。

翌年の花は諦めても良いという場合、地面から20～30cm程度のところでばっさり剪定すると樹形がきれいに整います。

カシワバアジサイは、生育旺盛で、耐暑性・耐寒性に優れた植物。病害虫にもある程度強いですが、コガネムシが葉をかじったり、病気ではうどんこ病や炭疽病が発生することがあるのでご注意を。

葉が白くなるうどんこ病にかかってしまったら、白くなった葉を取り除いて「兼商モレスタン水和剤」を散布しましょう。一方、炭疽病は葉に斑点が生じる病気です。見かけたら病斑部は取り除き、「GFベンレート水和剤」を散布して症状を抑えましょう。

コガネムシが葉を食害することもあります。見かけたら捕殺しましょう。
また、カシワバアジサイは乾燥に弱いという性質が。水切れしないように、土の表面が乾いたらたくさん水をあげてください。


地植えの場合、雨が降れば基本的に水やりは必要ありません。葉が茶色く変色して枯れてきたときには、水やりをしましょう。肥料も土の状態がよければ、定期的に与えなくても毎年開花します。


鉢植えの場合、緩効性化成肥料を1〜3月の落葉期と開花期の7月、そして、生育期の9〜10月に与えます。

カシワバアジサイは、花木栽培ビギナーの方でも気軽に育てられるので、ぜひ挑戦してみてください。

カシワバアジサイは直射日光を避け、少々湿り気のある半日陰で育てるのが望ましい品種。

つまり、「庭はあるけど、ちょっと日当たりが悪いのが悩み」という方にぴったりの植物です。

ただし、終日暗い日陰では、日照不足で花数が少なくなったり、日光が当たる場所に向かって伸びていくため樹形が乱れます。

日当たりは悪くとも、明るい日陰を選ぶようにしてください。一方で、直射日光などの強い日差しが当たると葉焼けしてしまいます。

夏の強い日差しが当たる場所、終日暗い日陰は避けて植えましょう。

白い円錐形の花と、紅葉も楽しめる葉が魅力のカシワバアジサイ。

植え付けに適した時期は3～4月、または、10～11月ですが、挿し木で増やす際の適期は6〜7月。まさに今です！

切り口を斜めにカットした長さ8cm程度の枝を、挿し木用の土か赤玉土を入れた鉢に挿しておくと1ヶ月程度で初根します。 日陰に置いて乾燥しないよう注意するだけなので、気になる方はぜひチャレンジしてみてくださいね。