バラの一番花がそろそろ終わり、新しい枝が伸びはじめる6月。
多くの地域で梅雨入りし、雨の降る日が多くなることで病害虫が発生しやすくなります。
そんなこの時期にしておきたい、バラのお手入れのポイントを分かりやすくご紹介します。
シュートとは、バラの根元、もしくは枝の途中から伸びてくる、勢いのある若い枝のこと。
次世代の主幹となる大事な枝ですが、放任すると、四季咲きの木立性バラの場合、樹形が乱れたり、ほかの枝への栄養が行き渡らなくなったりすることも。
早めにピンチ(摘心)することが大切です。
四季咲きの木立性バラのシュートをピンチする適期は、シュートの5枚葉が6~7枚のとき。
まだ枝が柔らかいので、ハサミでピンチするとバラへダメージを与えることもあります。
シュートをピンチする際は、手で折り曲げて芽先を取り除くようにしてください。
気温が上がり、雨が多くなる6月は、1年で最も病害虫が発生しやすい時期。
この時期に気を付けたいのは「うどんこ病」と「黒星病」、そして「害虫」です。
葉や花首が白い粉をまぶしたようになる病気で、広がると生育不良の原因となる病気です。「うどんこ病」を見付けたら、該当する葉っぱを取り除き、落葉も含めて始末します。また、薬剤を3日間隔で3・4回撒くといいでしょう。
葉に黒い斑紋ができて樹勢が衰える病気です。葉だけでなく葉柄や茎にも広がり、枝に紫黒色や紫褐色のしみが出ると翌年まで病菌を持ち越し、再度春に「黒星病」が発生することも。
「黒星病」を見付けたら、該当する葉っぱを取り除き、「うどんこ病」の対処法と同様に、薬剤を3日間隔で3・4回撒きましょう。
気温が20度前後、そして、葉面に水滴がある場合に病原菌が活発に活動するため、露地栽培のバラには雨が降る2時間以上前に薬剤を散布すると、予防効果が期待できます。
バラにつく害虫としては、「アブラムシ」と「チュウレンジハバチ」が知られています。
ツボミや新芽にとりついて樹液を吸いますが、放っておくと葉が黒く汚れるすす病になる恐れがあります。
体長2センチ程度のイモムシの姿をした幼虫の頃に葉を食害し、小型のハチの姿をした成虫は枝を傷つけて産卵します。
いずれもバラの天敵なので、見つけ次第、薬剤を散布するなどの対策が重要です。
バラの病気には薬剤散布が欠かせません。しかし、同じ薬剤を使用し続けると耐性ができて効きにくくなるため、「ローテーション散布」するのがコツとなります。
使用する薬剤は、
①アニリノピリミジン系(病原体のアミノ酸やタンパク質の合成を阻害)
②EBI剤(病原体の細胞膜成分の合成を阻害)
③ベンゾイミダゾール系(病原体の細胞分裂を阻害)
の順で使用することがおすすめです。
このローテーションに、害虫にも効果がある薬剤を組み込めば害虫予防も行えます。
ローテーション散布をさらに詳しく調べる→「ローテーション散布のすすめ」
アニリノビリミジン系:虫&病気の両方に効く!「ベニカXファインスプレー 」
EBI剤 :黒星病やうどんこ病に効く!「マイローズ殺菌スプレー 」
ベンゾイミダゾール系:カビが原因のバラの病気に効く!「GFベンレート水和剤 」
バラの株をポリ袋ですっぽり覆ってから散布し、約10分そのままおくと薬剤をしっかりとしみこませることができます。
ベランダや隣家と近い場所では薬剤の飛散防止にもなるので、ぜひポリ袋を活用してみてください。
バラは「肥料食い」ともいわれ、他の植物に比べてより多くの肥料を必要とする植物です。
特に、バラは花を咲かせることで株の体力が消耗します。そのため、開花中は液体肥料を与えておくと、花が終わった頃に分解された肥料が根から吸収され、体力を回復させることができます。
そして、肥料を与える際に注意が必要なのが、「与えすぎないこと」。
与えすぎて肥料当たりを起こすと、枝葉や芽が黄ばみ、やがて枯死してしまいます。
バラを枯らさないためには、規定の量を守り、少しずつ施肥をすることが大切です。
6月は梅雨なので、地植えのバラへの水やりはそこまで必要としませんが、雨量が少なく土の表面が乾いていたらたっぷりと水を与えるようにしてください。
一番花が終わりを迎える6月は、梅雨入りを迎え、病害虫が最も発生しやすい時期に当たります。
この時期に適切なお手入れを行い、次シーズンに美しい花を咲かせられるバラを育てましょう。
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【バラ栽培】6月にしておきたいバラのお手入れ~ポイントをわかりやすく解説~園芸知っトク情報のページです。
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