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ヨーロッパや西アジアが原産地で、冷涼な気候を好む性質から日本では北海道や東北地方で栽培されてきたホップ(アサ科)。グリーンカーテンやクラフト素材に利用されるなど、昨今、日本各地に栽培エリアが広がってきています。
そんなつる性の植物のホップには育てる楽しみがたくさん!
本記事では、ホップの魅力と育て方のコツについてご紹介します。
ホップは、高さ6〜10mほどの高さまで成長し、たくさんの葉をつけるつる性の多年草。
栽培には冷涼な気候が適しており、原産地はヨーロッパや西アジアなど。近年ではニュージーランドで栽培されるものが人気になるなど、栽培地域が広がっています。
日本でも明治に入った頃に北海道で栽培が始まり、今では岩手県を筆頭に、青森県や秋田県などで多く生産されています。
ビールへ苦みや香りをつけるために欠かせない原材料として広く知られていますが、ビールに必要なのは、実は一部分のみ。雌株と雄株があるうちの、松かさに似た「球花」または「毬花」と呼ばれる箇所です。
前述したように、ホップはビールの原料として欠かせないものではあるものの、それ以外に次のような用途としても人気の植物です。
● ワイヤーやトレリスなどに沿って成長させることで、夏のグリーンカーテンに。
● 直径約2㎝で親指ほどの大きさの毬花は、ハーブティやポプリとして楽しむ。
● 毬花を乾燥させたドライフラワー。
● 長いつるを使ってかごを作る。
● ホップの若い葉をゆでてスープに加える。
● 毬花を揚げ物にしたり、パスタに散らしたりと食卓でも活躍。
など、ビール以外にもさまざまな活用方法があるんです。
ホップを丈夫に育てるには、ポイントを押さえることが大切です。そんな育て方のコツをご紹介していきます。
●日当たりと水はけの良い場所が適地
ホップは日当たりと水はけの良い場所、そして、アルカリ性の土壌を好む植物。植える前に苦土石灰や有機肥料を入れ込み、土壌のpHを整えることが大切です。
また、耐寒性の多年草のため、寒さには強いものの、高温多湿は苦手。特に西日には弱いので、西日を避けられる場所に植えると◯。
なお、ホップは深く根を張るため、プランターに植え付ける際はなるべく深さのあるものを選ぶようにしてください。
植え付けの適期は3~4月。1〜1.5m程度の株間を開けて、挿し木や根茎を植えていきます。
●水やりは土が乾燥したときに
植え付けをしたら、土壌が乾燥しないように水やりを。
地植えの場合、苗を植え付けた後の水やりは必須ですが、成長期は基本的に雨だけで十分です。
鉢植えの場合、土の表面が乾燥した時にはたっぷりと水やりを。生育期はよりたくさんの水を必要とします。朝夕の涼しい時間に水やりをするようにしてください。
●肥料は植え付け時と生育期に
ホップを植える際は、植え付け時に緩効性肥料を、そして、生育の活発な時期に追肥をしてください。
追肥は、化成肥料なら1回、液体肥料なら2週間に1回のペースで与えると良いでしょう。
●苗を植えたら支柱を準備
苗を植えたら、ネットやフェンス、トレリスなど、好みの支柱を用意して株のそばに立てましょう。
伸びてきたつるを麻ひもなどでゆるく結びつけると、うまく誘引することができます。
●剪定して太く勢いのある枝を育てる
ホップはつるを伸ばして成長していきます。が、成長に任せてたくさんのつるを伸ばしてしまうと、株の栄養が分散されて生育が悪くなってしまいます。
太く勢いのある枝を育てるためには、つるの数を減らして栄養をしっかりいきわたらせることが重要。そのため、たくさんのつるが発生した場合は、勢いのよい5~6本を残し、それ以外は付け根からカットするようにしてください。
●毬花の収穫は「早いうち」に
毬花とは、ホップの花のこと。この毬花はまだ若い緑色のうちに収穫するのがポイントです。
熟して茶色に変化した後は形を保てずバラバラになったり、受粉した後は味が落ちたりするのでご注意を。
毬花の中に黄色い粒であるルプロンが見えたら収穫してしまいましょう。
ホップには、殺菌効果やアレルギー症状の改善効果、不眠症の改善効果やダイエット効果など、さまざまな効能があるとされています。
前述の通り、揚げ物やスープ、パスタに入れるなど、いろいろな使い方がありますが、より手軽に摂れる方法としておすすめなのが「ホップティー」。
温めたポットにホップを7個ほど入れ、350mlのお湯を注いで3分蒸らすだけ。
簡単なので、ぜひ試してみてください。
ホップは、比較的手がかからず、初心者にも育てやすいのが特徴。
環境を整えたら、地植えでもプランターでも簡単に育てることができます。
毬花を摂ればさまざまな効果を得ることも。
本記事で紹介したポイントを参考に、ぜひホップ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか?
葉や茎には、トゲが生えているので、手入れや収穫の際には注意してくださいね。
ホップ〜ビールの原材料だけじゃない!魅力と育て方のコツ~園芸知っトク情報のページです。
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