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バラ栽培を始めようと考えている人にとって、最初の重要な選択がどの種類のバラの苗を選ぶか、ということ。バラの苗には「大苗」「裸苗」「新苗」、そして、「開花苗」など、さまざまな種類があり、それぞれに特徴や適した経験が異なります。
本記事では、各種類の苗の特徴やメリット・デメリット、選び方のポイントを詳しく解説します。
バラ栽培の成功は、適切な苗を選択することから始まります。気候条件や栽培経験、目的に合った苗を選ぶことで、より確実に美しい花を咲かせることができます。
特に初心者の方は、慎重に苗を選ぶといいでしょう。
大苗はプロのバラ農家が1年以上かけて育てた信頼できる苗木です。
野ばらなどの台木に接ぎ木した後、畑で丁寧に栽培されます。
大苗の特徴として
● 充実した枝組み
● プラスチックポットに植えられた状態で販売
● 出荷時は葉や花が取り除かれ、主要な枝のみに選定
● 根がしっかりしている
ということが挙げられます。
しっかりした根と充実した枝組みから、植え付け後の活着率が高いため、初心者にも育てやすい苗となっています。
充実した枝から新芽が活発に発生するため、比較的早い開花も期待できます。
「裸苗」は、出荷前までの育成過程は大苗と同じですが、鉢に植えられることなく根がむき出しの状態で流通する苗を指します。この販売形態は、伝統的な流通方法として長年親しまれてきました。
裸苗の特徴として
● 根の健康状態を直接確認できる
● 価格がリーズナブル
● 植え付け位置の微調整が容易
ということが挙げられます。
まず、裸苗は土が無いため、根の状態を直接チェックできます。根の状態を直接確認できることは、健康な苗を選ぶうえで大きな利点です。根の色や太さ、分岐の具合から、生育状態を正確に判断することができます。
また、裸苗は大苗より安価ですが、その理由として、プラスチックポットや培養土、保管場所などが不要ということが挙げられます。
そして、根が露出しているため、植え付け位置の微調整も容易です。
裸苗の注意点として挙げられるのが、購入後に速やかな植え付けが必要である、ということ。
露出した根が乾燥に弱いため、根の乾燥を防ぐため、湿らせた新聞紙で包むなどの工夫が必要です。
植え付け前は、2〜3時間、根を水につけて十分給水させましょう。どうしてもすぐに植えつけることができない場合は、日の当たらない涼しい場所で保管し、根を乾かさないよう注意してください。なお、1週間以内に植え付けるのが理想的です。
裸苗は管理に少し手間がかかるため、どちらかというと、バラ栽培に慣れた中級者や上級者向けの苗といえます。
裸苗は、根の状態を的確に判断し、適切に保管・管理する必要があることから、バラ栽培の経験者に適している苗です。
新苗は、その年の冬に接ぎ木をしたばかりの若い苗木です。成長途上の苗であり、これから育つ可能性を秘めた苗木といえます。春から販売が開始されることから「春苗」とも呼ばれます。
新苗は、若くて生育旺盛なため、適切な管理の下で驚くべき成長力を発揮します。根系は未発達ですが、成長が早く、1年目から充実した枝組みを形成することも可能です。
価格設定も比較的安価で、多品種の栽培に挑戦したい方や庭全体をバラで演出したい方に大きな魅力のある苗といえるでしょう。コンパクトなサイズなので、限られたスペースで計画的な庭づくりができます。
新苗は、根系が未発達で環境変化の影響を受けやすいため、初期の管理が特に重要です。若い根が土壌環境の変化に敏感で活着が不安定になりやすいため、直接地植えするのを避け、鉢植えでの育成期間を設けることがおすすめです。
鉢植えでの生育後、根系が十分に発達した状態で秋以降に地植えするといいでしょう。
生育段階に応じた細かな管理が必要なため、経験豊富な栽培者に向いています。
開花苗は、大苗と同じく1年以上農家でじっくり育てられた苗ですが、大苗と違い、ツボミや花をつけた状態で流通しているもの。また、葉もついているため、バラの外観を見て選ぶことができます。春と秋の開花時期に合わせて販売されています。
開花苗は花の色や形を確認して購入することができるので、期待通りのガーデンデザインを実現することができます。
また、苗の健康状態が分かりやすいため、初心者でも品質の良い苗を選びやすいのが特徴。
見た目の美しさと購入してすぐ楽しむことができるという点から、ギフトとしても好まれます。
開花苗は開花までの育成期間と管理コストが反映されることから価格が比較的高めになっています。
また、運搬時には見栄えの良い状態を維持するために花や葉の保護が欠かせません。
大苗の初期では、根の活着を促進するために水の管理が重要です。土壌が乾燥しすぎないよう観察し、必要に応じて潅水を。
また、裸苗では根の乾燥防止と適宜の水分供給バランスが重要となります。
新苗は若い苗を環境ストレスから守るため、保湿と遮光が不可欠です。
そして、開花苗では継続的な開花と健全な生育を促すため、花がら摘みと施肥管理を計画的に実施してください。
バラの苗には4つの種類があり、どの苗を選ぶかが栽培の成功を左右する重要なポイントとなります。
初心者なら育てやすい「大苗」を、経験者やベテランガーデナーはちょっと育てるのにコツがいる「裸苗」や「新苗」を、また、特定の色や花を楽しみたい方は「開花苗」を選ぶなど、それぞれの経験や目的、管理できる時間などを考慮して最適な苗を選ぶのがおすすめです。
本記事を参考に、それぞれの苗の特徴を理解し、より充実したバラ園芸を楽しんでください。
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