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2月はバラ栽培において重要な時期です。この時期に行う作業が、春に美しい花を咲かせるかどうかを左右します。
本記事では、この時期に行いたいバラのお手入れについて、詳しく解説します。
剪定・施肥・病害虫対策など、必要なポイントについてご紹介するので、ぜひ確認してみてください。
2月はバラの休眠期。葉を落とし静かにエネルギーを蓄える時期です。この時期の管理が、春からの成長と開花を大きく左右します。特に欠かせないのが
● 適切な剪定
● 施肥
● 病害虫の予防対策
● 寒さから守り、春への準備を整える
ということ。
それぞれのポイントを押さえて、適切なケアをしていきましょう。
剪定は2月の作業の中で最も重要な作業です。花芽が形成される前に、剪定を済ませましょう。地域や気候によりますが、2月の中旬までには完了させるのが理想です。
休眠中の剪定は、バラに余計な負担をかけず、樹形を整えるための最適な時期とされています。
ハイブリッドティーローズの剪定をする際は、その1〜2週間前に葉を全部むしり、完全に休眠させます。剪定は、樹高の1/2~1/3程度を残し、バッサリと。細い枝や枯れた枝を根元から取り除きます。鉛筆より細い枝は剪定し、重なり合う枝や柔らかい枝も取り除いてください。新しい芽が出やすいように、元気な枝を優先して残しましょう。
フロリバンダローズも、剪定前の1〜2週間前に葉をむしり、完全に休眠させます。株全体の高さの1/2〜1/3で切り戻し、枯れた枝や弱い枝を取り除きます。フロリバンダローズは割り箸より太い枝に花が付くので、割り箸より細い枝は剪定を。枝が多く、風通しが悪くなりやすいため、重なり合っている枝や柔らかい枝を取り除き、風通しを良くしておくことで病害虫の発生を抑えましょう。
つるバラは、主幹を残して古い枝を切り取り、新しい枝を誘引して整えます。枝が茂りすぎると日照不足になり、蕾が付きにくくなるため、枝を誘引する際は、日当たりが良くなるよう、5cm程度の間隔を空けて誘引しましょう。
2月の施肥は、春からの生育を左右します。2月中旬から下旬の時期に、有機質肥料を与えましょう。
堆肥や骨粉入りの専用肥料を選ぶと、ゆっくりと効果を発揮し、春の成長をサポートします。化成肥料を併用すると、即効性と持続性をバランスよく得ることができます。
※バラの寒肥にはバラ専用の肥料が最適。「マイローズばらの天然有機肥料」
肥料を与える際は、株元から30cmほど離れた位置に施し、土と軽く混ぜます。根に直接肥料が触れないよう、注意しましょう。また、施肥後に軽く水を与えることで、土へ浸透しやすくなります。
寒い冬の期間、病害虫は落ち葉や樹皮などに隠れて過ごしています。春になり暖かくなってくると一気に活動をはじめるため、早めの対策が欠かせません。
落ち葉や株元の掃除をして、株の通気性を確保し、休眠期の枝や幹に薬剤を散布すると効果的です。薬剤を使用する際には、天気が良く風が弱い時間帯を選び、全体にまんべんなくスプレーしましょう。
寒さから守るための対策は、地域を問わず重要です。
霜による根のダメージを防ぐため、株元にマルチングを行いましょう。堆肥やわら、腐葉土やバークチップを利用することで、保温効果を高められます。特に地面が凍ることが多い地域では、マルチングが欠かせません。
また、鉢植えのバラは、冷え込みが予想される夜に屋内や軒下に移動させるようにしてください。寒冷地では、鉢全体を断熱材で包む方法も効果的です。
まだまだ寒い2月。寒冷地と温暖地とでは、バラ栽培で押さえておきたいポイントが異なります。それぞれの地域のポイントは下記のとおりです。
寒冷地では、雪の重みで枝が折れることがあります。支柱を使って枝を固定するか、雪を早めに取り除きましょう。また、凍結防止のために、株元に厚みのあるマルチングを施すことが推奨されます。
温暖地では、気温が上がり始める2月下旬に早めに施肥や剪定を済ませることで、スムーズな成長が期待できます。早春の発芽に備えて、病害虫対策を重点的に行いましょう。
2月はバラが休眠期にあり、生育がストップしているため、根にダメージを与えにくい時期です。この時期に鉢替えを行うことで、春からの成長をスムーズに始められます。根詰まりを起こしている鉢植えは、生育不良の原因となるため、早めの対処が必要です。
植え替えの手順は下記の通りです。
1. 鉢から株を抜き取り、根を軽くほぐします。
2. 古い土を落とし、根の健康状態を確認してください。
3. 黒く変色している根や、傷んでいる根を清潔なハサミで切り取ります。
4. 新しい鉢に排水性の良い土を入れ、株を植え付けます。
5. 植え替え後は、根に直接触れないように肥料を与え、たっぷりと水を与えてください。
植え替え後は、1〜2週間程度、直射日光を避けた場所で管理し、根が環境に適応するのを待ちましょう。
大苗の植え付けも、2月が適期です。この時期に植え付けることで、根が土になじみ、春からの成長が順調になります。大苗の植え付けの手順は下記の通りです。
1. 植え付ける場所を掘り起こし、土を柔らかくします。
2. 有機質肥料を適量混ぜ、排水性を高めてください。
3. 大苗の根を広げながら、丁寧に植え付けます。
4. 土を被せた後は、しっかりと根を固定し、水をたっぷり与えてください。
植え付け後は、乾燥を防ぐために株元にマルチングを行い、適切な湿度を保ちましょう。
2月はバラの栽培において、重要な準備の月。剪定や施肥、病害虫対策や寒さ対策、そして鉢替えや大苗の植え付けなどを適切に行うことで、春の開花に大きな差が生まれます。
美しい花が咲き誇る春を楽しみに、バラのお手入れを計画的に進めていきましょう。
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