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華やかなバラを育ててみたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。バラの栽培は、ポイントを押さえればそれほど難しくはありません。一方で、バラの特徴はしっかりと把握しておく必要があります。
本記事では、バラの特徴や苗の選び方、育てる際のポイントを解説します。初心者に育てやすい品種も紹介しますので、参考にしてください。
バラは花の女王と呼ばれており、多くの種類があります。バラの栽培は難しい印象があるかもしれませんが、思ったよりも丈夫な植物で栽培は難しくありません。一度植えれば何十年も楽しめるためおすすめです。
バラには大きく分けて樹形による違いと、開花時期による違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を解説していきます。
バラは、樹形によって3つの種類があります。
つる性:枝が長く伸びるタイプで誘引が必要
木立性(こだちせい):低木のように自立するタイプ
半つる性:つる性と木立性の中間タイプ
初心者が栽培する際は、誘引作業の必要がない木立性が適しています。
バラは、開花時期によって以下の4種類があります。
● 一季咲き(いっきざき):1年に1回、春のみに開花する
● 返り咲き:春の花が咲き終わったあとに、花がら摘みをすると再び花が咲くもの
● 繰り返し咲き:返り咲き性よりもよく咲くもので、品種によっては四季咲き性に近くなる
● 四季咲き:冬以外であれば一年を通じて花が咲くが、咲き終わったあとは手入れが必要
四季咲きは長く花が咲くため楽しみやすく、初心者向きでしょう。
バラの苗には「新苗」「大苗」「鉢苗」の3種類があります。それぞれの苗の特徴と選び方を解説します。
新苗(しんなえ)とは、前年の秋から冬に接ぎ木をして半年ほど育て、春から初夏に販売される若い苗です。大苗と比べると小さめですが、値段は手頃です。
新苗を選ぶ際は、苗の下から葉が付いていて、できるだけ太く丈夫に育っているものを選びましょう。また、葉に病気がある苗は避けてください。
大苗(おおなえ)は接ぎ木をしたあとに、秋まで育ててから販売される苗です。新苗よりも半年長く育てているため、大きく育っている点が特徴です。
大苗を選ぶ際は、枝が太くどっしりしたものを選びましょう。細い枝が多いものよりも、太い枝1本のみのほうがおすすめです。また、根で選ぶ場合は、根が太く長いもので、本数が多い苗を選ぶとよいでしょう。
鉢苗は、大苗や新苗を鉢に植え替えて、ある程度育ててから販売される苗です。しばらくはそのまま育てれば良いため、初心者におすすめです。
鉢苗を選ぶ際は、枝やつぼみの多いものを選びましょう。また病気の葉が少なく、葉の色が濃い苗もおすすめです。
バラを育てる際の環境や水やり、肥料、病害虫対策など基本的なポイントを紹介します。
バラは日当たりの良い場所を好むため、日当たりを確保できる場所に植えましょう。1日4時間以上は日に当たることが目安です。
日当たりが悪い場所しかない場合は、日陰でも育てられる品種を選ぶか、鉢植えにして日当たりを確保します。
なお、日照不足から植物を守りたい場合には「X-ENERGY(エックスエナジー)」がおすすめです。環境ストレスに負けない植物を育てる5つのパワー成分を配合しており、日照不足の植物も元気に育てることができます。
風通しが悪くなると、湿度が上がりうどんこ病などの病気や、害虫が発生しやすくなるため、風通しの良い場所が適しています。ただし、風が強すぎる場所はNGです。風が強いと乾燥しやすくなるほか、自らのトゲによって傷つき、そこから病気が発生しやすくなります。
植え付けのタイミングは苗によって異なります。新苗は霜の心配がなくなる4月中旬~6月下旬が適しています。大苗は10月上旬~3月下旬のうち、暖かい時期や寒さが厳しい時期を避けて植え付けるようにしましょう。鉢苗は真夏以外ならいつでも植え付け可能です。
水やりは、土の表面が乾いたら行ないます。時間帯は朝が最適で、たっぷり与えましょう。ただし、表面が乾く前に水やりをすると乾燥に弱くなるため、水のやり過ぎには注意が必要です。
また、バラの上から水をまいたり、水がはねるようなやり方をしたりすると、病害虫の発生や葉焼けを起こしやすくなります。根もとに流し込むように水を与えてください。
バラの肥料は、基本的には花が咲き終わったあとと、冬の寒肥が必要です。また、夏剪定をしたものは剪定後に追肥をしてください。さらに、花が満開の時期に液肥を施すと花が多く咲きます。ただし、咲き始めに肥料を与えると花が奇形になるケースがあるため控えたほうがよいでしょう。
寒肥や追肥には「マイローズばらの肥料」を活用してはいかがでしょうか。温度変化に応じて肥料の溶ける量が調節されるため、植物の成長に合わせて無駄なく栄養分を与えられます。
バラによくある病気は黒星病やうどんこ病、発生しやすい害虫はハダニやアブラムシです。病害虫を防ぐには、異常が見られる部分を除去するほか、定期的な薬剤の散布が必要です。
病気を防ぐには「マイローズ殺菌スプレー」がおすすめです。黒星病やうどんこ病に優れた効果を発揮する薬剤で、予防効果だけでなく侵入した病原菌を退治する効果もあります。
害虫を防ぐには「ベニカXファインスプレー」がよいでしょう。殺虫成分が2種類含まれており、速効性と持続性を兼ね備えています。アブラムシでは約1ヵ月間効果が持続します。
バラの剪定には夏剪定と冬剪定があります。夏剪定は繰り返し咲き性や四季咲き性のバラが秋に開花するために欠かせません。冬剪定は、病気を翌年に持ち越さないために葉をすべて落とす目的で行ないます。
また、バラは「花がら摘み」も重要です。花がら摘みとは咲き終わった花を切り取ることです。咲き終わった花を放置すると、見た目が悪いだけでなく病気の原因にもなるため、こまめに切り取るようにしましょう。
バラの栽培はそれほど難しいものではありませんが、ここでは、特に育てやすい品種を紹介します。
フラワーカーペットローズは四季咲きのバラで、一年を通じてバラの花を楽しめます。乾燥に強く手入れが簡単なところがメリットです。さらに、うどんこ病や黒星病に強いため、薬剤散布が最低限ですみます。
スカーレットボニカは明るい赤色の花が咲く四季咲きのバラです。花を咲かせながら次の枝を成長させて、繰り返し花が咲きます。うどんこ病や黒星病に強く、無農薬でも育つため、手間をかけずに育てられるでしょう。
ピエール ドゥ ロンサールは白とピンクの花びらが重なり合うバラです。つる性のバラは一季咲きが多いなかで、本品種は枝を伸ばすと返り咲きをして長く花を楽しめます。病害虫に強く樹勢も強いため、初心者でも育てやすいでしょう。
バラは育てるのが難しそうなイメージがありますが、それほど難しくはありません。初心者であれば病害虫に強い品種を選ぶようにすると育てやすいでしょう。
ただし、育てるポイントはしっかり押さえる必要があります。特に病害虫が発生したときは、早めの薬剤による対処が重要です。害虫が大量発生したり、病気がまん延したりしたあとでは対処が間に合わなくなることがあるからです。病害虫に気を付けて、華やかなバラの花を楽しんでください。
バラの育て方~苗の選び方や育てる際のポイント~園芸知っトク情報のページです。
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