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知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報バラに発生しやすい病気~症状・原因・対策を紹介~

花の女王とも呼ばれるバラは、さまざまな色や大きさ、香りの花を楽しめることから、人気のある植物です。

バラの育成を長く楽しむためには、病気への対策が不可欠です。

バラに発生しやすい病気には、うどんこ病、黒星病(黒点病)、さび病、灰色かび病(ボトリチス病)、べと病、枝枯病(キャンカー)などがあります。本記事では、この6種の病気について、症状や原因、発生しやすい時期、対策方法を解説します。

目次

バラに発生しやすい病気その1~うどんこ病

うどんこ病の症状と発生原因、発生しやすい時期、対策方法について解説します。

◇症状

うどんこ病にかかると、葉や蕾などのやわらかい部分がうどん粉のように、白っぽく粉を吹いた状態になります。白い粉のように見えるものはかびの一種です。

うどんこ病になると、最初、葉が波打つように萎縮し、やがて菌糸が植物体表面で広がり白い粉をまぶしたようになり、放っておくと葉が枯れたり、生育不良となります。見つけたらすぐに対処しましょう。

◇原因

うどんこ病の原因であるかびの胞子が風で運ばれ、葉などに付着すると発症します。風通しが悪い環境や、夜間における低温(15~16度)・高湿(99%)という条件下や、昼間における高温(23~27度)・低湿(40~70%)という条件下で発症しやすくなるため、生育環境の改善が必要です。

◇発生しやすい時期

昼夜の寒暖差が大きい5~7月、9~10月に多く発生します。暑さに弱いため、真夏は発生が少なくなります。

◇対策方法

うどんこ病の病原菌は増殖速度が非常に速いため、発症したらすぐに白くなった部分を取り除いて薬剤を散布しましょう。症状が全体に広がってしまった場合は、症状の出た葉を取り除くだけでなく、込み入った枝などを整理して風通しを良くすることがおすすめです。

また、薬剤に関しては薬剤への耐性を持った病原菌が生まれないように、成分の違う薬剤をローテーションで使用することで効果的に作用します。以下におすすめの薬剤を記載しますので、確認してみましょう。

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バラに発生しやすい病気その2~黒星病(黒点病)

黒星病(黒点病)の症状と発生原因、発生しやすい時期、対策方法について解説します。

◇症状

黒星病(黒点病)は、葉に黒または淡褐色の斑点ができる病気です。斑点が広がると黄色く変色して葉が落ちるため、バラの成長が阻害されてしまいます。また、若い枝に症状が出た場合は、症状が回復しても黒いあとが残ることもあります。

◇原因

黒星病(黒点病)の原因は、前年に発生して落葉した葉が土に落ち、それが二次感染源となり、雨水や灌水の跳ね返りによって菌が下葉の裏側の気孔や葉が擦れてできた傷口などから植物体内に侵入し、感染します。

◇発生しやすい時期

黒星病(黒点病)は4~11月に発生することが多く、特に暖かく雨の多い6~8月上旬、9月下旬~10月中旬にかけて多く発生します。湿度が高い場所では、春から秋まで連続的に発生するため、株をよく観察して状態をチェックしましょう。

◇対策方法

黒星病(黒点病)は、感染してすぐには見た目が変化しないため、対処が遅れやすい病気です。斑点の発生は病気の最終段階であるため、斑点が出てからすぐに対処しなければ落葉が一気に進んでしまいます。

黒星病(黒点病)の斑点が現れたら、斑点のある葉をすべて取り除き、薬剤を散布しましょう。マルチングによって水の跳ね返りを防止したり、鉢植えの場合は雨の当たらない場所に避難させたりすることも効果的です。

また、黒星病(黒点病)もうどんこ病同様、薬剤を散布する際には、種類(作用性)の異なる殺菌剤とのローテーション散布をすることで、薬剤耐性菌の出現回避に繋がるのでおすすめです。

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バラに発生しやすい病気その3~さび病

さび病の症状と発生原因、発生しやすい時期、対策方法について解説します。

◇症状

さび病は葉にイボ状のふくらみができて、その薄皮が破れて中から錆びに似た赤褐色の粉が出る病気です。悪化すると、葉全体が粉で覆われて成長が阻害され、最終的には株全体が枯死してしまいます。

◇原因

さび病は、特定の糸状菌(かび)の胞子が繁殖することにより発生します。蒸れやすい環境では胞子の繁殖が進みやすく、また過剰な肥料も病気の発生と促進に影響します。

◇発生しやすい時期

さび病は4~11月に発生し、特に雨が多い4月上旬~6月下旬や9月下旬~11月上旬は発生する可能性が高いでしょう。原因菌は24度以上で繁殖が止まるため、高温になる夏は発生が抑えられます。

◇対策方法

症状の出ている箇所を放置すると胞子が飛散し感染が拡大するため、すぐに取り除き胞子が飛散しないよう袋などに密封して早めに処分しましょう。枝や葉が込み入っている場合には整理し風通しを改善して湿度を下げ、薬剤をまいて菌の繁殖を予防することが大切です。

また、さび病に関しては効果のある薬剤が少なく、異なる薬剤とのローテーション散布ができません。そのため、さび病が発病しないよう予防することが重要になります。なお、発病した場合には「サンケイエムダイファー水和剤」を水で薄め散布するようにしましょう。

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バラに発生しやすい病気その4~灰色かび病(ボトリチス病)

灰色かび病(ボトリチス病)の症状と発生原因、発生しやすい時期、対策方法について解説します。

◇症状

灰色かび病(ボトリチス病)に感染すると、まず花びらに赤や白の斑点が現れ、さらに進行すると灰褐色の斑点に覆われて蕾のまま腐る病気です。芽が伸びる際に侵されたり、花をとった際の切り口から侵されたりします。

◇原因

灰色かび病(ボトリチス病)は原因菌であるボトリチス菌の繁殖により発生します。湿度が高く、風通しの悪い環境で発生しやすく、またアザミウマの食害により菌が侵入することも原因の一つです。

◇発生しやすい時期

低温多湿な春~梅雨、秋~冬の初め頃に発生が多くなり、真夏には発生が少なくなります。発生を抑えるためには、徹底した湿度管理が必要です。

◇対策方法

灰色かび病(ボトリチス病)の症状が出たら、症状の出ている部分(蕾や花びら)を取り除き薬剤を散布しましょう。アザミウマの食害があれば、アザミウマへの対策も必要です。風通しを良くし、湿度が上がらないよう注意しましょう。

なお、灰色かび病(ボトリチス病)にも成分の違う薬剤をローテーション散布することで効果を維持することができるので、以下の商品を定期的に使い分けるようにしましょう。

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バラに発生しやすい病気その5~べと病

べと病の症状と発生原因、発生しやすい時期、対策方法について解説します。

◇症状

べと病は若い葉に淡褐色や淡黄色の斑点、日焼けしたようなシミが広がるほか、葉裏にかびの菌糸が現れて葉が落ちる病気です。茎にも発生することがあり、症状がひどい場合はバラ全体が枯れることもあります。

◇原因

べと病は、土の中に潜む病原菌が水の跳ね返りとともに葉に付着することによって発生します。風通しが悪く湿度が高い環境で起きやすい病気で、葉に付着したあとは空気感染によって広範囲に感染させます。

◇発生しやすい時期

4月下旬~11月上旬に発生し、特に梅雨(5月下旬~7月上旬)や秋の長雨(9月下旬~10月)の時期に増えることが特徴です。寒暖差が激しい時期や夜間の湿度が高い時期に発生しやすいため、発生しやすい時期にはよく株を観察しましょう。

◇対策方法

べと病が発生したら、症状の出ている部分を取り除き、薬剤を散布します。水やりの際は株もとだけに行ない、乾燥気味に育てることも重要です。

なお、べと病は「サンケイエムダイファー水和剤」のようなダイセン系の薬剤しか効果がなく、基本的にローテーション使用することができません。そのため、発病しないように予防することが重要になります。

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バラに発生しやすい病気その6~枝枯病(キャンカー)

枝枯病(キャンカー)の症状と発生原因、発生しやすい時期、対策方法について解説します。

◇症状

枯枝病(キャンカー)は、枝に紫褐色の斑点が出てカサカサになり、症状が出た部分より先の枝葉が枯れる病気です。年数の経ったバラに発生しやすいという特徴があります。

◇原因

剪定などでの切り口や傷んだ枝から、雨水や昆虫を介して病原菌が侵入し枯枝病(キャンカー)に感染します。日当たりが悪く湿気の多い環境で発生しやすいため、茂りすぎた枝などは定期的に剪定し、株もとまで光が入るようにしておくことが大切です。

◇発生しやすい時期

枯枝病(キャンカー)は通年で発生しますが、特に7~9月に発生しやすい病気です。

◇対策方法

症状が出ている枝を切り取り、切り口には薬剤を塗布しましょう。混み合った枝を整理して、風通しと日当たりを改善させます。剪定する際には剪定ばさみを忘れずに消毒しましょう。

また、枝枯病が発生したら病変を切除しなければならないため、発病しない生育環境を整えることが重要になります。

まとめ

うどんこ病、黒星病(黒点病)、さび病、灰色かび病(ボトリチス病)、べと病、枝枯病(キャンカー)など、バラを育てるうえで注意すべき病気は数多くあります。

日当たりや風通しを良くするなど、生育環境を見直して、病気の発生を予防することが大事です。また、病気が発生した場合は速やかに対処し、感染が広がることを防ぎましょう。

バラに発生しやすい病気~症状・原因・対策を紹介~園芸知っトク情報のページです。
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