目次
春に咲くイメージの強いバラですが、秋にも美しい花を咲かせる「秋バラ」は、鮮やかな色合いと豊かな香りが魅力です。秋バラを上手に育てるためには、季節に応じた管理が欠かせません。
この記事では、秋バラの特徴や育て方の基本から、日々のお手入れのコツ、台風や害虫への対策まで、詳しく解説します。
まずは、秋バラの概要や特徴について見ていきましょう。
バラには、おもに、年に一度だけ春に咲く「一季咲き」と、条件がそろえば繰り返し咲く「四季咲き」があります。
秋バラとは、四季咲きや、春から秋にかけ不定期に咲く「返り咲き」のバラのことです。
秋バラには、春に花開くバラとは異なる特徴があります。まず、夏の時期に十分な水分量を蓄えることが難しいため、秋に咲く花は色がより鮮やかで濃くなり、香りも強くなる傾向です。また、花の大きさはやや小ぶりですが、春に比べて花形が乱れにくいのも特徴です。
さらに、気温が下がる秋は花のもちが良くなり、長く楽しめる点も魅力として挙げられます。見頃は10~11月です。
自宅で育てやすい秋バラの品種には、次のようなものがあります。
ローズうらら:花付きが良く、繰り返し咲く
オドゥールダムール:扱いやすく香りが強い
レヨンドゥソレイユ:耐病性、耐寒性に優れ初心者でも育てやすい
ほかにも、花付きと花もちがともに良いアイスバーグや、株が小さめで花壇や鉢植えでの生育に向いているボレロ、世界バラ会議で殿堂入り第1号に選ばれたピースなどが人気です。
秋バラを育てるには、栽培環境を整えることが大切です。ここでは日当たりや土づくり、鉢選び、植え付け方法など、最初に押さえておきたいポイントをご紹介します。
バラは日当たりの良い場所を好む植物です。1日に6時間以上日が当たる場所を選びましょう。風通しの良さも重要で、湿気がこもらないよう注意することで病気の予防につながります。ただし、風が強すぎる場所では乾燥しやすくなるため、適度な風通しがある場所を選ぶようにしましょう。
バラは水はけの良い土壌を好みます。
鉢植えでの栽培には、小粒の赤玉土7割と堆肥または腐葉土3割を混ぜた土が適しています。初心者には、堆肥などがあらかじめバランス良く混ぜられた、市販のバラ専用土の使用もおすすめです。
「マイローズばらの培養土」は、赤玉土や粒状土、良質な堆肥をバランス良く含んだ、バラ栽培専用の土です。土壌環境を整え、バラがしっかりと根を張ることをサポートします。
バラは根が縦に伸びる性質があるため、深さのある縦長や四角い形の鉢が適しています。鉢の素材は陶器だけでなくプラスチックでも問題ありませんが、通気性の良さにこだわって選ぶことがポイントです。
サイズは、秋の大苗の場合は8~10号鉢が目安です。
バラの植え付けや植え替えの時期は苗の種類によって異なります。冬に接木をし、秋まで畑で育てた大苗(秋バラ)は11~2月頃の根の休眠期に植え付けます。なお、新苗(春のバラ)は4月から6月、鉢苗(大苗を植え替えたもの)は花が咲き終わったあとが適期です。
植え付けの際は、鉢底に底が隠れるくらい鉢底石を敷き、その上から苗の根が届かない程度まで土を入れます。元肥が含まれていない土を使用する場合は元肥を入れ、病害虫対策として殺虫殺菌剤を施しましょう。土にばらまくタイプの殺虫殺菌剤が適しています。
バラの苗を植え付ける前には表土を軽く落として雑草の種などを取り除き、接ぎ口のテープも忘れずにはがします。その後、鉢の中央に苗を置き、隙間ができないよう丁寧に土を詰めて完成です。このとき、土の表面をバークチップなどでマルチングすることで病気の予防につながります。バラの苗を植え終えたら、水やりを十分に行ないましょう。
元肥や追肥に適している「マイローズばらの肥料」は有機緩効性肥料で、まくだけで土壌を改良でき、3ヵ月効果が持続します。
また、粒タイプの殺虫殺菌粒剤「ベニカXガード粒剤」は、害虫被害からバラを守るだけでなく、病気への抵抗力を高める特徴があるため、病害虫対策に最適です。
秋バラを元気に育て、美しい花を咲かせるためには、適切な肥料管理や剪定、水やりのタイミングが重要です。
秋バラは開花期に特に多くの栄養を必要とします。肥料が不足すると、花芽の形成不良や、花のサイズが小さくなる原因になるため、週に1回の液体肥料の使用が効果的とされています。
さらに、11月下旬を目安にカリ成分を多く含む肥料を追加で与えると、よりしっかりとした花を咲かせられるでしょう。
開花期の肥料には「マイローズばらの液体肥料」の使用をおすすめします。週1回の使用で土壌が改善されて根張りが良くなり、効率的に栄養を吸収できるようになります。
夏の暑さで弱った株には、適切な剪定が必要です。最初の花が咲き終わったあとに咲きがらを切ることで、次の花が咲きやすくなります。
また、9月頃になると朝晩の冷えで土のなかの温度も低下し、根の成長が活発になります。伸びすぎた枝や葉が茂りすぎた部分も整えておきましょう。
暑さ対策として剪定を行なう際には活力剤の併用も効果的です。「マイローズばらの活力液DX」は猛暑や豪雨などの環境変化で弱ったバラの樹勢回復を促し、丈夫に育つサポートをします。
暑さが残る8月や9月は、しっかりと水やりを行なう必要があります。特に、剪定後に出てくる新芽には多くの水分が必要です。
水やりのタイミングは、朝または夕方以降が適しています。日中の高温時に水を与えると土の温度が上がり、根腐れを招く可能性があるためです。
一方で、10月以降は台風や秋雨による多湿が懸念されるため、水やりの頻度は減ります。水やりのタイミングは、土の表面がしっかり乾いてからで問題ありません。
秋バラを健康に育てるためには、自然環境によるダメージや害虫の被害を未然に防ぐことが大切です。注意点として、台風対策と害虫対策をご紹介します。
台風の強風や豪雨で、バラの株が傷んだり倒れたりしてしまうことがあります。鉢植えの場合は、屋内に取り込むか、風が当たらない軒下などに移動させましょう。
そのほか、風が直接当たらない場所に鉢を集め、枝をまとめて紐で固定したり、鉢ごと倒して置いたりする対策も一案です。
地植えのバラには、太めの支柱に幹を結び付ける、防風ネットを張るなどの対策が効果的です。
台風が過ぎたあとは、速やかにネットや紐を外し、強風により運ばれた海の塩分を真水で丁寧に洗い流しましょう。その際は薬剤が流れてしまうため、必要に応じて再度散布します。
花がらや折れた枝、落ちた葉は病気や害虫の温床になりやすいため、こまめな掃除が大切です。
9月頃からは、バラを食害するカミキリムシやコガネムシが発生しやすくなります。多湿による黒点病(黒星病)やうどんこ病にも注意が必要です。
病気や害虫によるバラへの被害を防ぐには、花が咲く前に薬剤を散布しておくことが大切です。発生してしまった場合も速やかに適切な薬剤で対応し、被害の拡大を防ぎましょう。
カミキリムシの幼虫対策には「園芸用キンチョールE」がおすすめです。3方向噴射で樹幹に食入する幼虫を効果的に退治します。コガネムシの幼虫対策には「オルトランDX粒剤」が適しています。土にばらまくだけで、葉に付く害虫と土のなかの害虫を同時に防除できる点が特徴です。
成虫対策や黒星病やうどんこ病対策など幅広い用途に活用できる薬剤が、「ベニカXファインスプレー」です。速効性と持続性の両方に優れている特徴があります。
また、黒星病、うどんこ病の対策には、「マイローズ殺菌スプレー」の使用も適しています。バラの黒星病やうどんこ病予防に特化しており、病原菌の侵入や増殖防止に有効です。
秋バラは、濃く鮮やかな色味や強い香りなど、春バラとは異なる魅力が楽しめます。元気な秋バラを育てるには、日当たりや通気性の良い環境づくり、適切な用土や鉢選び、丁寧な植え付け作業が大切です。
剪定や水やりのタイミングも開花を左右する大事な要素です。特に開花期にはしっかりと肥料と水を与えましょう。台風対策や病害虫予防にも注意し、秋ならではのガーデニングを存分に楽しんでください。
バラの育て方~栽培のコツや注意点を解説~園芸知っトク情報のページです。
KINCHO園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。
商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。
2025年7月1日をもちまして住友化学園芸株式会社は「KINCHO園芸株式会社」へ社名変更しました。一部、旧社名商品(画像・動画・音声)および旧社名での情報表記がございますが、順次変更してまいります。