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知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報【基本を押さえれば安心】バラの挿し木の方法やコツなどを解説

上品さと華やかさを兼ね備えているバラは、初心者から上級者まで広く愛されている植物です。バラの魅力をより楽しみたいなら、挿し木で増やすことにチャレンジしてみるのがおすすめです。

ただし、挿し木は初心者でも取り組みやすい一方、コツを押さえないと枯れてしまうこともあります。なお、登録品種の植物を譲渡や販売、海外への持ち出しの目的で許諾なく増やすことは、種苗法によって規制されていますので注意が必要ですが、種苗法を守りながら挿し木のポイントを知り、上手に増やし楽しみましょう。

本記事では、バラの挿し木の方法をよくある失敗や対策と併せて解説します。

バラの挿し木に適した時期

バラの挿し木は、5月下旬~7月頃にするのがおすすめです。梅雨時期で湿度が高い時期は、挿し穂が乾燥しにくく発根しやすいというメリットがあります。また、秋バラであれば10月でも挿し木をすることは可能です。今年伸びた若い枝を切って挿し木にすることを「緑枝挿し」と呼びます。

なお、冬の剪定で切った枝を12月~1月頃までに挿す「休眠挿し」という方法もありますが、成長が遅いため初心者にはおすすめできません。初めてバラの挿し木に挑戦するのであれば、緑枝挿しを試してみましょう。

バラの挿し木に必要な物

バラの挿し木には以下の物が必要です。挿し木の時期に合わせて、準備しておきましょう。

●バラの枝
●挿し木用土
●育苗ポットや小さな鉢
●発根促進剤
●カッターナイフまたは剪定ばさみ

また、挿し木から約2ヵ月後、新芽が葉の枝元から出てきた頃に植え替え(鉢上げ)をする必要があります。植え替えをする際は、鉢と用土が必要になります。

なお、用土を用意する際におすすめなのが「マイローズ ばらの培養土」です。株をしっかりと支える赤玉土・粒状土をベースに良質な熟成馬ふん堆肥、腐葉土などの厳選素材をバランスよくブレンドし、根張りを良くする効果が期待できますので、ぜひご活用してください。

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バラの挿し木の手順

緑枝挿しでのバラの挿し木の手順を、挿し穂作りから順にみていきましょう。

1.挿し穂を作る
2.用土を用意する
3.挿し穂を水あげする
4.用土に挿す

◇1.挿し穂を作る

初めに、その年に伸びた新梢から挿し穂を作ります。

花をカットした茎を、3~4節くらいの長さ(10cm)程度に切り分けます。発育の良い苗を作るためにも、5枚葉が2つ以上付いており、太さが5mm以上の枝を選びましょう。

枝の切り口は面積が広くなるよう斜めにそぎ落とすと、水分の吸水率や発根率が高まります。

葉は2ヵ所残し、1ヵ所につき2~4枚になるよう整えます。葉が多いと蒸散して枯れやすくなるため、葉を適度に減らして大きな葉は半分にカットしておきましょう。

挿し木に失敗してもカバーできるよう、多めに挿し穂を作っておくのがおすすめです。

◇2.用土を用意する

続いて、育苗ポットやプランターに用土を入れます。用土は、種まき・挿し木用土として販売されている物を選択しましょう。

植物の種類によっても最適な用土は異なります。バラの栽培には「マイローズ ばらの培養土」がおすすめです。根張りを良くするこだわりの配合で、バラの株全体の健全な生育を促し、良い挿し穂が取れるもととなります

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また、自分で用土を作る場合は、パーライト7:ピートモス3の割合で配合するのがおすすめです。粒同士の間隔が広く、根の伸長を妨げないような用土にしましょう。

◇3.挿し穂を水あげする

用土に挿す前に、水を入れたコップや花瓶に挿し穂を浸け、水をたっぷりと吸わせておきましょう。

挿し穂の発根力を高めたいなら「マイローズばらの活力液DX」の使用がおすすめです。、酵母抽出物の働きで発根力を高めます。

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◇4.用土に挿す

用土をたっぷりの水で湿らせたら、枝が倒れないように5cmほどの深さまで植え穴を開けます。切り口に発根促進剤を付け、挿し穂の半分が埋まるのを目安に用土に挿しましょう。

同じポットにいくつか挿し木をする場合は、5cmほど間隔を空けます。

挿し木の活着を良くしたいなら、挿し木の発根を促進させる植物成長調整剤「ルートン」の使用がおすすめです。

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また、先述の「マイローズばらの活力液DX」は挿し木後も継続して与えることで、健全な生育をサポートできます。使用方法をよく確認したうえで使いましょう。

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挿し木後の管理方法

挿し木後は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理し、乾燥させないよう水をこまめにあげます。バラの栽培適温は20〜30度のため暖かい室内で管理しましょう。

発根には2週間程度、新芽が伸びるのには2~3週間程度かかります。

新芽が出たら植え替えよう(鉢上げ)

発根し、新芽が出てから1ヵ月経過したら鉢に植え替えます。発根したばかりの根はやわらかく傷付きやすいため、取り扱いに注意しましょう。なお、バラの品種によって合う用土は異なるため、様子をみながら用土の種類を変えてみるのもおすすめです。

また、苗への負担を軽減させるため、植え替えてすぐに出てきた蕾は摘み取ります。地植えしたい場合は、鉢上げから2~3年後に行なうとよいでしょう。

バラの挿し木でよくある失敗と原因

バラの挿し木をする際にありがちな失敗を2つ紹介します。失敗の原因を知って対策しておきましょう。

挿し木の葉が枯れてしまう

葉が枯れてしまうときは、以下のような原因が考えられます。

●よく切れないハサミで挿し穂の茎をつぶしてしまう
●水分が足りていない
●カットした部分から菌が侵入した
●置き場が悪かった

挿し穂を作る際は、挿し穂の茎をつぶさないよう、清潔で切れ味の良いカッターやハサミを使うことが大切です。また、発根を促すためにも用土が乾かないよう、こまめに水やりしましょう。

挿し木から根が出ない

挿し木から発根しないときは、以下のような原因が考えられます。

●挿し穂の切る部位が良くなかった
●用土への挿し方が浅い
●置き場が悪い
●挿し木の季節が悪い
●挿し穂を動かしすぎた

挿し木からなかなか根が出ない場合は、原因を考えて再度挿し木に挑戦してみましょう。

バラの挿し木に関するよくある質問

最後に、バラの挿し木についてよく寄せられる質問を2つ紹介します。

◇Q.挿し木は水耕栽培でもできる?

バラの挿し木は水耕栽培でも可能ですが、水耕栽培は根腐れを起こしやすく、エアポンプなどを使用して育てるため上級者向けです。

水耕栽培をする場合は、緑枝挿しの時期に行なうとよいでしょう。用土に挿す場合と同様に挿し穂を作ったら、挿し穂の切り口をスポンジで包み、水を入れた容器に浸け、水をしっかり吸わせて発根させます。水切れしないよう、こまめに水やりをすることが大切です。

◇Q.茎だけでも挿し木はできる?

葉がなくても挿し木はできるため、茎だけしか取れなかったときにチャレンジしてみるのもよいでしょう。ただし、光合成によって発根に必要なエネルギーを作るため、葉はあるほうが成功率は上がります。

まとめ

バラの挿し木の成功率を高めるためにも、挿し穂の太さや葉の枚数などに注意しましょう。挿し木をしたあとは丁寧に水やりし、新芽の伸びや発根が確認できてから1ヵ月後に鉢上げします。

鉢上げ後は、状況に応じて施肥・害虫対策を行ないます。バラの様子をよく観察しながら育てていきましょう。

バラの挿し木は、ポイントを押さえれば初心者でも挑戦しやすいため、本記事を参考にしてぜひ挑戦してみてください。

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