知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報パンジーとビオラはどう違う？初心者でも楽しめる育て方とコツ

パンジーとビオラは、おもに冬から春にかけて花壇やプランターを彩る代表的な花です。園芸店やホームセンターに行くと必ずといっていいほど目にする花ですが、「パンジーとビオラは何が違うの？」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、パンジーとビオラの違いと魅力を踏まえつつ、基本的な育て方や季節ごとの管理方法、トラブル対策まで詳しく解説します。

パンジーとビオラの違いとは？

パンジーとビオラは、どちらもスミレ科スミレ属に分類されるヨーロッパ原産の園芸植物です。ルーツをたどると、ヨーロッパ各地に自生する「ビオラ・トリコロール」という原種に行き着くので、学術的には同じ品種です。

実際、パンジーとビオラは見ためや育て方がよく似ています。ただし、花の大きさに明確な違いを見いだせます。

パンジーは直径5～10㎝程度と大きな花を咲かせるので、見ためから存在感があります。一方、ビオラは2～4㎝程度の小さな花をたくさん咲かせることが特徴です。

また、耐寒性や開花期間にも違いがあります。パンジーよりビオラのほうが寒さに強く、花を咲かせる期間もやや長めです。

ただ、近年は品種改良が進んでおり、両者の境界があいまいになりつつあるのが実情です。

パンジーとビオラの魅力

パンジーとビオラの魅力の一つに、開花期間の長さがあります。一般的に10月頃から開花し、翌年5月頃まで咲き続けるので、秋に植えると春まで長く楽しめます。

また、どちらも耐寒性が高く、雪や霜に耐えて咲き続ける点も魅力です。冬の時期は庭の花が少なくなりがちですが、あらかじめパンジーとビオラを植えておけば、庭を鮮やかに彩ってくれるでしょう。

また、カラーバリエーションの豊富さも魅力です。単色はもちろん、複色やグラデーション、模様の入ったものまで多様な品種がそろっています。

さらに、パンジーとビオラは初心者でも育てやすい点も見逃せません。特別な管理は不要であり、日当たりの良い場所に植えて適切に水やりを行なえばしっかり花を咲かせてくれるので、園芸を始める第一歩にも適しています。

パンジーとビオラの基本的な育て方

パンジーとビオラは園芸初心者にもおすすめできる花ですが、基本的な育て方は押さえておく必要があります。ここでは育てる場所や苗の選び方、植え付けのタイミング、水やりの方法などについて解説するので、ぜひご確認ください。

◇育てる場所と土の条件

パンジーとビオラは日当たり良好で、水はけが良い環境を好む花です。日光がよく当たる場所に植えると株が丈夫に育ち、花数も増えます。

土はホームセンターなどで購入できる市販の花用培養土で十分です。また、赤玉土や腐葉土を混ぜて自作するのも一案です。また、鉢やプランターに植える場合は、底に鉢底石を敷くなどして、水はけ対策をしておきましょう。

◇良い苗を選ぶコツ

パンジーとビオラは苗から育てるケースが一般的であり、初心者にも適しています。元気に育てるためには、最初に選ぶ苗の品質がとても大切です。

パンジー・ビオラの苗を選ぶ際は、以下の4点をチェックしましょう。

●    株もとがしっかりしているか
株もとがグラグラしていない、茎がヒョロヒョロと伸びていない苗がおすすめです。株もとに問題がなければ、上部の茎が少し折れていても、新しい葉が再生します。
●    葉の色が濃く厚みがあるか
健康な状態の苗は、葉が濃い緑色で生命力にあふれています。葉が黄ばんでいる苗は日照不足や栄養不足の可能性が高く、花付きが悪くなる可能性があります。
●    花芽やつぼみの数
咲いている花の数よりも、つぼみの数に注目しましょう。つぼみが多い苗はこれから次々と花を咲かせてくれるため、より長く楽しめます。
●    病害虫が付いていないか
苗を選ぶときは葉の裏側までしっかりとチェックしましょう。アブラムシなどの病害虫が付いている苗は生育が悪くなるので、事前に確認しておくと安心です。

◇植え付けのタイミングと植える間隔

パンジー・ビオラと生育適温は10～15度程度なので、植え付けに適したタイミングは秋（10～11月）です。秋に植えると、冬の間に根をしっかり張り、春には株が充実します。

鉢やプランターに植える場合は、苗同士の間隔を15～20㎝ほど開けましょう。こうすることで風通しが良くなり、病気を防止できます。なお、パンジー・ビオラを植え付ける際は、KINCHO園芸のバイオスティミュラント活力液「X-ENERGY（エックスエナジー）」がおすすめです。ビール酵母抽出物などのパワーで根張りを促進し、冬の寒さや植え付けストレスに負けない、元気で丈夫な株に育てます。美しい花を長く楽しめます。

また、植え付けのタイミングで「マイガーデン元肥用」を土に混ぜ込むか、あるいは地面にばらまけば、植物が肥料を吸収しやすくなります。さらに、土壌の保水性や通気性が向上するため、きれいな花を咲かせることが可能です。

◇正しい水やり

パンジー・ビオラの水やりは、日が高くなる前（午前中）に行ないましょう。基本的に土の表面が乾いていたら、たっぷりと水をあげます。

どちらも乾燥に弱いため水切れは厳禁ですが、一方で過湿は根腐れを引き起こす原因となりかねません。冬は水分量を控えめに、春は多めにと季節に合わせて調整すれば、元気に育ちやすくなります。

鉢やプランターで栽培する場合、乾燥が早い点に注意しましょう。

◇栄養管理のポイント

パンジー・ビオラを植え付ける際は、緩効性肥料を土に混ぜ込みましょう。その後、2週間に1回のペースで液体肥料を与えることで、花付きが良くなります。

肥料が不足していると花が小さくなったり、花数が減ったりするため、開花期には追肥を忘れないことが大切です。

パンジー・ビオラの花をきれいに咲かせたい方には「X-ENERGY（エックスエナジー）」がおすすめです。元気で丈夫な植物を育てるビール酵母抽出物、酢酸カルシウム、アミノ酸、マルチミネラル、ビタミンB群の5つのパワー成分が含まれており、不足しやすいカルシウムなどの各種ミネラルを補給し、生理障害を予防します。土の微生物が多様化・活性化するため、土質改善にも効果的です。

◇長く楽しむためのポイント

パンジー・ビオラは、花がら摘みをきちんとしておくと、次々と花を咲かせることも魅力です。花がら摘みをする際は、咲き終わった花茎を根もとから手でひねり、ポキッと折るようにして摘み取ります。茎の途中ではなく、根本まできちんと手で摘み取ることが大切です。

また、花がらとつぼみをしっかり見分けつつ、花がらのみを取り除くように意識しましょう。花がら摘みは水やりのあと、パンジーとビオラが元気なうちに行なうのがベストです。

パンジーとビオラを育てるうえでよくあるトラブル

パンジーとビオラを元気に育てたいなら、よくあるトラブルと対策を知っておくことが大切です。ここでは、パンジーとビオラを育てるうえで気を付けたい害虫被害と病気について、対策と併せて解説します。

◇パンジーとビオラへの害虫被害

春頃になると、アブラムシやナメクジといった害虫が出現しやすくなります。特にパンジー・ビオラの新芽やつぼみに群がるアブラムシは生育を阻害して花が咲きにくくなる原因となるため、注意が必要です。またナメクジが発生すると、葉を食べられる恐れがあります。

したがってアブラムシやナメクジは見つけ次第、取り除くか、あるいは薬剤で早めに対処しましょう。

アブラムシ対策には「ベニカXネクストスプレー」が、ナメクジ対策には「ナメトックススプレー」が有効です。それぞれ害虫を退治する効果的な成分を配合しているので、パンジー・ビオラを害虫被害から保護できます。

◇パンジーとビオラがかかる病気

パンジー・ビオラがかかりやすい代表的な病気は、根腐病やうどんこ病です。根腐病にかかると根や葉が変色・腐食し、うどんこ病に感染すると葉に白いカビが発生して周囲に広がります。

根腐病やうどんこ病の発症を未然に防ぐには、水はけの良い土づくりと風通しを意識しましょう。また、万が一発症した場合は、ほかの花に被害がおよばないように病気の部分を早めに取り除くようにしましょう。

まとめ

パンジーとビオラは花の大きさや開花期間に違いがありますが、どちらも魅力的で美しく、基本的な育て方は共通しています。日当たり・植え付け時期・水やり・花がら摘みといった基本を忠実に守れば、初心者でも長く花を楽しめるでしょう。

また、パンジー・ビオラは寒さに強く、花が少なくなる冬の時期に咲いてくれる点も魅力です。オールシーズンで花を楽しみたい方は、ぜひ栽培してみてください。