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知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報宿根草の植え付けはいつがベスト?初心者でも失敗しないコツを解説

庭やベランダを美しく彩る植物として、多くのガーデナーに愛されているのが「宿根草(しゅっこんそう/しゅくこんそう)」です。一度植えると毎年花を咲かせるため、季節ごとに植え替える手間がかからず、安定した景観を楽しめるのが大きな魅力です。

しかし、宿根草は植え付けの時期や方法を誤ると、根が十分に張らずに枯れてしまうことがあります。特に初めて育てる場合は、苗の選び方や土づくり、植え付け後の管理といった基本を押さえ、適切なタイミングと正しい手順で植えることが大切です。

この記事では、宿根草の植え付けに最適な時期や準備のポイント、初心者でも失敗しないコツをわかりやすく解説します。これから宿根草を育ててみたい方や、植え付けでうまくいかなかった経験のある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

宿根草とは?

草花には、一度花を咲かせると枯れる「一年草」と、一度植えれば何年も生育を続け、毎年決まった時期に開花を繰り返す「多年草」があります。その多年草のうち、冬の寒さで地上部が枯れても地下部が生き残り、翌年また芽吹いて花を咲かせる植物を「宿根草」と呼びます。

宿根草は毎年安定して花を咲かせる性質を持つため、庭づくりにおいて欠かせない存在です。植え替えの手間が少なく、年々株が充実していくため、長期的な景観づくりにも向いています。

代表的な宿根草には、クレマチス、クリスマスローズ、スズラン、ラナンキュラス、マーガレット、シャクヤクなどがあります。これらは花色や草丈、開花時期がそれぞれ異なり、組み合わせ次第で1年を通して多彩な花を楽しむことも可能です。また、宿根草のなかには球根植物も含まれており、育てやすく管理も比較的簡単なチューリップなどは園芸初心者にもおすすめです。

なお、宿根草の品種によって花期や株の大きさが異なるため、植える場所や時期を考慮して育てる必要があります。スズランなど毒性を持つ品種もあることから、子どもやペットがいる家庭では植える場所の管理にも注意が必要です。

宿根草の植え付けに適した時期

宿根草の植え付けに最適な時期は、春と秋の年2回とされています。どちらの季節にもメリットと注意点があるため、品種や地域の気候に応じたベストタイミングを見極めることが大切です。

春に植える場合は、気温が安定し始める3~5月頃が目安です。この時期に植えると苗はすぐに成長を始め、なかには初夏に花を楽しめる品種もあります。ただし、夏の高温期までに根が十分に張っていないと夏越しが難しくなることがあるため、植え付け後には適切な遮光対策や水やりの管理が欠かせません。

一方、秋に植える場合は9~11月が適期とされています。この時期に植え付けると、冬の寒さで根が傷むリスクが少なく、地中でしっかりと根を張るため、翌春には株が大きく育ちやすくなります。特に、ジギタリスなど冬越しに強い品種は秋植えのほうが安定して成長しやすく、初心者にも扱いやすいタイミングといえるでしょう。

宿根草の植え付け準備

宿根草を長く楽しむためには、植え付け前の準備が非常に重要です。土づくりや苗選びを丁寧に行なうことで、植え付け後の活着率が高まり、丈夫な株に育てられます。

土づくりや苗選びのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。

◇土づくりと場所選び

宿根草は一般的に、水はけと通気性の良い土壌を好みます。粘土質の土では根腐れのリスクが高いため、赤玉土・腐葉土・堆肥などを混ぜて土壌改良を行なうのがおすすめです。

また、多くの宿根草は日光を好むので、日当たりの良い場所を選ぶことも大切です。ただし、品種によっては半日陰を好むものもあるため、植える場所は品種ごとの特性に応じて選ぶ必要があります。

◇苗の用意

苗選びは、宿根草の生育を左右する重要なステップです。以下のポイントを押さえて選ぶことで、植え付け後の失敗を防げるでしょう。

・株の形が締まっているか:徒長苗(ひょろ長く伸びすぎた苗)は避け、株もとがしっかりしているものを選びましょう。

・葉の色と厚み:葉の厚みがあり、濃い緑色をしている植物は健康な状態にあることを示します。葉が黄ばんでいる、薄い苗は栄養が不足していたり、弱っていたりする可能性があるため、避けたほうが無難です。

・根の状態:ポットの底から白い根が見える苗は、健康な証拠です。一方で、黒く変色している場合は根腐れを起こしている可能性があるため注意しましょう。

・花芽やつぼみの有無:植え付け後に長く楽しみたい場合は、花が咲きすぎていない苗や、つぼみが複数ある苗を選ぶとよいでしょう。

・病害虫の有無:葉裏・茎にアブラムシや斑点がないかを確認することも重要です。アブラムシが発生すると、モザイク病やすす病などを引き起こす原因となります。また、葉に現れる褐色や黒色の斑点は、カビや細菌、病害虫などによる被害を受けていることを示すため、避けたほうがよいでしょう。

宿根草の植え付け方法

宿根草を植え付ける際は、苗を傷めず、根を土にしっかりと定着させることが重要です。そのための準備と手順を以下で詳しく解説します。

◇植え付け前の準備

植え付ける1~2時間前に苗ポットの土が乾いていたら、たっぷりと水を与えておきましょう。こうすることで宿根草の根と土が馴染みやすくなり、活着がスムーズになります。 

植え穴は、苗の根鉢よりもひと回り大きめに掘るのがポイントです。植え付け後の苗の根が自然に広がるよう、掘った土はしっかりとほぐしておきましょう。水はけが悪い場合は堆肥や腐葉土、軽石などを混ぜて土壌改良を行なうと、より宿根草の根が深く張りやすくなります。

また、土の保水性や通気性を高めるべく、「腐植酸や植物性有機質を含む土壌改良効果が期待できる「マイガーデン粒状肥料」を植え付け前に元肥として土に混ぜ込むことで、土に活力を与え、根張りをよくします。

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◇植え付けの手順

苗をポットから取り出す際は、根鉢を崩さないよう丁寧に扱うことが大切です。ただし、根が絡んで固まっている場合は、根鉢全体を手で軽くほぐしてから植え付けるとよいでしょう。

植え穴に苗を置いたら、株もとの地際が土に埋まりすぎないように高さを調整します。そして、周囲の土を戻して軽く押さえ、根が自然と土に馴染むように整えましょう。このとき、苗と苗の間隔は30~50cmほど空けることで、株が大きく成長した際の風通しを確保でき、病害虫の発生を防ぎやすくなります。

害虫対策としては、「オルトランDX粒剤」などの薬剤の活用が有効です。薬剤を株もとにまくと、アブラムシなどが付いている苗を購入してしまった場合でも蔓延を防ぐことが可能です。

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◇植え付けの後の管理

植え付け直後は、苗が環境に慣れるまでの重要な期間です。強い直射日光や風から苗を守り、根がしっかり張るまでの約2週間は 「X-ENERGY」を水2ℓ当り2㎖の1000倍に薄めたものを与えることで、活着を促します。2週間が経過した後は「X-ENERGY」を水2ℓ当り20㎖の100倍に薄めたものを与えます。そうすることで、植え付け後の苗を元気に育てることができます。

寒冷地で栽培する場合や冬越しが心配な場合は、株もとにバークチップやわらなどのマルチングを施すと効果的です。これによって土の水分が安定し、寒さや乾燥から苗を守るだけでなく、雑草の発生も抑えられます。マルチングは見ための美しさにもつながるため、庭の景観づくりにも役立つでしょう。

宿根草の耐寒性を高めたい場合は「X-ENERGY」を水2ℓ当り20㎖の100倍に薄め週に1回たっぷりと与えるのがおすすめです。定期的に与えることで寒さや乾燥などの環境ストレスに負けない丈夫な植物に育てられます。→1000倍は植え付け時の話だと思うので、削除→100倍にすればママOkです。

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まとめ

宿根草は、植え付け時期や土づくり、苗選びのポイントさえ押さえれば、毎年花を楽しめる植物です。春と秋の適期に植え、土壌づくりや水管理、病害虫対策を適切に行なうことで、丈夫で長持ちする株に育てられるでしょう。

庭づくりの第一歩として、ぜひ宿根草の植え付けにチャレンジしてみてください。

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