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知っておきたい園芸情報 - 園芸コラム観葉植物につく小さい虫とは?虫の発生原因や駆除方法を解説!

近年、お部屋のインテリアとして室内に観葉植物を取り入れる方が増えています。観葉植物を置くとお部屋がおしゃれに見えるだけでなく、癒し効果も得られます。また、手軽に取り入れられる点も人気の理由です。

しかし、観葉植物には虫がつきやすいのが難点といえます。虫はサイズが小さいものが多いですが、見つけたら早急に駆除することが大切です。

そこで本記事では、観葉植物につく虫の種類や原因、駆除方法などを紹介します。

目次

観葉植物につく7種類の虫

本章では、観葉植物につく代表的な虫を7種類紹介します。それぞれの虫の特徴や観葉植物に与える影響、原因、駆除方法を紹介しますので、虫が発生して困っている方はぜひ参考にしてみてください。

カイガラムシ

カイガラムシは、観葉植物の枝や茎、葉などに寄生する小さい虫です。体長は2~10mmほどで、貝殻のような殻があったり、ロウ状・粉状のものでおおわれたりしている虫がいたら、カイガラムシの可能性があります。

カイガラムシが発生する原因としては、鉢植えの購入時に既に付着している場合や、外出時に衣類や持ち物に付着して室内に持ち込まれてしまう場合などが考えられます。また、窓を開けて換気をする際に風で飛んできたりするのも原因の一つです。

カイガラムシが観葉植物につくと、すす病やこうやく病といった病気を引き起こすため、見つけたら早めに駆除しましょう。駆除方法としては、幼虫の段階で殺虫剤を使用するのが効果的です。カイガラムシが多発した場合は葉や枝を切るか、使わなくなった歯ブラシなどでこすり落としましょう。

ハダニ

ハダニは葉裏に寄生する虫で、体長0.3~0.5mmと非常に小さいため、1匹2匹付いた程度では肉眼で見つけるのは難しいでしょう。ハダニが多発して葉の汁を吸うようになると植物の生育が悪くなり、葉色も悪くなってしまいます。

ハダニがいたら、殺虫剤を散布することで効率的に駆除できます。また、葉水をしたり、ハダニがついた葉や枝を剪定するのも有効です。葉水をするときは、葉の裏と表をしっかり濡らしてしまって問題ありません。

気温が高く乾燥している場所ではハダニが発生しやすくなるため、梅雨明けから夏にかけての時期は特に注意しましょう。

アブラムシ

アブラムシは体長1~4mm程度の小さい虫で、観葉植物でも黒色、緑色、黄色など色々なアブラムシが発生します。アブラムシは植物の汁を吸う害虫ですが、その排泄物に黒カビが発生した状態をすす病と呼びます。すす病が発生すると葉や枝が黒いすすで覆われ生育不良の原因となります。

アブラムシは繁殖スピードが早いため、見つけたらすぐに駆除することが大切です。駆除には殺虫剤がよく効きます。

窒素肥料を与えすぎると、アブラムシが好きなアミノ酸が多く作られ、引き寄せる原因になるため注意が必要です。ほかにも、日当たりや風通しの悪い環境では発生しやすくなります。

コナジラミ

コナジラミは、葉裏に寄生し観葉植物の葉の汁を吸う虫です。吸われた観葉植物は、葉緑素が抜けて葉色が悪くなったり、排泄物によりすす病を引き起こしたりすることもあるため、早期の駆除が必要です。

駆除する際には、殺虫剤を使用しましょう。発生するたびに繰り返し殺虫剤をまくと効果があります。

コナジラミは、次々に外から飛んできて侵入します。高温で乾燥した場所で発生しやすいため、夏からは観葉植物に小さい虫がついていないか注意して観察してください。

アリ

アリが観葉植物の植わっている土の中に巣を作ってしまうこともあります。アブラムシの排泄物につられて集まってくるアリもいます。アリは直接植物を加害することはありませんが、室内でアリが歩き回るのは困りものです。

駆除するには、殺虫剤の使用が効果的です。

アリは、観葉植物が置いてある部屋の食べものにつられて外からやってきます。食べこぼしなどが落ちていたら放置せず、室内を清潔に保つことが重要です。

また、庭にアリが巣を作っている場合も、部屋に呼び寄せるきっかけになります。部屋の中だけでなく、外の環境にも気を配りましょう。

アリアトールハウスコンバット

「アリアトールハウスコンバット」プロが使うフィプロニル配合で、アリの巣ごと退治してくれる不快害虫駆除剤です。雨風に強くアリが入りやすい容器設計になっており、置くだけで簡単にアリの対策を行なえます。効果は約3ヵ月と長く置いたその日から効き始めます。
【適用害虫】アリ、ヒアリ、アルゼンチンアリ

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コバエ

ノミバエやショウジョウバエなど小さなハエの総称が「コバエ」です。

観葉植物の鉢土に出るコバエとしては「キノコバエ」が挙げられます。腐葉土など土の中の有機質をエサとしているため、観葉植物を直接加害することはありませがキノコバエが室内に発生するのは気分のよいものではありません。

コエバは屋外から侵入して繁殖したり、土にコバエの卵が混ざっていたりすることが原因で発生します。また、コバエは有機物をエサとしているため、それを含む土を使用している場合もコバエが発生する要因となります。

新しい土に入れ替えたり、殺虫剤をまいたりして駆除しましょう。

トビムシ

トビムシは体長2~3㎜ほどの小さい虫で、ぴょんぴょん飛ぶのが特徴です。トビムシは観葉植物が植えてある土に発生する虫で、土の中のバクテリアや菌、腐葉土を食べます。害を与えるわけではなく、むしろその働きから、観葉植物にとっては益虫といえるでしょう。とはいえ、小さい虫が飛ぶ光景はあまり気持ちのいいものではありません。

駆除する方法として、観葉植物を日当たりや風通しの良い場所に移動させる、殺虫剤を散布する、新しい土に入れ替えるなどがあります。殺虫剤を使用する場合は、土の表面全体にいきわたるようにまいてください。

日当たりや風通しが悪かったり、土が古くなっていたりするとトビムシが発生しやすくなるので気を付けましょう。

観葉植物に虫がつかないようにする予防方法

本章では、観葉植物に虫がつかないようにするための予防方法を3つ紹介します。どれも手軽にできる方法なので、小さい虫の発生を防ぐために取り入れてみてください。

有機質の少ない土に植え替える

虫が発生しない人工用土や堆肥不使用の土などに観葉植物を植え替えると、虫の発生を抑えられます。有機質が豊富な土は観葉植物の生育を促しますが、臭いが強く虫を寄せつけるデメリットもあるからです。

ただし、有機質の少ない土は栄養が少なく、植物の根が張りにくいため、有機質がたくさん含まれている土に比べると、観葉植物の成長速度は緩やかになるでしょう。その場合は、液体肥料を使うと足りない栄養を補えます。

こまめに葉水を与える

日頃からこまめに葉水をすることも虫の発生の予防に効果的で、特にアブラムシやハダニには大きな効果があります。どちらも水が苦手な虫であるため、葉が濡れていると観葉植物に近づいてこなくなるからです。

葉水は、霧吹きを使って葉の表面だけでなく裏側にもしっかり与えましょう。たっぷり葉水を与えることで、すでについてしまっている虫をおぼれさせ駆除することも可能です。

また、葉や土を清潔に保つことも虫の予防になります。葉はティッシュやキッチンペーパーなどを濡らし、表と裏の両面を丁寧に拭き取ってください。土は表面を月に1~2度掃除すると虫がわきにくくなるので、定期的に手入れしましょう。

日当たりや風通しが良いところで育てる

害虫のなかには、暗くてじめじめしている場所を好む虫が多くいます。そのため、観葉植物を日当たりや風通しが良い場所に移動させるのもおすすめです。ただし、日光が直接当たると葉焼けを起こしてしまう場合があるため、カーテンで遮光したうえで窓辺や入口近くに置くとよいでしょう。

風が流れやすいように、在宅中はドアや窓を開けっ放しにしておくのも効果的です。そのようにして風通しを良くするのが難しい場合には、扇風機やサーキュレーターなどを使って送風してあげるのも効果があります。

ただし、日光や風に当てるために観葉植物を屋外に出すのはやめましょう。その間に虫がついたり、卵を産みつけられたりする可能性があります。

虫がつきにくい観葉植物3選

観葉植物に虫がつかないようにするためには、そもそも虫がつきにくい種類を選ぶことも有効です。本章では、そのなかでも特におすすめの観葉植物を3つ紹介します。

サンセベリア

観葉植物として人気が高いサンセベリアは、成長が早くあっという間に1mほどに育ちます。ただし、寒さに弱く気温が10度を下回ると成長が止まってしまうため、日当たりや風通しが良い場所で育てましょう。

サンセベリアは虫がつきにくい観葉植物なので、初心者にもおすすめです。しかし、水をやりすぎると根腐れして枯れることがあるため注意しましょう。水やりは、完全に土が乾いた状態で行なうようにしてください。

モンステラ

モンステラは穴のある特徴的な葉の形をしており、人気が高い観葉植物です。虫がつきにくい観葉植物ではありますが、乾燥するとハダニの被害に遭いやすいという特徴があります。こまめに霧吹きで水をかけることで予防できるため、定期的に行ないましょう。

また、風通しの悪い場所ではカイガラムシがつきやすくなってしまいます。日当たりや風通しが良い場所で生育すると虫がつきにくくなるため、モンステラに合った環境に置くことが重要です。

ポトス

ポトスはハート型の葉が人気の観葉植物です。虫がつきにくく、水やりも土の表面が乾いたタイミングで行なえばいいので、初心者でも育てやすいでしょう。ただし、寒さには弱いため、最低でも室温が5度以上になるように注意してください。

まれにハダニがついてしまう場合がありますが、こまめに葉水や葉の拭き取りを行なうと発生を防げます。きれいな状態をキープするために、霧吹きを用意しておくのがおすすめです。

大切な観葉植物に虫が発生したときにおすすめのアイテム

すでに虫がついてしまっている場合、以下のアイテムを使うと効果的です。

 MY PLANTS コバエを退治するミスト

「 MY PLANTS コバエを退治するミスト 」は観葉植物専用の不快害虫用殺虫剤で、天然除虫菊エキスによってコバエや鉢に潜む虫を駆除します。ほかにも、アリや小型のムカデ、トビムシなどにも効果があります。ニオイが少ないので室内で使用するにはぴったりです。
【適用害虫】キノコバエ、ノミバエ、ハヤトビバエ、チョウバエ、ショウジョウバエ、ムカデ(小型)、ヤスデ、ゲジ、ハサミムシ、ワラジムシ、トビムシ、ゴミムシ、赤ダニ(タカラダニ)、アリ、カメムシ、クモ

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ベニカXネクストスプレー

「ベニカXネクストスプレー」は観葉植物だけでなく草花や庭木などにも使えるため、1本でさまざまな植物をカバーしたい人におすすめです。スプレー剤なので使いやすく、還元澱粉糖化物やクロチアニジンをはじめとした5つの有効成分が虫と病気にしっかり効きます。
【適用害虫】アブラムシ類、アザミウマ類、ハダニ類、ハスモンヨトウ、うどんこ病など
※詳しくは以下の商品ページでご確認ください。

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小さい虫をこれ以上増やさないために、適したアイテムを使って早急に駆除しましょう。

まとめ

観葉植物につく虫は、おもに7種類います。サイズが非常に小さいものもいるため見つけにくい場合もありますが、毎日よく観察し悪影響が出る前に発見して早めに駆除することが重要です。

また、小さい虫を発生させないための予防策としては、有機質の少ない土に植え替えたりこまめに葉水を与えたりするのが効果的です。ほかにも、観葉植物を日当たりや風通しの良い場所で育てるのもおすすめです。

清潔な環境を整えつつ、観葉植物のある暮らしを楽しみましょう。

監修 フラワーアドバイザー 藤原喜久江
ハンギングバスケットマスター・DFAフローリスト教師・ガーデンコーディネーター・JFAフラワーアレンジメントビジネス教師・JFAプリザーブドアレンジメントビジネス教師・あおき式園芸手法免状取得者。2010年から教室運営開始。花が紡ぐ『人と人とのご縁』を大切に、小さな幸福感を体験できる教室で講師として活動中。トレンドを意識した技術指導が好評。園芸メディアへの寄稿歴15年。岩手県在住。

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