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知っておきたい園芸情報 - 園芸コラム白菜につきやすい害虫とは?虫の種類や予防・対策方法を解説!

白菜は、収穫時期である寒い季節を中心に、料理によく使われる野菜の一つです。そのため、家庭菜園で育てている方、もしくは育てようとしている方は多いのではないでしょうか。

ただし、おいしい白菜を育てるためには、さまざまな害虫から白菜を守らなければなりません。

この記事では、白菜栽培で害虫対策が必要な理由を解説するとともに、白菜につきやすい害虫の種類や予防方法、害虫駆除におすすめの商品を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

白菜栽培で害虫対策が必要になる理由

野菜の栽培において、害虫対策は重要です。もちろん、白菜の栽培も例外ではありません。害虫対策をしないと、白菜の葉を食い荒らされてしまうほか、害虫を経由して白菜がウイルスに感染してしまう可能性もあります。

害虫に食い荒らされた白菜でも、虫食い部分をきちんと除去したうえで食べれば、基本的には健康上の問題はないでしょう。

しかし、害虫の被害を受けた白菜は、生育や見栄え、食味が悪くなってしまいます。害虫被害の跡が残る白菜は、積極的に食べたいとは思えなくなるかもしれません。

そのため、適切な対策を施し、害虫の被害を抑える必要があります。

白菜につきやすい9種類の害虫

白菜を栽培する場合に発生しやすい害虫として、おもに9種類が挙げられます。

害虫の種類によって発生時期や駆除方法が異なるため、それぞれの害虫の特徴を知っておくことが大切です。以下で詳しく見ていきましょう。

ダイコンハムシ

ダイコンハムシは、幼虫・成虫ともに葉を食べる害虫です。白菜の場合でも葉を食べてしまうので、生育の大きな妨げになります。

なかには、ダイコンハムシによって、葉がほとんど食い尽くされてしまうケースもあるほどです。

発生時期 夏場はあまり活動しませんが、気温20℃前後に下がると活動を始めます。一般的に晩夏〜初秋期に畑に出現。9~10月頃に多く発生します。
駆除方法 ダイコンハムシを見つけたら、手で捕まえて駆除する、または殺虫剤を使用して駆除します。

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫です。

白菜についたアオムシを放置すると、移動しながら白菜の葉を食べ尽くしてしまいます。葉を失って光合成ができなくなった白菜は、やがて成長が止まるでしょう。

発生時期  春から初夏にかけて発生しやすいものの、9~11月にも発生するのが特徴です。
駆除方法 手で捕まえたり、殺虫剤を使用したりするほか、アシナガバチやアオムシコマユバチなどの天敵昆虫を活用する方法もあります。

ハイマダラノメイガ

ハイマダラノメイガは、ダイコンシンクイとも呼ばれる害虫です。

ハイマダラノメイガの幼虫が、白菜の芯葉に潜り込むなどして食害します。苗につくと苗が枯死してしまうことがあるため、特に白菜の生育初期には注意が必要です。

発生時期 8~10月といった、気温が高く湿度の低い時期に発生しやすくなります。
駆除方法 殺虫剤を使用するとともに、白菜に防虫ネットをかけて、ハイマダラノメイガの成虫の飛来を防ぎます。

カブラハバチ

カブラハバチは植物を食べるハチの一種です。

カブラハバチの幼虫は、白菜のなかでも古い葉を避けて、若い葉を中心に食べる特徴があります。大量に発生すると、太い葉脈以外の部分を集団で食い荒らしてしまうでしょう。

発生時期

4~11月を中心に繰り返し見られますが、夏場は発生が少なくなります。
駆除方法 カブラハバチの幼虫を見つけたら、手で捕まえて駆除する、または殺虫剤を使用して駆除します。

ヤサイゾウムシ

ヤサイゾウムシは、幼虫・成虫の両方が白菜の葉を食害します。若い葉を中心に食べてしまうため、白菜の生育が妨げられます。

発生時期

 夏場は休眠し、9月から翌年の5月頃まで、長期間にわたって発生します。成虫は、落ち葉の下に潜んでいるケースが多いでしょう。
 駆除方法  新芽や新葉の部分を中心に探し、手で捕まえて駆除します。また、種を蒔く時期には、防虫ネットを設置して成虫の侵入を防ぎましょう。

アブラムシ

アブラムシは、一度白菜の葉につくと大量発生し、茎や葉の汁を吸って生育を妨げます。加えて、アブラムシの排泄物により葉が黒くなるすす病になったり、縮れたりすることもあります。

アブラムシが媒介となってウイルスに感染した場合は、白菜が病気になってしまうので注意が必要です。

発生時期

4~11月にかけて多く発生します。
駆除方法 アブラムシの駆除には殺虫剤が効果的です。殺虫剤を使用したくないときには、水で洗い流したり、手で取り除いたりする方法もあります。

ヨトウムシ

孵化したばかりのヨトウムシの幼虫は、葉の裏側に生息しながら食害するのが特徴です。

大きくなるとおもに夜間に活動することから、「夜盗虫(ヨトウムシ)」という名前がつけられています。食欲が旺盛で、白菜が一晩で食い荒らされてしまうおそれもあります。

発生時期

3~10月にかけて多く発生します。特に、北日本で被害が見られやすいでしょう。
駆除方法 ヨトウムシは日中には見つけにくいため、殺虫剤を散布して駆除するのが有効です。

コナガ

コナガの幼虫は、葉に潜り込み、葉肉のなかから食害を起こします。葉脈を残し、食べ尽くされてしまう可能性もあるでしょう。

発生時期

5~11月にかけて多く発生します。ただし、このうち西日本や東日本の夏場は天敵が活発に活動するため、発生量は減少します。
駆除方法 殺虫剤を使用して駆除するほか、手で捕まえる、水をかけて流すといった方法もあります。

ハクサイダニ

ハクサイダニは、幼虫・成虫ともに白菜への食害を起こします。葉の汁を吸い、葉が白っぽく変色します。ハクサイダニが発生してしまったら、被害株をすぐに株ごと取り去るようにするのがよいでしょう。

 発生時期  気温が低い環境を好む傾向があり、11月から翌年の4月頃まで発生します。
 駆除方法  ハクサイダニの駆除には、殺虫剤の散布がおすすめです。

白菜に害虫がつきにくくなる予防方法

前章の内容を踏まえつつ、ここでは、白菜に害虫をつきにくくするためのポイントを紹介します。

周りの雑草を取り除く

害虫は雑草にも寄生するため、周辺に雑草が茂っている環境は、白菜が害虫被害に遭うリスクを高めます。

白菜を植えた場所の周囲の雑草はこまめに取り除き、除草剤を散布して雑草が生えない環境を保ちましょう。

白菜などの作物周辺の除草には、作物まわりの雑草だけ退治してくれる除草剤「グリーンスキットシャワー」がおすすめです。

グリーンスキットシャワー

「グリーンスキットシャワー」なら、散布後2~5日程度で雑草が枯れ始め、すぐに効果を実感できます。雑草を枯らしたあとに、種まきや苗の植え付けをすることも可能です。

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害虫の飛来を防止する

害虫の多くは外から飛来してくるため、防虫ネットや寒冷紗を隙間なく設置すると、害虫が白菜につくのを防げます。寒冷紗とは、防虫効果のほか、遮光効果や防寒効果などもある布のことです。

また、害虫が嫌う成分を放つレタスなどの野菜を、白菜の近くで一緒に育てるのも効果的です。

白菜の害虫駆除におすすめのアイテム

白菜を栽培するエリアの雑草対策をしたり、防虫ネットや寒冷紗を設置したりしても、害虫を完全に予防しきれないこともあるでしょう。また、白菜への害虫対策が間に合わず、すでに害虫が発生してしまったというケースもあるかもしれません。

そのような場合は、害虫駆除に高い効果を期待できる、住友化学園芸の家庭園芸用殺虫殺菌剤などを活用するのがおすすめです。

ベニカナチュラルスプレー

「ベニカナチュラルスプレー」は、厳選した以下の3つの天然由来成分を配合しています。

  • 有用菌(B.t.菌)
  • 植物油(調合油)
  • 水あめ(還元澱粉糖化物)

有用菌(B.t.菌)はアオムシやヨトウムシなどに、植物油(調合油)や水あめ(還元澱粉糖化物)はアブラムシ、ハダニ、うどんこ病などに、それぞれ効果があります。
ハーブを含め野菜全般で使用できるので、菜園で少量多品種の栽培をするときに便利です。

【適用害虫】アブラムシ類、コナジラミ類、ハダニ類、ハスモンヨトウなど
※詳しくは以下の商品ページでご確認ください。

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ベニカVフレッシュスプレー

「ベニカVフレッシュスプレー」は白菜に加え、その他の野菜や果樹、花、庭木など幅広い植物に使える殺虫殺菌スプレーです。3つの有効成分を配合し、すばやく、長く、(アブラムシに1ヵ月)効き、薬剤抵抗性害虫にも効果を発揮します。殺虫・殺菌成分は植物に浸透移行するため、雨が降っても効果が維持されるのも特徴です。

【適用害虫】アブラムシ類、アオムシ、コナジラミ類、ハダニ類など
※詳しくは以下の商品ページでご確認ください。

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家庭園芸用GFオルトラン水和剤

「家庭園芸用GFオルトラン水和剤」は、幅広い害虫に効果があり、アブラムシ類やアザミウマ類などの駆除に優れています。水に溶かして散布するタイプで、野菜や果樹、観葉植物など多くの植物に使用可能です。葉や茎から吸収されることで、広範囲の害虫に対して効果が持続する浸透移行性殺虫剤です。

【適用害虫】アブラムシ類、アザミウマ類、ヨトウムシ類など
※詳しくは以下の商品ページでご確認ください。

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なお、害虫の駆除は、早期発見・早期対応が重要です。害虫の数が増えて白菜の被害が拡大してしまわないよう、普段から白菜の様子をよく観察するとともに、早めに家庭園芸用殺虫殺菌剤などを散布して対処しましょう。

まとめ

白菜を健康で見た目も良く育てるためには、害虫対策が欠かせません。害虫が白菜の葉を食い荒らすことで、生育や見栄えに悪影響を与えるだけでなく、ウイルス感染のリスクも高まります。今回紹介した9種類の害虫が白菜につきやすく、それぞれ発生時期や駆除方法が異なるため、特徴を理解しておくことが大切です。

また、具体的な害虫対策としては、周辺の雑草を除去することや、防虫ネット・寒冷紗で害虫が物理的に近寄れないようにすることが挙げられます。もし、白菜に害虫が発生してしまった場合は、殺虫剤を使用し早めに駆除するようにしましょう。

白菜を育てる場合、早期発見と早期対応が害虫駆除の鍵になるので、普段から白菜をよく観察し、適切なタイミングで対策を行うようにしましょう。

監修 フラワーアドバイザー 藤原喜久江
ハンギングバスケットマスター・DFAフローリスト教師・ガーデンコーディネーター・JFAフラワーアレンジメントビジネス教師・JFAプリザーブドアレンジメントビジネス教師・あおき式園芸手法免状取得者。2010年から教室運営開始。花が紡ぐ『人と人とのご縁』を大切に、小さな幸福感を体験できる教室で講師として活動中。トレンドを意識した技術指導が好評。園芸メディアへの寄稿歴15年。岩手県在住。

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