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家庭菜園や園芸愛好家の頭を悩ませるアブラムシ。多くの方が被害に悩む害虫なだけに、試行錯誤でいろいろな駆除方法が編み出されています。インターネット上でその体験談などを目にした方も多いのではないでしょうか。
そのうちの一つとして、コーヒーを使って駆除できるという説があります。コーヒーであれば食品由来で安全なイメージがあるため、駆除の手順や効果が気になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、コーヒーを使ったアブラムシ対策とはどのような方法か確認するとともに、実際にどの程度の効果があるかについて解説します。
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効果的なアブラムシ駆除方法を考えるうえで、まずはアブラムシの性質や特徴を押さえておきましょう。
アブラムシのやっかいな特徴の一つが、繁殖力の強さです。アブラムシはメス単体で子を作ることができる「単為生殖」であるうえ、1匹当たり最大90匹ほどの幼虫を産む力があります。1匹が1回に生む幼虫は5匹程度ですが、その幼虫は10日程度で成虫になり、それがまた毎日幼虫を産むため、あっという間に1万匹以上にもなりかねません。
このような強い繁殖力を持つ害虫は、効果が不確かな方法で対策を試みているうちに大量発生してしまうおそれがある点に注意が必要です。
また、アブラムシは数が多くなると羽を持つタイプが誕生し、周囲に移動します。これにより、ほかの植物にも被害が拡大していくのです。対応しなければならない範囲が広がると、さらに根絶が困難になってしまうでしょう。
アブラムシは植物の汁を吸って生育を阻害するだけでなく、すす病の発症やウイルスの媒介などの被害をもたらします。ある程度の駆除ではいつまでも根絶できず、植物への悪影響も続くため、最初から素早く確実に効く駆除方法を選ぶのがおすすめです。
インターネットでアブラムシ対策を調べると、多くの方がさまざまな方法を試していることがわかります。そのような情報のなかで、コーヒーを使った駆除方法を目にしたことがある方もいるでしょう。
以下では、アブラムシの予防や駆除対策として広まっている方法のうち、コーヒーを使うものをいくつか紹介します。
ただし、先に結論をお伝えしますが、植物保護を目的とした害虫駆除剤は農薬登録品もしくは特定防除資材でなければならないと法律(農薬取締法)で定められているように、農薬か特定防除資材を使用することが正しい方法になります。
シンプルな方法として、コーヒーをスプレーで植物に散布するというものがあります。コーヒーがアブラムシの気門をふさいで窒息させるとの説があるようです。
使うコーヒーはインスタントコーヒーでも問題ないようですが、アブラムシが実際に窒息するのかに関しては証明されていません。
なお、散布したあとは洗い流さなくて良いという説も見られますが、植物によっては付着したままのコーヒーが成長を阻害する可能性もあるので、コーヒーをそのまま散布するのは控えるようにしましょう。
薄めのコーヒーに食器用洗剤や純せっけんを溶かした液をアブラムシに吹き付ける方法もインターネット上で広まっているようです。この方法は、吹き付けた溶液が乾いたときにアブラムシの気門をふさいで窒息させるのが狙いということです。
効果は証明されていませんが、具体的には2リットルのコーヒーに食器用洗剤10ml程度を溶かしたものをアブラムシのいる場所に散布します。散布のあと乾かす必要があるので、晴れた日の午前に実施するのが理想とのことです。
乾燥させたコーヒーかす(コーヒーの出がらし)を植物周辺の土にまくと虫よけになるという情報もインターネット上にはあります。コーヒーかすはナメクジやアリ、ムカデに効果があるといわれていますが、アブラムシ対策として試す方もいるようです。
ただし、コーヒーかすを過剰に与えることで土壌が酸性に傾きすぎるなどのリスクは知っておく必要があるでしょう。最悪の場合、根腐れのおそれもあります。アブラムシへの忌避効果もはっきりしないため、知識なくむやみに行うのはおすすめできません。
前述のようなアブラムシ対策にコーヒーを使う方法はインターネット上で広まっています。では実際にコーヒーでアブラムシ退治はできるのでしょうか。
過去に農林水産省と環境省が合同で行った調査によると、コーヒーの成分(カフェイン)によるアブラムシ駆除や忌避の効果はほぼない、という結果が出ています。
この調査では、実際に出回っている害虫防除へのコーヒー使用例を踏まえて試験を行ない、コーヒーの害虫防除効果を測定しています。具体的に行われたのは、キュウリに発生しているアブラムシに対するインスタントコーヒーを希釈したものの散布です。
測定の結果、コーヒーを散布したキュウリと散布しなかったキュウリとでアブラムシの密度に大きな差は出ませんでした。この内容を受けて「コーヒー散布はアブラムシ駆除に対して実用的な効果はない」とする調査結果がまとめられています。
参考:コーヒー(抽出液)の薬効・安全性に関する情報収集の結果について|農林水産省
コーヒーに洗剤やせっけんを溶かしたせっけん水を散布する方法については、アブラムシが減ったとする体験談もインターネット上に見受けられます。
実際、薄めたせっけん水をアブラムシに付着させて乾かすことで窒息を狙った方法は、アブラムシ発生初期には一定の効果が見込める方法として知られています。
ただし、洗剤は植物の細胞膜を溶かしてしまうことには注意が必要です。また、根元に洗剤の混ざったコーヒーがかかってしまう可能性も考えられますが、水を吸収する根は洗剤もよく吸収してしまいます。
このことから、洗剤散布は植物自体に悪影響をおよぼし、アブラムシ駆除とは別の問題が発生してしまう可能性があるため、実用性はないといえるでしょう。
コーヒー散布によるアブラムシ対策は、国の調査結果からもわかるように予防・駆除効果は期待できないのが実情です。
なお、確実かつ安心感のあるアブラムシ対策としては、市販の害虫駆除スプレーを使用するようにしましょう。アブラムシは繁殖力が強いため、気付き次第できるだけ早期に、かつ確実に駆除しなければ、爆発的に増えるおそれがあります。
市販の害虫駆除スプレーを使用することで、アブラムシの数を減らせるため、植物への被害を最小限にとどめられるでしょう。
害虫駆除アイテムのなかには、野菜や果物に収穫直前まで使えるような安心感の高さが特徴のものもあります。このようなアイテムをあらかじめ選び、アブラムシに気付き次第使えるように、家庭に一本備えておくと安心です。
アブラムシ駆除におすすめのアイテムとして、「ピュアベニカ」と「ベニカXネクストスプレー」を紹介します。
「ピュアベニカ」は食酢100%で作られた園芸用害虫対策スプレーです。葉や土に直接スプレーすることで、アブラムシ発生前の予防や、発生初期の退治に役立ちます。
害虫対策をしっかり行いたいという方はもちろん、以下のような方にもおすすめです。
食品由来の安心感を重視する方
なじみのある成分でアブラムシ対策したい方
できる限り人にも環境にも優しいものを選びたい方
ピュアベニカは、ハダニやコナジラミなど、アブラムシ以外の害虫からも植物をガードします。それと同時に、うどんこ病や黒星病の予防効果もあるため、日頃から定期的に散布する使い方がおすすめです。
使える植物も幅広いので、家庭菜園や園芸をしている方は一本備えておくと便利でしょう。
【適用害虫】アブラムシ、ハダニ、コナジラミなど
「ベニカXネクストスプレー」は、効き目と使いやすさにこだわった殺虫殺菌スプレー剤です。5つの成分を配合した家庭園芸用殺虫殺菌スプレーは世界初です。
還元澱粉糖化物:薬剤抵抗性の発達したアブラムシ、ハダニにも効く
クロチアニジン:雨に強い浸透移行性、殺虫効果が持続
ペルメトリン:ノックダウン効果、害虫を素早く退治
ピリダリル:ハスモンヨトウなどの大型幼虫に効く
マンデストロビン:雨に強い浸透移行性、病気の予防・治療
ベニカXネクストスプレーは、アブラムシをはじめとしたさまざまな害虫に効果を発揮します。また、アブラムシに関しては1ヵ月と長期間効果が続くため、手間がかかりません。持ちやすさやスプレーのしやすさにもこだわっていて使い勝手が良く、負担なくお使いいただけます。
効き目にこだわったスプレー剤なのでアブラムシに素早く効く一方で、収穫前日の野菜(トマト、キュウリなど)にも使用可能な安心感も特徴です。高い効果と植物への安心感の両方を大切にしたい方におすすめです。
【適用害虫】アブラムシ類、ハダニ類、アザミウマ類など
アブラムシはメスだけで繁殖できる単為生殖であり、成長スピードも速いことから、1匹から爆発的に増えるおそれがある害虫です。できるだけ身近なものを使って駆除したいという思いからコーヒーによる駆除を試す方もいますが、コーヒーのアブラムシへの駆除・予防効果は、国の調査結果でも否定されています。そのため、コーヒー以外の確実に効果がある方法で速やかに退治するようにしましょう。
市販の害虫駆除スプレーは、おすすめのアブラムシ予防・退治方法です。効果とともに植物への安心感を重視したものもあるので、あらかじめ好みに合うものを選んで備えておくとよいでしょう。