目次
バラを美しく咲かせるには、適切な時期に適切な量の肥料を与えることが大切です。肥料を与えすぎると、逆効果になるおそれもあるため、初めてバラを育てる方は特に注意しましょう。
この記事では、バラの肥料の与え方や適した時期、与えすぎによるトラブルなどを紹介します。
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観賞するだけでなく贈り物としても選ばれるバラには、多種多様な品種があります。毎年新たな品種が誕生し、その数は4万種以上だといわれています。
開花周期も品種によって異なり、一季咲きのバラであれば1年に1度、5~6月頃に見頃を迎え、四季咲きのバラであれば一年中楽しめます。
「一年中」と述べましたが、実際に花を咲かせるタイミングは春・夏・秋の3シーズンです。しかし、温度や剪定時期などを調整すれば冬でも花が咲き、一年中きれいなバラを楽しむことができます。
また、バラの樹形は「木立性樹形」「つる樹形」「半つる性樹形」の3つに分かれているため、育てる環境に適した品種を選ぶ必要があります。
土にも多少の栄養は含まれていますが、バラの花を美しく咲かせるには適切な量の肥料が必須といえるでしょう。
肥料は適切なタイミングで与える必要があり、与える時期によって以下のように呼び方や役割が変わります。
元肥(もとひ・もとごえ):植え付けや植え替え時に土へ混ぜる肥料。初期生育をサポートする
追肥(ついひ):生育途中に施す肥料。開花直前や開花後のエネルギー回復のために与える
寒肥(かんぴ・かんごえ):バラの休眠期である冬に施す肥料。春からの生育や芽吹きを活発にする
なお、寒肥は地植えのバラに対してのみ行うものです。
バラには、庭に直接地植えして育てる方法と鉢植えで育てる方法があります。どちらを選ぶかによって肥料の与え方や気を付けるポイントなどが異なるため、注意してください。
まずは、地植えの肥料の与え方、適した時期について説明します。
バラの植え付けは通常、新苗で4~6月、大苗で10~3月の間に行い、元肥も同じタイミングで与えます。植え付けの大まかな流れは以下のとおりです。
深さと直径が40~60cmになるように穴を掘る
穴の底に乾燥牛糞と有機質肥料(油かす肥料や骨粉など)を入れ、掘り起こした土を少量戻したら、耕すようにしてよく混ぜる(これが元肥となる)
残りの土を入れつつ、苗を植える
追肥は、3月中旬~下旬、6月、9月の合計3回行います。ただし、一季咲きの品種は秋に花を咲かせないため、9月の追肥は必要ありません。
地植えの場合、最も外側へ広がっている枝の先端直下の土に、株を円で囲むように規定量の肥料を与えます。
なお、追肥を3回行うのは、それぞれ以下の役割を果たすためです。
3月中旬~下旬:春に咲く花を育てるため
6月:開花後にエネルギーを回復させて、2番花や3番花を咲かせるため
9月:秋に咲く花を育てるため
寒肥は1~2月に行います。バラの周囲に穴を深く掘れる場合と掘れない場合で、与え方が変わります。
【深く掘れる場所の場合】
株元から30~40cm程度離れた位置に、株を中心として左右対称になるように、深さ30~40cmの穴を1つずつ掘る
乾燥牛糞と有機質肥料を入れてよく混ぜ合わせる
土を戻す
【深く掘れない場所の場合】
株元から30~40cm程度離れた位置に、株を円状に囲むように10cmほど掘り起こす
乾燥牛糞と有機質肥料を入れてよく混ぜ合わせ、すき込む
続いては、鉢植えの肥料の与え方、適した時期について説明します。
バラの植え付けは、新苗で4~6月、大苗で10~3月に行います。地植えではこのタイミングで元肥を与えますが、鉢植えではバラの培養土や草花用肥料を使う場合、元肥は必要ないとされています。
肥料が含まれていない土を使う場合は、鉢の底に鉢底石を入れたあと、有機質肥料を薄くひいてから土をかぶせましょう。その後、バラの根が肥料につかないように植え付けます。
地植えと同様に、追肥は3月中旬~下旬、6月、9月の合計3回行います。ただし、秋に花を咲かせない一季咲きの品種は、9月の追肥を行う必要はありません。
鉢植えの場合、6~7号サイズの鉢に対して小さじ1杯程度の量を目安とし、その肥料を鉢の縁に、2~3箇所に分けて置きます。
鉢植えは地植えよりも肥料切れを起こしやすいため、定期的に液体肥料も与えるとよいでしょう。また、9月に追肥を行っていない一季咲きの品種も、葉が黄色くなっている場合は肥料切れを起こしている可能性があるため、液体肥料を与えてください。
与える量や頻度は液体肥料の商品によって異なるため、パッケージをよく確認してから与えるべきですが、以下のような考え方で施肥すると、肥料切れを起こさせることがなく、よく育っていきます。
・バラなどの花付や葉色を良くする「花工場原液」
バラの追肥におすすめなのが「花工場原液」です。健やかな生育に必要な、必須元素及びビタミンといった栄養をバランス良く配合した肥料になります。
バラに追肥する際は、希釈する必要が使用方法は以下になります。
【鉢植え・プランターの場合】
水10L当たり10~20ml(キャップ1/2~1杯)の花工場原液を入れ希釈します。
使用間隔に関しては1週間に1回が目安となります。
【露地植えの場合】
水10L当たり20~40ml(キャップ1~2杯)の花工場原液を入れ希釈します。
使用間隔に関しては鉢植え・プランターと同様、1週間に1回が目安となります。
鉢植えの場合、新苗・大苗を問わず、寒肥は一般的に行いません。
ここまで、バラの肥料の与え方やその時期などを説明してきました。しかし、インターネットや本で調べてみると、肥料を与える時期に多少のズレが生じていることもあるでしょう。専門家によって、まったく別の意見を述べているケースもあります。
その理由は、バラの品種や気候、土壌などによって、いつ肥料を与えるべきかが変わるためです。
これからバラを育てる方は「結局どれが正解なのか」と思うかもしれません。迷ってしまう場合は、使用している肥料のパッケージに記載されている推奨施肥時期を参考にしてください。
バラは「肥料食い」と呼ばれることもあるほど、多くの肥料を必要とする植物ですが、だからといって与えすぎも危険です。
ここでは、肥料の与えすぎで起こるトラブルや対処法などを紹介します。
バラに肥料をたくさん与えて土のなかの肥料が高濃度になると、浸透圧の関係で根の水分が外に流れ出てしまい、肥料焼けが起きる可能性があります。塩を水分が多い野菜にかけると水分が出てくることと原理は同じです。
薄めるタイプの液体肥料を原液のまま散布すると、すぐに高濃度障害がでて、葉がしおれてきます。薄めるタイプのものを原液のままで、絶対に散布してはいけません。固形肥料の場合、化成肥料と有機質肥料では肥料焼けの度合いも異なってきます。
化成肥料は、炭素元素を含まない化合物で、速効性のものと遅効性のものと緩効性のものがあります。最も流通し市販されている粒状の化成肥料は、緩効性化成肥料といわれるものがほとんどです。
緩やかに溶けだしていくので、誤ってたくさん施しても、すぐに高濃度障害が起こらないものです。それでも規定量以上に鉢いっぱいに施してしまうと、2~3週間かけて具合が悪くなり、やがて枯れてきます。
一方、炭素元素(C)を含んでいるものを有機質肥料といいます。有機質肥料は、油かす、牛糞、鶏糞、魚粉、バーク堆肥、腐葉土など、いつか土に還っていく素材でできています。
市販されている有機質肥料はすべて発酵がしっかり進んだものばかりですが、落ち葉などを集めて、自分で腐葉土を作った場合、しっかり発酵が進んでいないものであれば、施肥した鉢内で発酵がさらに進み、根も腐ってくることもありますので、要注意です。自分で発酵させた場合、触ってみてさらさらして嫌な香りがしなくなったものが十分に発酵したものです。
肥料による過剰障害とは、葉が黄色や茶色に変わったり、茎がしおれたりします。最終的に枯れることもあるため、肥料焼けを起こさせる肥料の与えすぎには注意してください。
肥料焼け以外にも、花つきが悪くなる、生育不良になるなどのトラブルが生じるケースもあります。
肥料の与えすぎによってトラブルが生じたときは、まず肥料を与えるのを中止し、固形肥料を置いていた場合は速やかに取り除きましょう。その後、肥料を洗い流すように水をたくさん与えます。
元肥として大量の肥料を土に混ぜてしまった場合や土が硬くなっている場合は、植え替えが必要です。化成肥料を施すときは、必ず適正量を確認して施します。有機質肥料を添加するときは、庭土の約2~3割程度の量が安全です。
肥料焼けを防ぐ方法として、おもに以下の手段が挙げられます。
肥料のパッケージに記載された説明文をよく確認し、適切な量の肥料を与える
様子を見ながら追肥を行う
肥料が根に直接当たらないようにする など
初めてバラを育てる方は、肥料を少量ずつに分けて与えるか、ゆっくり効果が表れるタイプの肥料を選ぶと、失敗するリスクが低くなるでしょう。
バラの肥料にはさまざまな種類があるため、初心者の方は混乱する部分も多いでしょう。
そのため、ここではバラの肥料を選ぶ際のポイントを2つ紹介します。
肥料によって含まれている栄養素は異なりますが、バラを育てる際に注目したいのが「窒素」「リン酸」「カリ」の3つです。窒素は茎や葉の成長をサポートするため、リン酸は花や実の形成を助けるため、カリは株を大きく育てるために必要なものです。
肥料によってこれらの割合は変わるものの、バラの場合は窒素が多すぎないものを選ぶことをおすすめします。窒素があまりにも多いと、枝や葉が育ちすぎて風通しが悪くなり、病気や害虫の発生リスクを高めるおそれがあるためです。
複数の肥料を配合して使用するのはやや難度の高い作業であるため、慣れないうちはバラ専用の肥料を使用するのがよいでしょう。
肥料は、効果が表れるスピードや持続時間によって、緩効性肥料・遅効性肥料・速効性肥料の3つに分類されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
緩効性肥料:土にゆっくり溶けていくため、効果が長持ちする。肥料焼けになりにくい
遅効性肥料:時間をかけて効果を発揮していく。根にすべて吸収された時点で効果は切れる(持続時間はない)
速効性肥料:肥料を与えたらすぐに効果を発揮する。長持ちはしない
これらを、バラの様子に合わせて使い分けるようにしましょう。
先述したとおり、肥料はさまざまな種類があり、含まれている栄養素の割合や効果が表れるまでのスピードに違いがあります。
そのため「どのような肥料を選べばいいかわからない」とお悩みの方には、以下のようなバラ専用の商品を選ぶことをおすすめします。
「マイローズばらの肥料」は、元肥はもちろん追肥としても使える肥料です。施肥後すぐに効果が表れ、2~3ヵ月間しっかり効き続けてくれます。
肥料の吸収効率を高める作用や土壌に活力を与える作用を持つ腐植酸と、高品質な植物性有機質を混ぜ合わせた緩効性肥料として、特許を取得しているのも大きな特徴です。
「マイローズばらの置くだけ肥料」はタブレットタイプで、初心者の方でも簡単に扱えます。土に浅く埋めることで、2~3ヵ月安定した肥料効果を実現できるでしょう。
酵母由来の乾燥菌体肥料を使用しているため、土壌の改良作用も期待できます。
「マイローズばらの天然有機肥料」は、米ぬかぼかしや動物質有機肥料を配合している肥料です。元肥や追肥、寒肥として効果が2~3ヵ月持続します。
使用し続けることによって、土のなかの有用微生物群が活性化し、排水性・通気性・保水性・保肥力の向上が期待できます。健やかな根を張りやすい土壌が作れるでしょう。
バラの肥料はおもに元肥・追肥・寒肥の3つに分けられ、それぞれ与える時期や役割が異なります。地植えか鉢植えかによっても与え方や注意点が異なるため、本記事や商品のパッケージなどを参考に作業を進めましょう。くれぐれも、肥料の与えすぎには、十分に注意してください。
また、バラの肥料はさまざまな種類があるため、どれを選ぶべきか混乱する方もいるかもしれません。そのような方には、「マイローズばらの肥料」「マイローズばらの置くだけ肥料」「マイローズばらの天然有機肥料」のようなバラ専用商品の活用をおすすめします。