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知っておきたい園芸情報 - 園芸コラム【カメムシ対策】カメムシ被害の効果的な予防方法・駆除方法を解説!

春から秋にかけて、カメムシを目にする方は多いのではないでしょうか。

なかには、洗濯物に悪臭が付いた、家の中に侵入してきたなど、被害に遭ったことがある方もいるかもしれません。不快なカメムシを寄せ付けないためには、対策が必要です。

この記事では、カメムシの生態や被害例を紹介したうえで、カメムシ対策として効果的な予防方法や駆除方法を解説します。カメムシ対策に活用できるおすすめの商品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

対策をする前にカメムシの生態を知ろう

カメムシとは

カメムシは、「カメムシ目・カメムシ亜目」に属する昆虫の総称です。

一般的に、カメムシと聞いてイメージする昆虫は、上記のうち「カメムシ科」に属するものであることが多いでしょう。カメムシという名前は、亀の甲羅のような形をしていることに由来すると考えられています。

国内では、緑色のものや茶~黒色のもの、色鮮やかな模様のものなど、多種多様なカメムシが確認されています。具体的な名称は、以下のとおりです。

  • アオクサカメムシ

  • ツヤアオカメムシ

  • クサギカメムシ

  • スコットカメムシ

  • マルカメムシ

  • チャバネアオカメムシ

カメムシに刺激を与えると、自分の身を守るために強烈な臭いを放つのが特徴です。悪臭の強さは、カメムシ自身がショック死するほどといわれます。この臭いの主成分は「トランス-2-ヘキセナール」と呼ばれるもので、草や葉の臭いの成分と同じです。この悪臭に由来して、「ヘッピリムシ」などという別名もある。

カメムシの発生時期

カメムシが産卵するのは、46月頃です。7月には成虫となって活動し、911月頃になると越冬場所を探し始めます。その際、越冬場所として人間の家が狙われやすくなるでしょう。

よって、重点的なカメムシ対策が必要なのは、春から秋にかけてだといえます。なお、カメムシは集団で行動するため、大量発生するケースも珍しくありません。

餌となるスギやヒノキの実が豊作な年は発生が比較的少なく、逆に不作な年は餌を求めて田んぼや畑などに現れます。

カメムシによる被害例

カメムシは、害虫として扱われることが多い昆虫です。具体的にどのような被害をもたらすのか、よくある例を紹介します。

洗濯物に付いて悪臭を放つ

温暖な場所を好むカメムシにとって、外干ししている洗濯物は絶好のスポットです。明るい色を好む習性があることから、ワイシャツやシーツ、タオルなどの白い洗濯物に寄り付きやすいでしょう。

カメムシが洗濯物に付着すると、先述した「トランス-2-ヘキセナール」により、数日間悪臭が残り続けたり、シミができたりする可能性があります。洗濯物に直接卵を産み付けるケースもあるため、気を付けましょう。

ベランダや室内に侵入してくる

自宅のベランダや室内に、カメムシが侵入してくる被害もあります。室内に侵入した場合、人目に付きにくい場所に潜み、繁殖してしまうかもしれません。

平べったい形をしているカメムシは、2ミリ程度のわずかな隙間でも侵入可能といわれており、玄関ドアや窓を開けていないからといって油断は禁物です。前項のとおり、洗濯物に付いたまま侵入してくるケースもあるため、よく確認しましょう。

また、カメムシは光に集まる性質があることから、夜間は室内の照明の光や玄関灯の周辺に注意が必要です。

農作物を荒らす

カメムシは吸汁性の害虫で、農作物の茎や葉、果実などに食害をもたらします。農作物の腐敗や変形の原因になるうえ、カメムシの臭いが果実に移るリスクもあるでしょう。

カメムシが好む農作物は、以下のとおり数多くあります。

  • イネ

  • 枝豆

  • 大豆

  • かぼちゃ

  • じゃがいも

  • ナス

  • ピーマン

  • トマト

  • りんご

  • オクラ

  • パプリカ

  • アンズ

  • 桃 など

そのほか、草花や樹木も好むのが特徴です。

分泌液により皮膚の炎症を起こす

悪臭を放つカメムシの分泌液には、毒性もあります。分泌液に直接触れると、赤くヒリヒリと痛んだり、腫れたりするなど、皮膚の炎症を起こすかもしれません。

分泌液が皮膚に付着した場合はすぐに洗い流すとともに、症状が強く出たときには、早めの受診を心がけましょう。

【カメムシ対策】寄せ付けない・侵入させない7つの方法

ここでは、カメムシ対策として、7つの方法を紹介します。

1.雑草を除去する

カメムシは、雑草が多い場所で繁殖しやすい傾向があります。自宅に庭がある場合はこまめに除草し、除去した雑草や落ち葉は速やかに処分しましょう。

また、雑草ではないものの、カメムシが好む植物をベランダで育てることも避けてください。自宅周辺に卵を産み付ける植物がなければ、カメムシが繁殖する心配はありません。

2.カメムシ用の忌避剤・殺虫剤を散布する

カメムシ対策を目的とした忌避剤・殺虫剤があれば、簡単にカメムシ被害を予防できます。自宅の外壁や玄関、窓などに直接スプレーを吹きかけると、一定期間効果が持続するでしょう。

越冬場所を探し始める9月頃からは、よりこまめにスプレーするのがポイントです。

3.ミントやハッカ油を活用する

カメムシ用の忌避剤や殺虫剤が手もとになく、今すぐに対策したい場合は、忌避剤を手作りする方法もあります。

カメムシはミント系の香りを嫌う性質があるため、ハッカ油と水、無水エタノールをよく混ぜ、スプレーボトルで網戸などに吹きかけましょう。割合は、ハッカ油20滴程度に対し、水90ml程度が目安です。

また、ミントを庭やベランダで栽培するのも選択肢の一つです。ただし、ミントの繁殖力は危険ともいえるほどなので、庭に地植えはせず鉢植えを使い、定期的に刈り込み、広がらないように注意しましょう。

4.照明をLEDにする

カメムシは、紫外線の光に寄ってきます。そのため、蛍光灯や水銀灯ではなく、紫外線の少ないLED照明を使うと、カメムシ対策になるでしょう。

一般家庭では、蛍光灯からLED照明へ交換する際に、工事は不要なケースが多いと考えられます。ただし、安定器が付いた蛍光灯の場合は、有資格者による工事が必要となるため、事前に確認しておきましょう。

また、使っていない照明をこまめに消したり、窓に遮光フィルムを貼ったりと、より手軽な工夫でもカメムシ予防につながります。

5.侵入経路の隙間をなくす

カメムシの室内への侵入経路は、おもに玄関や窓、網戸、換気口、換気扇の隙間です。また、ゴキブリなどの害虫と同様に、エアコンのドレンホースが侵入経路となることもあるでしょう。

玄関ドアや窓を開けっ放しにしないのはもちろん、侵入経路となる隙間をなくすことが大切です。

隙間をカバーするための専用商品は、ホームセンターや100円ショップなどで購入できます。また、ドレンホースには、「防虫キャップ」と呼ばれるものを使用するとよいでしょう。

6.洗剤や柔軟剤を見直す

カメムシは、甘い香りの洗剤や柔軟剤に引き寄せられる可能性があります。特に、フローラル系や柑橘系の洗濯用品を使用している場合は、注意が必要です。

カメムシ対策をするなら、無香料の製品に切り替えるか、使用量を減らすのがおすすめです。どうしても甘い香りの製品を使用したいときや、白色の洗濯物があるときには、部屋干しも検討しましょう。

洗濯物を取り込む際に、カメムシが付いていないかチェックしたり、洗濯物を叩いたりすることも習慣付けてみてください。

7.防虫ネットや寒冷紗で守る

農作物には、防虫ネットや寒冷紗といった物理的なカメムシ対策が効果的です。先述のとおり、カメムシはわずかな隙間でも通過するため、カメムシに対応した商品を選びましょう。

なお、防虫ネットや寒冷紗と併せて、忌避剤・殺虫剤を使用したいと考える方もいるかもしれません。農作物の保護目的で使える忌避剤・殺虫剤は、農薬登録品のみです。

野菜や果樹などのカメムシ対策には、以下商品が適しています。

商品名

特徴

ベニカVフレッシュスプレー

野菜や果樹、花、庭木などの幅広い植物に使用でき、カメムシに関しては、枝豆やさくらんぼが対象です。殺虫・殺菌成分が植物に浸透するため、雨が降っても効果が継続します。

ベニカベジフルスプレー

野菜や果樹を中心に、さまざまな害虫退治に使える殺虫スプレーです。カメムシに関しては、枝豆や大豆、キウイフルーツ、さくらんぼが対象です。

ベニカ水溶剤

顆粒の水溶剤タイプで、有効成分はベニカベジフルスプレーと同じです。カメムシに関しては、ナスやピーマンなどの野菜から、梨やりんご、桃などの果物まで、幅広い植物が対象です。

さらに詳しい情報は、以下をご覧ください。

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カメムシを駆除する方法

カメムシを見つけたら、悪臭を放ったり卵を産み付けたりする前に、速やかに駆除することが大切です。ここでは、カメムシの代表的な駆除方法を見ていきましょう。

殺虫スプレーを使う

速効性の高い殺虫スプレーを使えば、悪臭を放つ前にカメムシの活動を止められます。カメムシ対策としては、「シラフルオフェン」などの成分を含んだ殺虫スプレーが一般的です。

ポイントは、カメムシの動きが止まるまでしっかりとスプレーをかけることです。また、可能であればカメムシのお腹側に当たるようにスプレーすると、殺虫成分が効きやすいでしょう。

カメムシ用の殺虫スプレーとしては、後述する「カメムシ対策におすすめの駆除スプレー」の章で紹介していますので、ご覧ください。

「カメムシ対策におすすめの駆除スプレー」の詳しい情報はこちら>>

粘着テープを使う

殺虫スプレーがない場合は、ガムテープや養生テープでも駆除できます。テープの粘着部分にカメムシをそっと貼り付け、厚紙などでくるんだうえで、ビニール袋に入れて廃棄しましょう。意図せずカメムシが手に触れることのないよう、軍手などを着用すると安心です。

室内のカメムシを外に逃がすだけであれば、ペットボトルや瓶で捕獲する方法もあります。

ただし、いずれの方法でも刺激を与えず、悪臭を放つ前に処理を終えなければなりません。手間がかかるため、特に複数のカメムシがいる場合は、あまり現実的な方法ではないでしょう。

カメムシ退治でやってはいけないこと

カメムシを駆除する際には、何より悪臭に気を付けなければなりません。叩いて潰してしまうと、その場所に汚れや臭いが残り続けます。

また、掃除機でカメムシを吸うのもNGです。吸い込んだあとに、カメムシが掃除機内で分泌液を発するため、悪臭が掃除機の内外に拡散されてしまうでしょう。状況によっては、掃除機を買い替えることになります。

ただし、気を付けていても、カメムシの臭いが付着してしまうかもしれません。万が一、嫌な臭いが付着してしまったもの・場所は、以下の方法で臭いを除去しましょう。

  • 界面活性剤を含んだ洗濯洗剤や食器用洗剤で洗う

  • サラダ油やオリーブオイルを垂らして洗う

  • スチームアイロンなどで熱を加える

サラダ油などが効果的なのは、臭い成分の「トランス-2-ヘキセナール」が油に溶けやすいという性質があるためです。クレンジングオイルも同様に、効果があると考えられます。

カメムシ対策におすすめの駆除スプレー

自宅周辺のカメムシ対策に、「カメムシアタッカーEX」を活用してはいかがでしょうか。

カメムシアタッカーEXは、「モンフルオロトリン」と「シラフルオフェン」の2つの有効成分により、カメムシの速殺効果・侵入防止効果があります。おもに、外壁や網戸、サッシ、玄関まわりなどでの使用を想定しており、効果は4ヵ月程度持続するため、越冬するカメムシ対策にもなります。

殺虫剤でありながら、臭いはほとんどなく、使用箇所が汚れにくいのもポイントです。通常噴射のほか、ノズル噴射もできる2way仕様であり、カメムシの侵入経路となる小さな隙間まできちんと対策できるでしょう。

【適用害虫】カメムシ、ガ、クモ

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なお、カメムシアタッカーEXは農薬登録品ではないため、農作物には使用できません。野菜や果樹のカメムシ対策には、先述の「ベニカVフレッシュスプレー」などをご活用ください。

まとめ

大量発生することもあるカメムシは、洗濯物に付いて悪臭を放ったり、室内に侵入してきたりと、日常生活に不快な被害をもたらします。なかには、農作物への被害に悩まされる方もいるでしょう。

カメムシを寄せ付けない・侵入させないためには、自宅周辺の雑草を除去する、侵入経路となる隙間をなくすなど、環境を整えることが大切です。

併せて、カメムシ用の忌避剤・殺虫剤を活用すれば、簡単かつ効果的にカメムシ対策ができます。その際には、速効性と持続性に優れた、「カメムシアタッカーEX」などをぜひご活用ください。

監修 矢澤秀成
園芸研究家、花菜ガーデンヘッドガーデナー。愛称「ほそめ先生」。種苗会社にて野菜と花の研究をしたのち独立。植物園や肥料会社、造園会社などの顧問を歴任。またNHKテレビ「趣味の園芸」、「あさイチ(グリーンスタイル)」などの講師を務め、家庭園芸の普及に幅広く活躍する。「趣味の園芸」(NHK出版)、「園芸入門」(同)、「プリムラの育て方」(同)、園芸の基本帖」(KADOKAWA)など、執筆多数。

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