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知っておきたい園芸情報 - 園芸コラム肥料焼けとは?症状への適切な対処の仕方と予防方法

植物の葉が萎れる、元気がないといった様子に気付いた際、「栄養不足?」「それとも病気?」と悩む方もいるでしょう。

植物に過剰な肥料を与えると「肥料焼け」を起こすことがあり、植物の不調はその肥料焼けが原因の可能性も考えられます。肥料焼けを防ぐには、肥料を与える際に予防策を講じることが重要です。

また、肥料焼けが発生した際、症状が進行すると植物が枯死する可能性があるため、早期に適切な処置を施すことも大切です。

この記事では、肥料焼けの原因や症状、肥料焼けが発生した際の対処法について解説します。併せて、肥料焼けの予防策などについても紹介します。

目次

肥料焼けとは?

肥料焼けとは、植物に適切な量の肥料を与えないことが原因で発生する生理障害です。肥料焼けは、「肥やけ」「肥料あたり」「根やけ」などとも呼ばれ、化学肥料のほか、堆肥や有機肥料でも発生する場合があります。

植物が肥料焼けを起こすと、葉が変色する、根が傷む、生育が停滞する、重度の場合は枯れるといった症状を引き起こします。

肥料焼けのおもな原因

次に、肥料焼けが発生するおもな原因について見ていきましょう。

肥料焼けのおもな原因の一つは、肥料の過剰投与です。植物に多量の肥料を一度に与えると、土壌中の肥料成分が高濃度になり、根の細胞膜を通過して根細胞に入るはずの水分が逆に外に出てしまうことがあります。

水分を失った根はダメージを受け、地上部への水分供給ができなくなり、葉が萎れたり枯れたりしてしまうのです。

肥料の量が適切であっても、肥料を施した直後の種まきで発芽したばかりの根や、苗の植え付け直後の根が直接肥料に触れると、種や苗の成長が阻害されることがあります。このような症状も肥料焼けに含まれます。

肥料焼けしたらどのような症状が出る?

肥料焼けを起こした植物には、さまざまな症状が表れます。肥料焼けの代表的な症状は、次のとおりです。

  • 種が発芽しない、または種から出た根が枯れる

  • 葉が緑から黄色や茶色に変色する

  • 葉の先端が萎れる

  • 植物が枯れる

など

肥料焼けの症状は養分欠乏症など、ほかの病気と間違える場合があるため、十分に見極めたうえで対処しましょう。

肥料が多すぎると害虫が発生する可能性も

植物に適量以上の肥料を与えると、害虫の発生リスクも高まります。例えば、窒素が多く配合された肥料を使用して育てた野菜は虫(アブラムシ等)の発生が多くなる傾向があります。

これは、多量に施用した肥料に含まれる窒素によってアミノ酸が過剰に生成され、それを好むアブラムシが集まるためです。植物を育てる際は、適切な量の施肥とともに害虫対策を講じることも重要です。

肥料焼けが発生した際の対処法

肥料焼けが発生した際は、適切な処置が必要です。ここからは、肥料焼けが発生した際の対処法について解説します。

1.肥料を取り除き灌水する

肥料焼けが発生したら、土の肥料成分濃度を速やかに下げることが大切です。

まず、余分な肥料を移植ゴテやスコップで取り除きます。

さらに、土をかき混ぜて肥料を分散させる方法が有効です。このとき、肥料分の少ない土を混ぜ込むとさらに有効です。

また、土壌を多量の水で洗い流すと、一時的に土壌中の肥料成分濃度が下がる、土の深部まで肥料成分が浸透し濃度が低くなるといった効果を期待できます。

2.症状が深刻な場合は植え替える

肥料焼けの症状が深刻な場合は、苗を新しい土壌に移植して被害を最小限に抑えます。また、新しい土を用意して種をまき直してもよいでしょう。

肥料焼けを予防するには?

次に、肥料焼けの予防法について解説します。

肥料は適量を与える

肥料焼けを防ぐには、植物の種類や生育状況に合わせた適切な施肥が重要です。肥料を与える際は、製品に記載された推奨量を参考にしましょう。また、肥料が一箇所に偏らないよう、均等に撒いてください。

特に、水溶性が高く窒素成分を多く含む肥料は、一度に多くの量を施用すると肥料焼けのリスクが高まります。また、速効性のある肥料を使用する場合は、少量ずつ施肥し、植物の状況をこまめに観察しながら与えることをおすすめします。

追肥は少しずつ施肥する

追肥とは、生育状況に応じて肥料を追加することです。

追肥を行なう際は、一度に多量の肥料を与えるのではなく、植物の成長過程をよく観察しながら、少量ずつ与えましょう。これは、少しずつ肥料を与えることで、土壌の肥料濃度の急激な変化を防ぐためです。

肥料の種類を考慮する

苗を植え付ける前に土に撒く元肥を選ぶ際は、速効性肥料よりも緩効性肥料の使用をおすすめします。速効性肥料は、肥料成分が素早く溶け出すため迅速な効果を期待できますが、肥料焼けを起こしやすいデメリットがあるため注意してください。

緩効性肥料は、肥料成分がゆっくりと溶け出し、植物に長期的に安定した栄養供給を行なうため、多く施用したとしても肥料焼けを起こす確率は低いとされています。

施肥方法を工夫する

元肥には、「全層施肥」と「溝施肥」の2つの種類があり、家庭菜園を行っている方は参考にしてみてください。

全層施肥は、肥料を土全体に撒いて、均一に混ぜ込む方法です。ホウレンソウやシュンギクなどの菜葉類や、ニンジンやダイコンなどの根菜類に適し、肥料が土の中で均等に分布するため肥料焼けが起きにくいとされています。

溝施肥は、植穴や溝の底に肥料を施す方法です。根張りが深いトマト、ナス、ピーマンといった果菜類や、キャベツやブロッコリーなどの株間や畝間を空けて栽培する葉菜類などに適しています。

どちらの方法においても、肥料が種や苗と直接触れるのを避けるため、肥料を含んだ土の上に少量の土をかぶせてから植えるとよいでしょう。

追肥の際は、肥料を株元から離し、植物の根が伸びる方向を意識して肥料を施すことで、根が直接肥料に触れるのを防ぎ生育が良くなります。

未熟有機肥料は使用しない

未熟有機肥料とは、有機物が十分に分解・発酵していない堆肥を指します。未熟有機肥料は、分解するときに有機酸や熱が発生します。これが植物の根と接触した際に、根が枯死することがあるのです。

なお、未熟有機肥料はアンモニア臭や悪臭がすることもあるので、不快な臭いがする場合はさらに熟成させてから使用するようにしましょう。

肥料焼けしにくい肥料はコレ!

マイガーデン粒状肥料」は、植物の健やかな生育をサポートする肥料です。「マイガーデン粒状肥料」の3つの特長を紹介します。

1.肥料焼けしない

「マイガーデン粒状肥料」は、コーティングされた肥料成分が緩やかに溶け出し、植物の生育に必要な栄養を持続的に供給します。

根に直接触れても肥料焼けを起こしにくいため、安心してご使用いただけます。コンテナ栽培や地植え栽培のどちらにも適し、花壇の草花、庭木、芝生、グランドカバーなど、幅広い用途に利用可能です。

2.肥料効果は約1年間

「マイガーデン粒状肥料」は、植え付けから生育期まで、1年中利用できる汎用性の高い肥料です。元肥としても追肥としても使用できます。

肥料効果の持続期間が約1年間と長く、異なる溶出速度の粒をブレンドすることで、植物の生育ステージに合わせ、安定した栄養供給を実現します。

さらに、温度変化に応じて肥料の溶出量を調整するリリースコントロールテクノロジーにより、肥料の無駄を省き環境にもやさしい肥料です。

3.植物と土を一緒に元気に

「マイガーデン粒状肥料」は、植物の成長のほか、土壌の健康もサポートします。腐植酸と植物性有機質を含み、土の保水性や通気性を高め、土に活力を与えます。

また、「マイガーデン粒状肥料」は、植物への肥料吸収効率を高める腐植酸入り緩効性肥料です。

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まとめ

植物に過剰な肥料を与えると、肥料焼けと呼ばれる生理障害が発生し、植物の生育が阻害されることがあります。肥料焼けは、肥料の過剰施用のほか、高温下における肥料に含まれるアンモニア成分のガス化などが原因です。

肥料焼けを防ぐには、肥料の量や種類、施肥方法などに注意することが重要です。「マイガーデン粒状肥料」は、コーティングされた肥料成分が緩やかに溶け出すため肥料焼けが起こりにくく、植物の生育促進のほか、土壌の健康もサポートします。

美しい庭作り、そして植物の健やかな生育のために、ぜひ「マイガーデン粒状肥料」を活用してみてはいかがでしょうか。

監修 矢澤 秀成
園芸研究家、花菜ガーデンヘッドガーデナー。愛称「ほそめ先生」。種苗会社にて野菜と花の研究をしたのち独立。植物園や肥料会社、造園会社などの顧問を歴任。またNHKテレビ「趣味の園芸」、「あさイチ(グリーンスタイル)」などの講師を務め、家庭園芸の普及に幅広く活躍する。「趣味の園芸」(NHK出版)、「園芸入門」(同)、「プリムラの育て方」(同)、園芸の基本帖」(KADOKAWA)など、執筆多数。

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