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おもにサラダで食べられることの多いレタスは、家庭菜園で育てられる野菜の一種です。特に、リーフレタスのような玉にならないレタスは、プランターでの栽培も可能なので、自宅の庭や借りた畑などが狭くても気軽に取り組めます。
一方、家庭菜園でレタスを育てる際に、最も注意を払うべきなのが病害虫対策です。レタスには対策を行なわなければさまざまな病害虫がつき、病害がひどければ収穫ができなくなる恐れがあります。
本記事では、レタスにつく虫の種類と発生原因・対処法を解説します。
レタスにつく代表的な虫は、以下の7種類です。
オオタバコガ
ナモグリバエ
ヨトウムシ
アブラムシ
ハスモンヨトウ
カブラヤガ
ナメクジ
ここでは、それぞれの虫の特徴と対処法を解説します。
オオタバコガは、幼虫のときにレタスに食害を与える病害虫です。
若齢幼虫は、レタスの育苗期から結球前の段階で新芽内に入り込み食害を起こし、その後の成熟幼虫は展開前の葉っぱを食べてレタスを弱らせます。
雌1匹当たり1,000~2,000個の卵を産むため、1匹つくだけでも次から次へと被害を与える点も厄介なポイントです。
発生原因 |
葉っぱに卵を産み付けられる |
発生時期 |
9~11月 |
駆除方法 |
レタスを注意深く観察し、初期被害の時点で薬剤を散布する |
ナモグリバエは、葉肉内に潜り込んで食害痕を残す特徴から、別名「絵描き虫」とも呼ばれています。この絵描き症状が葉っぱの広範囲におよんだ場合、枯れてしまうことがあります。また、食害跡以外にも産卵した跡が淡褐色に変色して残り、見た目にも悪影響をおよぼします。
ナモグリバエとよく似た食害虫に「ハモグリバエ」と呼ばれる種類がいますが、ナモグリバエはハモグリバエの一種です。ナモグリバエは葉っぱの裏側を食すのに対し、ハモグリバエは葉っぱの表側を食します。
発生原因 |
成虫が飛来し、卵を産み付ける |
発生時期 |
4~11月(屋内は年中発生) |
駆除方法 |
防虫ネットを張る。周辺の雑草を抜いておく |
ヨトウムシは、和名で表記すれば「夜盗虫」で、その名のとおり夜間に這い出て食害を起こす病害虫です。最大で5~8cmほどの大きさになりますが、夜間に活動する特性から見つけにくく、気付けば食害の被害にあったことも少なくありません。
特に新芽の発芽時に食害された場合、のちの収穫に多大な悪影響が出る恐れがあり、早期に駆除することが大切です。
発生原因 |
成虫が飛来し、卵を産み付ける |
発生時期 |
4~6月、9~11月 |
駆除方法 |
初期被害では葉っぱごと除去し、被害が拡大した場合は薬剤の散布を行なう |
アブラムシは、繁殖力が非常に強く、アブラムシが産卵した葉っぱにほかのアブラムシがやってきてさらに産卵する習性があるため、凄まじい速さで増殖します。
体長は0.5~3㎜と小さいですが、その数の多さから吸汁されたレタスは弱り、病気にかかりやすくなります。また、アブラムシ自体が病気を媒介する病害虫でもあり、すす病・モザイク病などに感染しやすくなるのも厄介な点です。
発生原因 |
アブラムシがくっついている葉っぱにやってきて産卵する |
発生時期 |
年中(極冬期・盛夏期を除く) |
駆除方法 |
薬剤散布やアリの駆除を併せて行なうことが効果的 |
ヨトウムシ類の一種であるハスモンヨトウは、一度の産卵で数百個の卵を葉っぱの裏側に産み付ける病害虫です。
ヨトウムシと同じく、夜間に活動するため見つけにくいのが特徴です。特に、多発生すると葉っぱ全体が食べ尽くされ、レタスの定植直後から被害に遭うと収穫ができなくなる恐れがあります。
発生原因 |
成虫が飛来し、卵を産み付ける |
発生時期 |
8~11月(9月に多発生の恐れあり) |
駆除方法 |
初期段階で葉っぱごと除去する。除草対策も同時に行なうと効果的 |
カブラヤガは、作物の地際付近や葉っぱに食害を起こすネキリムシの一種です。日中は地中に潜み、夜間に活動するのが特徴です。
レタスには直接産卵せず、近くのイネ科の植物に産卵し食べ尽くしたあと、餌を求めて移動してくることによりレタスが被害を受けるパターンが一般的です。
特に、越冬に成功した老熟幼虫の食欲は旺盛で、1匹が複数のレタスに食害を与えるケースも珍しくありません。
発生原因 |
レタスには直接産卵せず、イネ科雑草へ最初産卵したあと、餌がなくなり次第移動してくる |
発生時期 |
4~11月 |
駆除方法 |
定植10日前に耕耘や除草剤を散布し餓死させる。定植前に薬剤を土壌に散布することも大切 |
ナメクジは、湿気が多い場所を好む病害虫で、レタスの場合はプランター栽培や日当たりの悪い土地で育てている場合につきやすくなります。
薬剤以外にも、塩分・熱湯など弱点の多い虫ですが、一方で「広東住血線虫」という寄生虫を宿している可能性があり、危険です。
ナメクジそのものはもちろん、食害跡や通った跡を触った場合でも、念入りに手を洗うようにしてください。
発生原因 | 湿気の多い場所で生育していると増えやすい |
発生時期 | 通年発生するが、4~6月と9~10月が特に多い |
駆除方法 | ピンセットで捕殺するか、熱湯をかける |
レタスに虫がつかないようにするには、以下の4つの対処法を実践するのをおすすめします。
日常的に観察する
適切な生育環境を整える
防虫ネットを張る
薬剤を用いる
それぞれの対処法を解説します。
病害虫は大抵の場合、レタスに対して何らかの病変・異常をもたらします。そのため、レタスを日常的に注意深く観察することで、病害虫の被害に遭っているか否かをいち早く発見できます。
観察の際、特に注意すべき箇所は以下のとおりです。
葉っぱの表面、裏面
茎部
色味 など
観察することで、例えばナメクジなら通った白い跡が光る、ナモグリバエなら食害跡が蛇行しているなどの特徴で簡単に判別できます。また、病害虫の排泄物が付着していないかもチェックしましょう。
さらに、観察時にはレタス本体だけでなく土中も行なうことが望ましいです。なぜなら、ヨトウムシやハスモンヨトウなどでは日中は土中に潜んでいるため、日中に見つけるのが難しいからです。特に、ヨトウムシやハスモンヨトウがもたらす病変・異常を見つけたら、念入りに土中まで観察を行なってください。
レタスにとって以下のように適切な生育環境を整えると、病害虫が寄り付きにくい環境になります。
湿気が多い・日陰は避けて定植する
適正な日照管理を心がける
水はけの良い土壌の状態を用意する
レタスとレタスの間隔を空けて植え付ける など
また、レタス以外の植物を栽培することで、病害虫の天敵となる益虫を呼び寄せる方法もあります。例えば、テントウムシはアブラムシの天敵なので、テントウムシが寄り付くような菜園作りを心がけることで、アブラムシが寄ってこなくなるでしょう。
病害虫が寄り付くのを防ぐには、防虫ネットを使用するのが効果的です。
防虫ネットは、植物・プランターの大きさ、作付(栽培)面積の大小に合わせてさまざまなサイズのものが販売されており、プランターで育てるレタスにも使用できます。
レタスに被せる防虫ネットを選ぶ・使用する際のポイントは、以下のとおりです。
目合い(網目)は4㎜以下の細かいものを選ぶ
苗の根本までしっかりと覆い被せる など
なお、防虫ネットを使い始めるのは、新芽が出たらすぐのタイミングが最も効果的です。
病害虫を防ぎ、質の高いレタスを効果的に育てるには薬剤の利用がおすすめです。
薬剤は、病害虫を防ぐのはもちろん、生産量を確保し、品質を担保するのに役立ちます。病害虫用のほか、雑草用・病害用などさまざまなタイプの薬剤が市販されています。
病害虫用の薬剤には、病害虫を寄せ付けないもののほか、すでに植え付けられた卵や孵化(ふか)した幼虫を駆除するものがあります。さまざまな病害虫から野菜を守る薬剤を販売しているのが、「住友化学園芸」です。
特に、レタスにつく病害虫に良く効くのが以下、「ベニカXネクストスプレー」と「ピュアベニカ」です。
「ベニカXネクストスプレー」は、レタスにつく病害虫のハスモンヨトウ、アブラムシに効果があります。化学防除成分と物理防除成分を組み合わせた薬剤で、世界初となる以下の5種類の成分を配合し、病害虫をしっかりと防除します。
還元澱粉糖化物:薬剤抵抗性の発達したアブラムシに効く
クロチアニジン:雨に強い浸透移行性で、殺虫効果が持続
ペルメトリン:ノックダウン効果で害虫を素早く退治
ピリダリル:ハスモンヨトウなどの大型幼虫に効く
マンデストロビン:雨に強い浸透移行性で、病気の予防・治療に効果的
また、レタスだけでなく、花、庭木、野菜(トマト・きゅうり・なす・キャベツ・リーフレタス・メロン)など幅広い植物に使えます。
【適用病害虫】
アブラムシ類、ハスモンヨトウ、オオタバコガなど
※詳しくは以下の商品ページでご確認ください。
「ピュアベニカ」は、レタスにつく病害虫であるアブラムシ・ハスモンヨトウ・ナメクジを寄せ付けない効果がある病害虫対策スプレーです。
ピュアベニカの特長は以下のとおりです。
虫の予防・退治:アブラムシ、ハダニ、コナジラミ
虫を寄せ付けない
※忌避効果のことで殺虫効果は期待できません
食害を抑制:ナメクジ、ハスモンヨトウ
産卵を抑制:モンシロチョウ、ハモグリバエ
病気の予防:うどんこ病、黒星病
病気に強く:青枯病、うどんこ病
※株もとに散布することで根を刺激して、植物の抵抗力を高めます(抵抗性誘導)
ピュアベニカは、食品100%お酢生まれの病害虫対策スプレーなので、食べる直前まで何度でも散布しても人体に影響はありません。虫を寄せ付けず、安全性も高い製品といえます。
【適用病害虫】
アブラムシ類・ハモグリバエ・ハスモンヨトウ・ナメクジ
健康なレタスを育てるためには、病害虫の具体的な特徴と駆除方法を把握して、レタスを日常的に観察し、適切な生育環境を整えることが大切です。また、防虫ネットの使用や薬剤の利用も効果的です。
特に、「ベニカXネクストスプレー」と「ピュアベニカ」は、併用して使うと予防と殺虫どちらもカバーできます。
本記事で紹介した内容を参考に、健康でおいしいレタスを育てましょう。