2021年12月15日配信号 vol.105
冬の楽しみ方
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今年も残すところあとわずかとなりましたが、今年のうちに手近で楽しめるインドアグリーンの管理方法をおさらいしてみませんか?暖房による乾燥やホコリの蓄積による汚れなど、よくみると室内で育てている植物にもケアできる事は結構ありますよ。育てている植物を植物栽培ナビ「観葉・多肉植物の育て方」でチェックしてみてください。
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★☆冬越しのコツ☆★
熱帯から亜熱帯生まれの植物は、寒さに弱く、低温にさらされるだけで枯れてしまうため、早めに暖かい室内に取り込み冬越し対策を。耐寒性がある植物でも、寒風に当たると、枝葉が傷み、枝先から枯れ込むので、日だまりの軒下に取り込んだり、不織布や寒冷紗などで覆って寒風や霜、雪から保護します。植物によって防寒対策が必要なので、早めの対策を心がけましょう。
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◆◇ガーデニングコラム 「今日もみちくさ」 その100◇◆
贈りもの
郵便受けに大きめの封筒が届いたら、それは来年のカレンダー。送り主は取引先の方々や、かつてお世話になった方などで、12月が近づくころから「もう鬼も笑うまい」と一斉に届き始めます。景気がすこぶる落ち込んだ時期はそんな贈りものの姿も見えなくなったけれども、コロナ禍超えの最中の今は、気合と未来への期待を込めた暦なのかもしれません。
では私も、贈りものを探しに出かけるとしましょうか。もちろん「みちくさ」しながらね!
◆ 歴史あるピンク系
「花選びのアドバイスをして欲しい」。
知人からそんな依頼が届きました。尋ねれば、自分のための花ではなく、贈り花だといいます。待ち合わせの場所からお花屋さんへ向かう道すがら、贈るお相手の年齢層や特徴を簡単に聞いてみると、新築祝いの贈りものなんだそう。
新築祝いではグリーンを贈ることがよくありますが、花は大好きだけれどもあまり詳しくないだろうその方に負担なく、だけど華やぎのある季節の鉢花を贈りたいと知人はいうのです。
季節がら、お花屋さんの店頭はシクラメンとポインセチアで華やかさをましています。知人は迷いなくまっすぐにシクラメンの鉢花に手を伸ばし、鉢をくるくると回して四方から株を確認しているようでした。
「これか、これ。どうかな?」
スタンダードな花形とフリルのタイプと、さぁどっち? カラーはどちらもピンク系。シクラメンというと赤! という人が多いと聞きますが、少しだけ特別感を煽る意味でピンクもよく選ばれるそうです。最近ではとっておきのギフトとしてブルー系推しの傾向もありますが、不動の人気はピンクなのでしょう。どおりでピンク系のバリエーションが一番豊富です。シクラメンの育種が始まったのは19世紀のヨーロッパですが、実は当時からピンク系は最もバリエーションが広がった花色なんだそうです。原種のもつ花色は、本質的にバリエーションの素養を持ち合わせているからでしょう。
◆ リバイバルする花形
また、フリルといっても花弁の先端が大きく優雅に波打つものから細かく強く巻いたもの、フリンジが際立つものなど様々。ピンク系といっても花形で大きく印象が変わることを実感します。
選んでいる最中、知人がふと目をやって、瞬間的に瞳が輝いたのがピコティ入りのフリンジが立ち上がる咲き方、いわゆるビクトリアでした。個性的でありながらとても古い品種で、日本には昭和初期に導入されて以来、70年代にはビクトリア咲きの大ブームがありました。その後、ブームの翳りはあったものの花形としては定番化。むしろ最近では、若い層の方々にもこのきらめく王冠型が新鮮に映るようで、「ステキ!」と声を上げている場面に幾度か遭遇しました。
かわいらしいだけではない正統派の華やかさ。見事この度の贈りものに選ばれたピンク色のビクトリア咲きのひと鉢は、丁寧にリボンをほどこされ、知人に抱えられていきました。きっとまだ硬いだろう新築のお家の空気を、ぐっと和らげてくれるに違いありません。
さて私も。誰かに花を贈りたい気持ちがムズムズしてきたのを抑えて、お相手がいない今日のところは自分へのギフトをキメちゃいましょうかね。私もピンクにしようかな。気持ちが明るくなるピンクの魔法を上手につかって、きっとよい年が訪れると願って。
PROFILE
ウチダトモコ [プロフィール]
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。
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花と緑のメールマガジン vol.105はここまで!
次回の配信もお楽しみに!
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発行日:2021年12月15日
発行元:住友化学園芸株式会社ホームページ事務局
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