病害虫ナビアザミウマ

植物につく虫
汁を吸う虫
茎葉を食べる虫
家のまわりの虫
不快な印象を与える虫
発生カレンダー
発生時期:5月中旬~9月中旬

カレンダーは拡大してご覧ください。

被害症状

花の害虫といわれるように花の被害が目立ちますが、葉や果実も加害します。花では蕾が開き始めると花弁の隙間から入り込んで加害します。初期の被害は花弁の一部にシミのような変色が見られ、進行するにつれ茶色に変色し正常に咲かなかったり、早く咲き終わったりします。また、蕾の時期に加害されると開花せずに蕾のまま終わってしまうこともあります。アザミウマはアブラムシなどと同じ吸汁性の害虫で、植物の汁を吸いますが、その方法はストローのような吸管を植物に直接挿すアブラムシなどとは異なります。アザミウマは、口を植物の表面に押し当て、針のような器官で穴を開け、そこに別の口針を差し込み、同時に唾液を流し込んで、植物の組織を壊しながら汁液を吸い取るようにして加害します。そのため、葉に白っぽい小斑点を生じ、次第に褐色に変色したりかさぶた状になったりします。新芽部分が加害されると新葉が正常に展開しなかったり、湾曲したり、奇形葉を生じたりします。果実では幼果期の被害が目立ち、がくの付近の表皮が褐色のかさぶた状になったり、凹凸状になります。当然、果実の肥大も悪くなります。

生態

確認されているだけでも200種類以上います。成虫の体色は黄色、灰褐色や黒色系が多く、体長1~2mm程度の細長い虫です。群棲しますが、アブラムシに比べスマートであることと花の中や葉の付け根など見にくい場所を好むため、見つけにくい虫です。完全変態(卵→幼虫→蛹→成虫)し、成虫は葉の中に一個ずつ卵を産み、ふ化した幼虫は成虫と同じように加害しますが、一回り小さく翅がありません。変わった点としては、葉上ではなく、葉から落下して土中で蛹になります。大多数は夏の暑さを好み、この時期は短期間で世代交代を繰り返します。最近、といっても1970年代の後半に在来種に比べ薬剤に強い種類、ミナミキイロアザミウマが侵入し、現在全国各地で猛威をふるっています。

防除方法

咲き終わった花がらが発生源になるので、(美観上からも)こまめに摘み取って処分します。完全変態するため、長期間効果が持続する浸透移行性剤が防除に適します。在来種のアザミウマには「家庭園芸用GFオルトラン粒剤」や「家庭園芸用GFオルトラン水和剤」でもよく効きますが、ミナミキイロアザミウマに対しては「ベストガード粒剤」やモスピラン粒剤などが効果的です。

 

 

 

まめ知識

和名はアザミウマと呼ばれています。これは昔の子供達の遊びから由来し、子供達がアザミの花を手に持って「ウマ出よ!ウマ出よ!」と唱えながら、軽くたたいて花の中から飛び出してくる虫の数を競い合ったことから付けられたと言われています。

この病害虫から植物を守る
おすすめ商品
作物ごとの有効薬剤は商品ページの情報をご確認ください。

アザミウマのページです。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。

商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。