病害虫ナビコナジラミ
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直接的な被害と間接的な被害に分けられます。直接的な被害としては葉裏に寄生して汁を吸われるため、葉の葉緑素が抜け白いカスリ状になります。生育が悪くなり、発生量が多くて被害が進行すると、草花や野菜では枯死することもあります。また、シルバーリーフコナジラミではトマトなどの果実の色がまだらになるなど着色異常果が発生したりします。間接的な被害としては、排泄物の上に「すす病」が発生して葉や果 実が黒くなります。適温では急激に発生するため、あっという間に黒くなります。また、「アブラムシ」同様に「ウイルス病」を媒介することもあります。
コナジラミは温度があれば繰り返し発生し、約28日周期で卵→幼虫→蛹→成虫と完全変態します。完全変態する他の虫に比べ、幼虫の移動が少ないため、成虫は幼虫が養分を吸いやすいように柔らかい新葉の葉裏に産卵します。そのため、寄生植物を見ると、新葉には成虫と卵、次葉には幼虫、次々葉には蛹がいるというように順序よく寄生しています。成虫は2mm程度の白いハエのような虫で、被害植物に触れると白い虫が飛び交うため、簡単に他の虫と区別できます。オンシツコナジラミは寒さに弱いですが、関東以西では露地でも越冬します。シルバーリーフコナジラミは休眠せず、温室や室内など一定の温度がなければ越冬できません。
2005年に宮崎県で発見されて以来、各地で薬剤に対して感受性が低い(薬剤が効きにくい)「タバココナジラミバイオタイプQ」という害虫が発生しており、問題となっています。タバココナジラミは、国内では従来系統(バイオタイプ不明)の他に、バイオタイプB(シルバーリーフコナジラミ)、バイオタイプQの2系統が確認されています。
バイオタイプとは、日本語に訳すと「同遺伝子型個体群」となります。生物を分類する場合、通常外見上の違いで個体群を分類します。例えば、モンシロチョウとアゲハチョウは同じチョウですが、見た目が違うので、それぞれ別の個体群と考えます。ところが、外見上は同じように見える生物でも、遺伝子的に違いがあることにより性質が異なる場合があります。そのような場合は、遺伝子的な特徴で個体群を系統に分類します。
今回のタバココナジラミの場合、外見上は従来のタバココナジラミなので、生物学的には単にタバココナジラミとなりますが、遺伝子的な違いがあるため、さらに細かく分類していくとバイオタイプがQ系統だったということです。タバココナジラミの場合、世界中に約40種のバイオタイプが存在すると言われ、そのうち24の系統にはアルファベットがつけられ、バイオタイプA、バイオタイプBといったように呼ばれています。日本国内では在来系統(バイオタイプ不明)、シルバーリーフコナジラミ(バイオタイプB)、バイオタイプQが確認されています。
「ベストガード粒剤」は、このタバココナジラミバイオタイプQに対してもすぐれた防除効果が認められています。
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